待っているこの空間は退屈、ではなかったものの、自分より声域の低い人々の歓声やプログラムされたゲーミング音が左右の耳を包み込み、決して居心地が良いとは言いがたかった為、無意識のうちにそれを脱出するきっかけを探していた。
そのうち、また私の肩に触れる手があった。
それは私の持っていたコインの倍の数を握りしめた彼だった。
『ん、あげる〜』
『増やしてきたw』
どうして初対面相手、ましてや私にそんな濁りのない笑顔が出来るの?
それ、あげるよ!私どうせ負けるし!笑(ニコッ
私にとって不思議でしかない存在だった。
『そう?じゃあありがたく貰うわ!w』
不思議だからこそ、興味が湧いてしまった。
気づいた時には私のスマホの中には彼がいた。
連絡先の交換にこれほど心を揺らがす事があっただろうか。
私は密かに助けを求めた。
誰かこの感情をなんと呼ぶのか、教えて。
私は彼の事をどうしたいのか。
どんな関係になりたいのか。
誰か、教えて。
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