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「貴方、誰?」
私は、唖然とした。いつも、一緒にいた人からそんな言葉が出るとは、思わなかった。一応ナースさんを呼んだ。
「あ〜、一時的な記憶喪失ですね。写真や、思い出話で回復するはずです。」
(良かった〜)
私は、心の底から安心した。
「ニャッホ〜」
「おはよう、志保。身体は大丈夫?」
「うん、見て、この通り!」
腕をブンブン回してる。
「良かったね。」
志保が記憶喪失してから、数週間。完全ではないけど記憶を取り戻した。
(もっと、力があれば…!お父さんに稽古をつけてもらおう。志保を守るためにも…)
「ねぇ、莉紗。最近へんだよ?どうしたの?」
「えっ?そうかな?」
「うん、ずっと上の空だよ?」
「ごめん、ごめん考え事してて。」
「ふーん。でさ、今日デパ地下行かない?最近新しく出来たスイーツ店行きたいから!」
「あっ、ごめん。今日お父さんに稽古をつけて貰う約束してて。また、今度ね」
「またぁ?最近ずっとそうだよね。もう、私の事嫌いになった?」
「そんな事ないよ!」
「じゃあ、今日来てくれる?」
「えっ?」
私は、考えたもっと力があれば志保を守れたのに。もう傷ついた志保を見たくないのに。
「ねぇ、どうして最近誘っても来てくれないの!!もう、嫌い!」
「えっ!断ってるのは、志保のためだよ!」
「なんで、私のためなの!」
「あの時、私に力があれば志保を守れた!だから、お父さんに稽古を…!」
「そんなの、私の為じゃない!いつも、ボロボロになって学校に来てる莉紗なんて嫌いだ!しかも、あの事故は運転手が飲酒運転してたから起きたものなんだよ。莉紗に力があったってどうにもならなかったんだ!」
「そんな事はかってるよ!でも、私は力がない志保を守るための力が足りない、志保のためになんだよ!」
「そんなの、莉紗のエゴじゃん!」
「うっ…、」
「その頭冷やすまでもう知らない!前の莉紗に戻って!」
「あっ!志保!」
ここから、2人の仲は引き裂かれたのであった。