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昼休みの教室は、いつもよりざわついていた。
「クロノアー、これ分かる?」
「ノート貸してくんね!」
「放課後時間ある?」
次々と声をかけられるクロノアさんは、困ったように笑いながらも全部受け止めている。
「すごいな、ほんと」
それを眺めながら、ぺいんとは感心半分、呆れ半分で言った。
「疲れないんすか?」
「そんなことないよ」
そう言いつつ、クロノアさんは断らない。
「クロノアさん?帰んないの?」
トラゾーが声をかけると、クロノアさんは一瞬だけ手を止めた。
「…ちょっと残る」
「また頼まれごととか? 」
「まぁね」
少し疲れているように聞こえた。
「…無理はだめですよ」
「大丈夫」
クロノアさんはそう言って笑ったが、目は笑っていないように見える。
風が気持ちいい。
誰もいない屋上で、クロノアさんはフェンスにもたれて息をつく。
「…ふぅ」
その背中に、聞き慣れた声。
「逃げてきたんですか?」
振り返ると、そこにはしにがみくんがいた。
「んー、ちょっとね」
珍しく素直だ。
「断らないんですか?」
「断るの、苦手なんだよね」
「…」
しにがみくんが黙る。
「期待されちゃったらさ、応えないと申し訳ないじゃん? 」
フェンスを握る。
「でも」
クロノアさんは小さく笑う。
「たまに、しんどい」
「クロノアさん!!」
勢いよく駆けてきたぺいんとと、後ろにトラゾー。
「…屋上にいたでしょ」
「分かりやすい」
と、トラゾーが頷く。
クロノアさんは驚いた顔をして、それから少し照れた。
「…バレてた?」
「はぁ…」
ぺいんとは呆れた顔をする。
「俺ら友達…親友っすよね?」
トラゾーも真面目に言う。
「頼ってください」
しにがみも一言。
「無理なときは断っていいんで!」
クロノアさんはしばらく黙った。
そしてゆっくり頷いた。
「ん、ありがと」
いつもより素直な声だった。
「ねぇクロノアさん」
ぺいんとが言う。
「完璧な人間はいませんからね」
「…ん」
クロノアさんが小さく頷いた。
ストーリーに出来ないからこれからも短編集になるかも!