テラーノベル
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リクエストの入れ替わりです。
※(2話ほど続きます)
ずっと知ってた
自分の気持ちにも
知ってるけど知らないふりをしたかった
どうせダメなんだ
好きになったところで報われたりなんかしない
それは綺麗な恋愛だけなのだと。
俺が一番わかっていた。
好きになっちゃいけないって思ってるのに
どうしてこうもうまく行かないものか
自分にだってわからない。
だけどこの憎いくらいの気持ちを無視するほどの勇気なんて微塵もなかった
無視するには大きくなりすぎたこのどこにも吐くことのできない気持ち
苦しくもなる、
彼を見ているだけで気が狂いそうにだってなる
「かわいい」
冗談でもそう言ってくれるのが嬉しくて
でも嬉しいが故に口が固くなってしまう
そして家で嫌われたかもと反省会が始まる
正直考えたくもないことを無意識に考えるのには疲れた、
けど
それは好きになった俺が悪いから
全部責任背負うよ。
身勝手すぎるって彼なら言うのかな
彼になれたらいいのに
あー、せっかく明日はオフだし、
こんなこと考えちゃダメだよな
考えたって叶いはしないんだから
もう寝よう。
彼と両思いならいいのにな。
目が覚めると知らない天井が見えた
重たい瞼をなんとか開き切りあたりを見渡す
知らないもの、服、景色
ここは?と話す前に感じた
なんか視点高くないか?と
自分のいつもの視点よりも少し高い
その違和感がどうにも捨てきれなくて
知らない部屋と
俺が好きだけど嫌いな匂い
ものや服は知らないけど
この匂いは知ってる
これは
「はやと…?」
俺は自分の声が怖くなった
これはこ、これは、紛れもなくはやとの声だった
自分の喉が急にはやとと入れ替わった訳でもないだろう
少し高い視点、はやとの声
そして知らない寝室
「「入れ替わってる?」」
1人のはずなのに声が重なった
重なった声は紛れもなく俺の声だった
なんで俺の声が?
ってことは、はやとは俺で俺は、はやと?
頭が痛くなる
なんで?急に…おかしい話だ
昨日は寝た
変なものも食べてないし飲んでない
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ゆき
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変なところにだって行ったりしてない
なら、なんでこんなこと?
疑問が絶え間なく浮かんでは答えが見つからず沈む
…いや考えるよりも先にやらなきゃいけないことが
俺は立ち上がり一応の確認で洗面所に行く
チラッと見える自分の手に驚く
いやそれは俺の手じゃないのか、
でもまだ希望は
と思ったが鏡に映るのは
俺の好きな人
「佐野はやとじゃねぇかよ…」
寝起きでも驚くほどイケメンだ
悔しいくらいに
自分だけど自分じゃない、なんだか変な気持ちだ
心は俺なのに体は俺じゃない
心がはやとならまだ俺のことどう思ってるか聞けたのかもしれないのに
そんな非現実的なことを考える
いやだいぶ今も非現実的なこと起きてるけどな
とりあえずはやとに会いに行かないとだな
話をしないと
俺は早速支度を始めた
歯を磨いて顔を洗って髪をセットする
はやとの家に行ったのいつかな、
多分半年も前の話になる
そりゃ忘れるわな、
と考え事をしながら髪をいじる
このまま外出てもいいけど
流石にこの寝癖で出るわけには行かない
当たり前だが体つきも俺のものでもないし
髪の触り心地も髪型もセットの仕方も違う
こんなにふわふわしてんだな
はやとの髪の毛
なんか変な気持ちだわ
体つきも…だめだめ、考えたらだめだ。
というかなんで上脱いでんだよ
着ろよ夏だからって風邪引かないと思うなよな
あとで注意しねぇと
寝室に戻りとりあえず目に入った服を着る
俺の持ってない見たことのない服もたくさんあった
服買いに行く時間なんてあるのか?
とか思いながらも支度が終わったのでマスクとメガネをかけて
玄関の鍵を閉めて外に出る
そしてさっき寝室で見つけたスマホで連絡を取ろうと
電源をつけるとそこには
俺の寝顔がうつった
ロック画面が俺の寝顔?あいつ罰ゲームでも受けてんのか?
とにかく自分の寝顔なんて見ても気分良くならないのでロック解除し
メッセージアプリを開く
急いで俺の連絡先を確認する
嫌でも共演者さんとのメッセージが見えてしまうが
そんなことを気にしてる場合じゃないので
スルーして
ようやく見つけた俺の連絡先
だけど登録名が気に食わなかった
と言うか気持ち悪かった
登録名 「 じんたん ♡ 」
「…きっしょ」
思わず声に出るがはやく連絡しないと、
俺は自分よりも大きな手で
メッセージを打ち込む
「今日話せる?」
するとすぐに既読がついた
「俺もオフだから話そう、俺の家で待ってていいよ、そっち行くから」
と返信が返ってくる
返信の仕方が本当にはやとっぽいっていうか、なんというか
なんとも言えない気持ちっていうか。
はやとの家で待ってろとの指示がきたので
俺は大人しく指示に従って家に戻る
探検しようとか寝ようとかそんな気にもなれず
変に広いリビングの
ソファーで待つ事しかできなかった
…とはいっても俺の家じゃないので
少しそわそわしながら待っていた
周りを見ても知らないもの高そうなものばかり
昔はよくラーメン食いに行ってたなぁ
いっつもその度写真撮って
みんなに見せるのって聞いたら
一部だけねって確かいつも返してきたなあ
理由は…なんだったっけ?
昔のことすぎて忘れてしまった
今じゃ…中々食べにいけないよなあ
少しだけ寂しい気持ちもあるけど
これはありがたいことだから
我儘も文句も言えないし言える立場じゃない
そうして考えている時インターホンが鳴る
ソファーから立ち上がり
その勢いのまま玄関まで走る
カメラも確認せずに開けると
俺、というかまぁはやと?が立っていた
「…ぉお…、?」
「マジで俺と入れ替わってんじゃん笑」
「あ、ほん、とだな」
笑い飛ばすはやとと違い俺はオドオドしてしまう
だって入れ替わってるのに
こんなに笑える?
なんか俺の笑い方がはやとになってるの
変というかうんとてつもなく違和感がする
こんな自分を見ててもいい気持ちになんてなりやしないので
俺は、はやとを置いてリビングへ先に行く
…はやとから見た俺ってあんなに小さいんだな
少しだけかわいいとか思ったり思わなかったりとか…いや思ってないからね?
ソファーに2人で座ったはいいものの
何から話せばいいかわかんなくて俺はくちをあぐあぐさせるが
はやとは真顔無言を貫き通している
ようやく出た声はかすかすで小さい声だったけど
「ね、ぇ…なんかそっちは変化あった?」
「え?あー、ちっちゃいなぁーって笑」
少し悩んだと思えば俺の身長をいじってくる
どっからその余裕が湧き出てくるのか
全くもってわからない
というか…なんか俺がすごい愛おしく感じるんだけど
なにこれ?おかしい、
おかしいとわかっていても今目の前で笑うはやとが愛おしくてたまらない
抱きしめたいって強く思うのに
体が思うように動かない
てか急に抱きつくのもなぁと俺が体を止めてるようなもんだけど、
どうしたら…いいんだ?
1人困惑してまた話せずにいるとはやとが俺を見透かしたようにこちらを見つめてきた
その目は確かに俺のものだ
何年も見てきた自分の目のはずなのに
自分の目に思えなかった
なんで、そんなに俺のことを
“愛おしい”みたいな目で見つめてくるの?
勘違いしちゃうじゃん
間違いなく自分が目の前にいる、だけど
その目は俺の知ってる自分の目じゃない
それはだけは確実だった
どうしてそんな目で俺を見てくるの?
ねぇ、どうして?
ただ見つめられているだけなのに
こんなに苦しくなるなんて
俺もダメだな…
だんだんと俯く
気づけば視界は堅く握り締められた俺の拳と
見たことのないズボンが
映っていた
するとはやとが小さく息を吸って
「腹減ったろ?」
そう俺にいつもの感じで聞いてくる
見えてないし声も俺のものだけど
やっぱりはやとにしか見えない聞こえない
「うん…」
「ご飯作るから待ってて!ペペロンチーノでいい?」
「…うん」
ごめん、もっと元気よくできれば振る舞えればって思うのに
何もそれを実現できてなくてごめん
空気を重くしてごめん。
はやとに対しての申し訳ない気持ちだけでこの胸は埋まる
はやとがキッチンで冷蔵庫を開ける音が静かなリビングに大きく響く
まるで洞窟の中のように
でもそんなの耳に入らなかった
もう何も聞きたくなくて見たくもなくて
俺は俯いたまま立ち上がって
はやとの寝室へ行きベットに飛び込む
その時
ふんわり香るはやとの匂い
安心する俺の長年嗅いできた匂い
知ってるはずなのに
なんだか新鮮だった
俺は丸くなって目を瞑った
もう何も聞きたくない
“仁人は俺のこと嫌いなのかな”
「え?」
突然のはやとの声に目を開ける
でもはやとはどこにもいないし
体は元には戻っていない
なんだ?今の声?
はやとの声だった絶対…どこ?どこかにいるの?
俺は胸の中で問いかける
もう一度確かめるために目を瞑る
この作品は、早めに完結させます。
死ぬ気で頑張ります
それではまた。
コメント
2件
ああ、おもしろかった…! 仁人の「好きになっちゃいけない」って気持ちが冒頭からすごく透けて見えて、それだけで胸がぎゅっとなった。 入れ替わったあとの「じんたん ♡」には思わず笑っちゃったけど、はやとが仁人のことちゃんと特別に見てたんだなって分かって、そこだけで泣ける。 ご飯作るって言ってサッと動くはやと、入れ替わっても変わらない距離感が優しくて好きです。 続き、すごく気になります。がんばってくださいね🌷