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啓次郎はコスモスピーカーのナビを頼りにレインボーシティへ向かっていた。
「コノサキガレインボーシティデス」
コスモスピーカーがそう言い啓次郎は一度、深呼吸をした。
そういえばと啓次郎は前回ハッピーランドへ来た時のことを思い出した。
前回、現実へと戻れたのは一体…?
啓次郎は足を止めて少し考えた。自称ゲームマスターの工藤玲華(啓次郎の嫁と似ている)から攻撃を喰らい意識を失い、暗闇へ転送された。そしてそこで啓次郎の息子である太陽と出会う。そして彼からゲームマスターは太陽の母親でありその母親はアンハッピーランドをつくろうとしていること、明日香など様々な人を使い操ってたこと。そして啓次郎自身は激しい頭痛に襲われ現実へ戻った。そして啓次郎はこのことを思い出し一つの仮説が出来上がった。もし仮にゲームマスター(工藤玲華)が前トップであれば現在、証言によると行方不明。だが仮に生きていたとすれば…?アンハッピーランドへするための計画を進めている可能性がある。そしてエントと呼ばれる武装集団が50年ぶりに襲撃。もし仮にそれが繋がっていたら…?嫌なシナリオが何度も頭をよぎった。逆に言えば啓次郎自身、それしか考えられなくなっていた。アンハッピーランド計画を知っているのは啓次郎だけ。しかしそれを広めれば彼女が何をしでかすかがわからない。どうすればいいのか啓次郎はわからなくなっていた。なにをするのが正しいのか今何をしているのかすらわからなくなっていた。
「ナガシマ!」コスモスピーカーにそう呼びかけられ目を覚ました。
「レインボーシティハスグソコダ」
「ああ。そうだな…」先程より緊張感が啓次郎自身の中で増していた。もし、彼女がそこにいたら…。
嫌な予感がしてならなかった。しかし、そこで足を止めてはならないと啓次郎はレインボーシティへと足を進めた。
「うわあ…」
レインボーシティへ着き啓次郎は驚いた。無数の虹が光を放ち、啓次郎を迎えているように見えた。そして奥に見えるのは城。巨大な城は七色の半透明で構成されており半透明とはいいつつも内部は見えない。城の入口前には大きな門があり門の前には警備員らしき人が二人、立っていた。啓次郎は彼らに近づき、声をかけた。
「ご用件は?」野太い声に鋭い視線でそう啓次郎に質問する。
「トップの安否を確認しに…」気弱そうな声でそう答える。
「なぜ?」
鋭い視線は変わらず啓次郎に向いていた。
「あ〜えっと…上からのご命令でして…」その場で考えた嘘を話す。
「それでは上へ確認へ行ってまいりますので少々お待ち下さい。あとお名前を伺っても?」
「あ〜永島啓次郎です」
「かしこまりました」そう言うと一人の警備員は門を開け城の中へ入っていった。
もう一人の警備員は相変わらず正面を向いていた。