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注意
英日帝♀の続編(見た方が分かりやすい)
きょうだい、親子、親友表現あり
旧国が出てきます
政治的意図なし
新CP
なし
今回は説明が長いです。
第四話
歩くたびにふわりと舞うスカートに漂う花の香り。
完璧な形をしたベレー帽に
艶々の鞄とローファー。
それになんと言ってもこの可愛い顔!
今日も私は美しすぎて困っちゃう!
「姉さん遅い!時間ギリギリじゃん!!」
デジャヴな台詞と共に女子の真似なのか甲高い声で叫ぶ弟にすこーしイラッとしたけど
こんなことで怒らない心の広い姉を持って
良かったわね。
「ちょっと!!女の子は準備に時間がかかるの!少しは理解しなさいよ!!そんなに文句言うなら寮行けよ!ギリギリまで寝てられるわよ!!」
「姉さんうるさい…口調変わってるし一話と言ってることが違うじゃん…
姉さんこそ寮行けばギリギリまで準備してられるよ?」
「なんですってー!!」
「およしない貴方達、その言い合いが一番の時間の無駄ですよ。」
いつもの喧嘩に正論をかざし治める東京は
毎朝のルーティーンに必須な人材だ。
このクソガキがいる限りね。
まあでもそんな感情の揺さぶりも学校に着いてしまえば消えてしまうわけで。
友達を見つけると怒りも喜びに変わってしまう。
「おはよっ!韓国ちゃん!今日も勉強?
大変だね…!」
私の友達は暇さえあれば教科書や
外国語の単語帳を開いているような子だ。
私とは正反対なのに初等部の時からなぜか
気が合う面白い子だ。
「ええ、もうすぐ中間試験だしね。」
中等部に入ってからはより一層勉学に励むようになったが…
「もうすぐって…一月後だよ?全然まだまだじゃん!」
このところ、少し無理し過ぎな気がしている。その旨を伝えると彼女は少し悲しそうに笑った。
「ありがとうにゃぽん、でも、
私にはやるべきことがあるの。」
そう言って韓国ちゃんはまた真剣な顔になってボロボロになった本を読み返し始めた。
しかし、彼女はまたすぐに顔を上げることになる。
私も例に漏れずその方向を見ると、
中、高等部の女の子達が今朝の日本よりも
ずっと高くキャーキャーと黄色い声を上げていた。
何事かと思ったら観衆の中で一際背が高い
男性が二人、邪魔そうな顔をして通り道を阻められている。
「…へー、新しい先生が来たんだ、確かにかっこいいわね。ま、うちのお兄ちゃんには敵わないけど!!」
「何言ってるの、あの二人は生徒だよ。
ほら、学校の制服着てるでしょ。」
もう一度よく見てみると本当に制服を着ていた。けどどうしても大人にしか見えなかった。高等部だとしても目立つレベルだ。
この後学校の女子達がアメリカ派と
転入生派で別れて戦争が始まることは
また別の話。
あの二人は兄弟らしく、衝撃だったのは
弟の方は中等部一年生だということだ。
「……マジ?」
「マジだよ。しかも私らのクラス。」
いつも勉強している韓国ちゃんも流石に今日はこちらを見て話をしてくれている。
やっぱり女の子なんだなと思ったと同時に、久しぶりにちゃんと会話をしたことが
とても嬉しかった。
一応ここは名門校として名は通っているが、稀に異国から優秀な生徒が編入してくることもある。
年に数人だけど一気に二人とは…
あの兄弟は何者なのか、どれだけ優秀なのかを韓国ちゃんは熱弁していた。
朝礼が始まり、学級委員である
韓国ちゃんが挨拶を終えると今日から
このクラスに新しい仲間が増えることを
担任から知らされた。
多くの女子達が騒ぐ中
担任の背をもうすぐ追い越しそうな噂の転入生が入ってきた。
「ロシアです、人と喋るの好きじゃないんで
基本放っておいてください。よろしく。」
口を開くと女子達の歓声が更に大きくなり、
ロシアとかいう転入生は思わず耳を塞いでいた。
ホームルームが終わるなりロシアの席にクラスメイトが磁石のようにまとわりつく。
「あーあ、せっかくあんな拒絶に近い自己紹介かましてくれたのに、余計に興味を注いじゃったじゃん…」
その様子を遠目に見ていた私は特に用はないので韓国ちゃんと先に移動教室に向かうことにした。
「韓国ちゃんはいいの?めっちゃ興味ありそうだったけど。」
「興味ないことはないけど、あまり人と馴れ合いたくなさそうな厨二病野郎だったからいい。」
余計な一言までズバズバ言う韓国ちゃんは
いつも私の心を代弁してくれるから一緒にいて心地がいい。
やっぱ私もあの転入生と関わらないでおこう。ヤバそうだし。
「そんなことより勉強しないと…」
目的の教室に着くなりすぐに本を開く彼女のこともやっぱり心配かもしれない。
韓国ちゃんの家は厳しくて、
ご両親は厳格なお医者さんなんだって。
彼女には双子のお兄さんがいるんだけど、
そのお兄さんは特待生で、韓国ちゃんよりもずっと賢い。
韓国ちゃんはお兄さんに追いつくため、
つまり特待生になるためにずっと勉強を
頑張ってるんだ。
でも特待生になるのは簡単じゃない。
特待生になるには六才に受ける入学試験で
合格者の上位10%に入るか、
一般コースから成績や実績を積んで
「特待生編入試験」に合格しなければならない。
韓国ちゃんは一般コースだから
特待生になるには絶対に後者の方法だけど
特待生編入試験はほんとに難しくて
年に一度しか行われないし
受験者は全学年合わせて毎年何百人もいるけど、合格するのは数十人程。
そんな狭き門を目指して、韓国ちゃんは努力しているのだ。
アメリカお兄ちゃんは前者で
小さい頃から頭が良くて特待生は勿論、
飛び級生にも選ばれ六才の時には既に
初等部三年生に所属していた。
一度も留年や学年を落とされることもなく
通常より早く卒業する予定だ。
入学するのは政財界の重鎮の子供ばかりで、
その中でも上澄みの者しか入れない特待生。
一般コースでも勝ち組なのに沢山の人が
必死になって上を目指すのは努力家な生徒が多い証拠として学校側としても好都合だろうね。
いろんなことを考えているといつの間にか
ランチタイムになっていた。
中等部の食堂は初等部よりもメニューのバリエーションがずっと多く、
量も味付けもだんだんと大人に近づいている。
いつもの席に料理を運んでいると怪訝な顔をした韓国ちゃんが何か言いたげな顔をしてこちらを見ていた。
「韓国ちゃんどうしたの?」
「あのね、にゃぽん…」
「うわっ!!」
「きゃあ!!」
私たちにはランチを食べるときのお気に入りのスポットがあり、そこは食堂の騒音から
離れた落ち着ける場所なので私と韓国ちゃんだけの秘密の場所…のつもりだった。
しかし、今回は先客がいたようだ。
「やべっ」
「ちょっと待ってよ!!」
私たちを見るなりすぐに逃げようとしたその人を思わず引き止めると、諦めたような顔をしてその場に座り込んだ。
「…お前ら二人だけ?」
「うん、そうだよ、だから大丈夫。落ち着いて。」
なんと声を掛ければいいか分からない私に代わって韓国ちゃんがその人を落ち着かせてくれた。
流石学級委員というか、医者の娘というか…とにかくその人は少し落ち着いてくれたようだ。
「お前らは、クラスの奴らみたいに
俺をしつこく尋問しようとしないんだな。」
その人は紛れもなく今日転入してきたロシアだった。
普通に考えて異国の学校で沢山の人にあそこ
まで粘着されたら恐怖を感じるだろう。
「だから人目を避けながら一人で昼食を取ってたのね。」
「ああそうだよお前らのせいで台無しだがな。」
ロシアは人気者だけど、お兄ちゃんのように
適度に人を捌く能力はまだないようだ。
いずれ身に付くだろうけど中学生という
思春期真っ只中の彼にとっては至難の業だろう。
「あーはいはい台無しですか!ごめんなさいね!今日は仕方なく別のとこ行こっ韓国ちゃん!」
ただし、思春期なのは自分だけではないことをこいつは思い知る必要がある。
「にゃぽん、ロシア君は今日転入してきたばかりで不安なことだらけなの。そんなに怒らないであげて?」
韓国ちゃんは冷静に状況を判断して指示することができる。そのおかげで私は彼の心情を理解することができた。
「お前は…」
「韓国よ。貴方のクラスで学級委員を勤めてるわ。
今朝はクラスの者がごめんなさいね…」
先程まで恐怖を感じていたロシアは
私達は信用できると感じたようで
少し安心していた。
人目の付かないところで三人で昼食を取りながらロシアの身の上話を聞いていた。
「ここは俺や兄貴のことを珍しい目で見てくるけど、俺の国では俺くらいの身長は普通だぜ?なんならもっと高いやつもいる。」
ロシアの話は驚きしかなかった。
北方の小国からやってきた彼はそこの下級貴族で、ほぼ庶民並の生活を強いられていたそうだが、兄諸共頭は良かったそうで運良く
我が校に編入することができたという。
「貴族とは言ってもよ〜、俺達はここの奴らみたいに権力も資産もない。
俺なんか別に大したことないぜ。
国から援助貰ってるからいいけど、ここの
学費えぐくね?住んでる世界が違うわ…」
無口で人と関わりたくない人という印象はどこへやら。ここまで話せるなら無理して隠れることないだろうに。
あんなに人を避けていたのは自分は周りより劣ってるから目立ちたくないだけだったらしい。
すっかり話し込んでいた私達は予鈴が鳴るまで授業開始直前だということに気づかなかった。
「ねえ韓国ちゃん、ロシア大丈夫かな…」
「ロシア君次第だね。もっと沢山の人に心を開く努力をしてくれれば、普通に学校生活送れるようになるんじゃない?」
放課後、生徒がそれぞれ車やスクールバスで下校したり寮に帰っている時、私は日本と送迎車が来るまで韓国ちゃんとお喋りという日課がある。
学級委員である彼女の一日の振り返りを作成するというクソめんどくさい宿題を手伝っているのもあるが。
「委員会って大変だね。」
「そうだね、私は寮生だから余計に。」
「ねー今日も寮で遅くまで勉強?たまには早く寝なよ?」
「…うん、ありがと。」
うっすらとクマの見える目で学級日誌を見つめる韓国ちゃんはこのままいけば廃人になってしまうのではないかと…思ってしまった。
「ね、ねぇ韓国ちゃん!昼ロシアと会う前さ、なんか言いかけてたよね!何のことだったの?」
思い出したように話題をすり替えようとした私だが、この後の言葉を聞いて後悔することになった。
「…北朝鮮が、飛び級するかもって。」
韓国
にゃぽんのクラスメイトで両親は医者
学級委員を務めている
双子の兄に追いつくため
特待生を目指している
ロシア
兄と共に異国から編入してきた
にゃぽんのクラスメイト
その異質な見た目と貴族という
身分に振り回される