コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
今、異界なのです。私は今、異界にいます。
今日は 珍しく早起きしました。なぜだかアラーム音がおかしくなりました。恋に思いを馳せるような怪音から 頭からお味噌をかけられる時のような ウズウズしたようなノイズに変わっています。
階段をおります。内装にはちりと埃の舞。懐中電灯で照らしましょう。階段にはいつでも常備してありますので。
照らした景色はいつもの内装。ゴミ袋が窓際 数えるだけでも 1.2.3。吐き溜めのような気持ちの悪さ。正体いつものコーヒーカップ。買ってくるんじゃなかったななんて、思った頃にはもう玄関へ。
外に出ました。空気がおいしい。朝だから。いやそれだけではない きっと雀がいるから。雀さん雀さん何をお話ししているの?何にもお話ししていない?退屈紛れに嘴の筋肉の運動だって、私は大爆笑。そうなんだ。雀さんたちも大変ですね。
けらけら乾いて笑うけど、次に笑えるのはきっと何年後も先なんだろう。そう思ったのは人に出会ったから。
奇妙な見た目なんてこと、言ってはいけない思っていけない。だってただただ目が黒いだけなんですからね。ただの単眼。顔面8割。
顔の8割を閉める真っ黒な単眼が私の顔を覗きます。眼に反射した私の顔は真っ青でした。青ざめていて、今にも吐きそう。
考える事もなく、ただ車に乗ります。自分の車。赤いワゴンカー。そうしてどこまでも、どこまでもどこまでも進んでいくと公園がありました。
道のど真ん中に。しかも高速道路のど真ん中。こんなのおかしい絶対に。けれども沸かない疑念の意思。なぜだか知ってるこの公園は、私の大好きな自然公園。「棚片臨海第3公園」。
瀬扉県を代表する大きな公園。たしか利菲県にも似たようなものがあって、そっちは「薔薇園瑠璃畑庭園」だったかな。
なんで知ってるのこんな事。行ったこともないでしょそんなとこ。けれども知ってるあの場所の
景色を見てたら歩いてて 気づけばベンチでいつものエゴサ。私気になってたの。自分の眼が。周りと違う私の単眼。
1人だけ真っ赤な単眼。なんでなの。いつもそう言ってエゴサするの。エゴサってなんだろう。そう思っていつも脳内のエゴサーチ。携帯スマホ?スマボ?だっけ、そんなもの都市伝説。異世界に住んでる住人が使ってるんだって、昔おじいちゃんが教えてくれました。
私は今幸せです。なぜって、なぜなんだろう。ここどこかな?私誰かな?
あっ、そうだそうだ私は猿淦陽蘑圭だ。ダメだダメだ自分の名前忘れてちゃ、番号は55番。次の次辺りが私の番なんだから忘れちゃダメなの。私がまだここにいるうちに。私が1番好きな瀬扉県にいるうちに、私の気持ちを伝えなきゃ。飛ぶ鳥さんに伝えなきゃ。枯れた葉っぱに書き連ねなきゃ。わたしはここだよって。わたしはここで生きてるよって。私は今も目が赤いけれど、私は次の次にみんなと同じになれるからって、伝えなきゃ。
わたしは今、異界にいます。ここがどこだか検討はつかないけれど、私が昔いた場所よりも、新聞が分厚くて、道路にいるネズミの数が多くて、木がたくさん生えています。
あとはそうね。私の書いた事。ちゃんとそちらの言語になってくれてるといいな。私の名前とかどうなるのかな。私はめにくりさたるって名前なのです。蓂字にすると猿淦陽蘑圭になるよ。
日が沈み始めました。ここで文章は終わりです。