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容姿も名前も一人称も出しておりませんので
読者様のお望み通りに受け取って下さい
少々違和感を覚えることもありますが
あまり気にせず、
大目に見ていただけると幸いです
今回ではありませんがこの物語には
グロ表現(人によります)がありますので
お気をつけくださいませ
ショッピくんと主人公しか出ません
行きはよいよい
帰りは怖い
どうかこのままお進み下さい
『
ページをめくる指が、一瞬だけ止まった
理由は分からない
ただ、紙の端に視線が引っかかった気がした
印刷のズレか、汚れか
それとも元からそういうものなのか
確認しようとしたが
すぐにどうでもよくなって
私は双眼鏡を構え直した
遠距離部隊の副隊長としての任務は
基本的に静かだ
前線より後方
高台から敵陣を監視し 情報を流す
銃声も爆発もここまでは届かない
代わりに風の音と
自分の呼吸だけがやけに大きく聞こえる
部下たちが、少し離れた位置で待機している
人数は把握している
配置も問題ない
それなのに_顔が、分からない
そこに「人」がいるのは分かる
声も、動きも、装備も正しい
ただ、顔の部分だけが曖昧だった
黒く塗りつぶされているわけでも
完全に見えないわけでもない
五歳児がクレヨンで雑に塗ったみたいに
輪郭だけが残っていて
その隙間から
少しだけ目や口のようなものが覗いている
昔からそうだった
今さら気にすることでもないか
「次のフェーズに移動する」
自分の声が思ったより はっきり響いた
それに対して返事が返る
声は聞き分けられるのに、顔だけが一致しない
任務は問題なく終わった
敵の動きは鈍く
部隊は予定通り仮設拠点へ戻る
点呼、簡易報告、食事
すべてが、昨日までと同じ流れだった
夜は 簡易ベッドに横になり目を閉じる
瞼の裏に浮かぶのは、今日見た顔だった
塗りつぶされたはずの部分に、 一瞬だけ、
確かな 「視線」 を感じた気がして、
胸の奥がざわつく
気のせいだ
そう思ったところで意識が落ちた
_そして
冷たい空気で目が覚める
起床の時間だ
私は何の疑問も持たずに起き上がり
装備を確認した
銃、通信機、双眼鏡、全て問題ない
ただ、入口の横に置いてあったはずの木箱が
少しだけ位置を変えている
ほんのわずかだ 誰かが動かしたのだろう
外に出ると部下たちが集まっていた
相変わらず、顔は曖昧だ
、、、いや
昨日より、ほんの少しだけ、隙間が多い
目の形が、前よりはっきり見えた気がして
反射的に視線を逸らした
理由は分からない
ただ、見てはいけないものを
見たような 感覚だけが、 喉の奥に残った
今日も、いつも通りの一日が始まる
それが終われば、また眠るだけ
毎日同じように過ごすだけ
追加修正(2026/01/06 )