──────ノイズ視点──────
剣を握る。強く握る。絶対に離さないように。
敵は2人。どちらも神の配下、と言っても差し支えないだろう。ならば、俺の前に立ち塞がるというのならば。そいつらは敵でしかない。
普段回らない頭が回る。戦闘の時にはよく回る脳で。それほどまでに戦闘狂なのか、自分はと自嘲するが、その自虐ネタは誰にも届かずに、喉をかすめることなく消えていく。
「いえもんさん…であってる?」
八幡さんが突然こちらに話しかけてくる。名前を尋ねられていた。まあ、今から共に戦う仲間の名前を確認したいのだろう。…今考えれば明らかにいえの振る舞いをしようとした決意に反して、自分勝手に動いている気がする。傍から見るといえでは無いのだろう。ただ、それでも俺は
「はい、正真正銘のいえもんですよ」
俺は、本当にいえもんである。いえではないが。まあ、別に問に対して答えられたならそれで十分だろう。
「どちらがどちらの相手を?」
「私はどっちでも行けるよ」
俺が聞けば、にやりと笑いながら八幡さんが言う。まるで、俺が戦えない相手を代わりにやってあげる、と言わんばかりに。───下に見られている。
───その挑発、受けて立とう。
「俺もどちらもできますよ。」
「それは奇遇だねぇ…。じゃっ私はさっき追い詰めたぐさおさんいくよ。」
「ふはッwじゃあ俺がダークをやりますよ。」
「じゃっまた後で。んま〜ッ!」
まるで、きめ言葉かのようにそう言い残すと、彼女は空を悠々と飛ぶ。俺は変わりに、先程逃げたダークに睨みをきかせる。
「先程ぶりですね。逃げのダークさん」
俺が挑発すればそれをなんてことないようにダークが話す。どこか、余裕がありそうな笑顔を浮かべて。
「こんにちは。勇者さん。どう?人の体で自分の力を存分に扱うのは。楽しい?」
挑発でも、からかっているのでもなく、純粋な疑問。しかし、それはどこか侮辱されたかのように感じた。
「…人聞きが悪いです。相手側にちゃんと許可を貰ってますから。あなたとは違って。」
───そう、ダークは鏡に写ったぐさおさんの偽物のような存在。しかも、それは写ったものを無差別にコピーする。はっきり言って魔鏡というものだろう。
「…酷い言い方ですね。あなたと似た者同士だと思ってましたが…どうやら違うみたいです。」
まるで、俺を哀れむように言うが、俺は、その発言を嘲笑う。
「勝手に同じにすんな。」
「まあ、いいですけど」
そんな言葉と同時にダークは周りに鏡を展開する。ダークを中心に鏡の破片らしきものが大小合わせて数十個ほど。それらは、優雅に回るメリーゴーランドのようにゆっくりと回る。
そして、その状態で突進してくる。───無論、刀を構えて。上からの突きの姿勢。俺はそれを見極めるかのように後ろへ1歩下がり、そして、剣で受け止める。リーチはほぼ同じくらい。つまり、それで大差がつくことは無い。あとは技術と力だけの差だろう。
───それだけなわけが無いが。
瞬時に、剣を光へと変え、それを光球へと変える。そして、至近距離にいるダークの腕を捉えるように放つ。
どちらも間合いにいる距離なのだから、ほぼ必中だ。───対策をしていることを除いて。ダークは意味深に笑う。それとほぼ同時に
───パリンッ
というガラスが割れるような、しかし軽い音が聞こえる。
それはダークの体が壊れた、ということに間違いはなかった。何故ならば腕から手にかけてがなくなっている。
───ちょうど光球を当てた場所と一致する。
そして、その壊れた腕がさらに細かくヒビが入り、そして、粉々に碎ける。
しかし、それをダークは何も思うことがないのか、腕はないので代わりに蹴りを入れてくる。
武器がない俺にはかわすことしかできない。───もっとも、武器があったとしてもこれ以上攻撃を入れないと思うが。
それに、ダークは腕がないのだからバランスが取れないのだろう。スピードが落ちている。スピードが攻撃に伴っていなければそれは攻撃とは言えない。簡単にかわすことが出来る。
ダークはなにをおもったか、俺に当たらなかった蹴りを、そのまま地面にあてる。───またまた足がパリンッと音を立てて割れる。
───わざと割っている。つまり、それは割れるのが最善であるということだ。
片足が、割れ、バランスを保っていられなくなったダークの肉体はそのまま地面に落ち───割れる。
パリィンッッ!!
今度は、少し強い音が鳴る。耳に焼き付くような音量だったが、耳障りだとは思わない。むしろ、聞き心地の良い音だ。風鈴のような音色だ。───なんて、呑気なことを考えてしまう。何をしているのだと己にツッコミを入れ、そして、警戒する。
その鏡の破片が俺にどう牙を向くのか。元ダークだった鏡を睨みつける。
その鏡に映っているのは
「───はッ!?」
髪を黒く塗りつぶしたかのような髪を持つ、なおかつ瓜二つの姿をしている
【俺】、だった。
ここで切るよー!!ふむふむ、何となく先の展開が分かりそうなところで切られてるね!これは読者にこの先の展開を読ませることで次回を楽しみにさせる意図が込められてるんだろうな…。
性格悪いな、この神。
てことで!引き続きしいなちゃんがここで話してまーす!いぇーい!見てる〜?私の辛い心境を知ってなお助けようとしないそちら側の平和な世界の人達はー?平和じゃない、っていう人もいるかもしれないけど現在スマホを見てこの小説を読めるくらいには平和でしょ?…怒られたからこのくらいにしとくけど。君たちの方がよっぽど怠惰が似合ってるからね?これくらいは言わせて。愚痴くらい言わせてもらっても大丈夫…だよね?これで怒られたら多分ここで話すことは無いかな。まあ、そっちの方がいい時もあるか…
それでは!おつしいな!
コメント
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なーるほどね?
いち!いえもんさんがんばれぇぇぇ