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第6話、めっちゃドキッとした……! 前半の植物園デートの柔らかい空気感が良すぎて、後半のストーカーメモとのギャップに鳥肌立ったわ。詩苑が一人で抱えてたかもしれないって思うと切ないし、悠真の複雑な心境も伝わってくる。続きが気になりすぎる…!
今時の子、というと偏見が顔を覗くが、SNSや自身の日常を発信するようなアプリや掲示板は大抵の人がやっていると思う。
詩苑はそういった類いを一切使わない子だった。
PCのデスクトップには写真や動画などの保存ファイル、検索バー、WordとExcelのみアイコンがある。
写真フォルダを開ける。
2日前に一緒に出掛けたときの植物園の花、カフェでのアイスクリームココアとチーズケーキが最新で上がっていた。
悠真の飲んでいたアイスコーヒーも写り込んでいる。
あの時のことを思い出して静かに口角が上がる。
遊びに誘う場所が植物園というマイナーだったが、詩苑は喜んで来てくれた。
白いTシャツ、ネイビーの薄手のカーディガン。フレアのスカート。足首を留めるタイプの踵の低いサンダル。肩掛け白いポシェット。
髪はハーフアップにされ、ピンクの小花のイヤリングがキラリと光った。
静かに心暖まる感じがした。
こぶし1つ分の距離で並んで歩く、ゆっくりしたテンポで織り成す会話と柔らかい笑顔に、温かく胸が踊っていた。
ゲームセンターやカラオケ、映画よりも会話を楽しみたかった。
ショッピングや水族館、遊園地よりもなるべく2人でいたかった。
そんな悠真の下心を知ってか知らずか、植物園を選んだ理由を詩苑は聞いてこなかった。
夕陽が2人の影を伸ばす中、名残惜しくも詩苑のアパートまで送っていった。
肘から上を左右に振る左腕から、ふわりと笑んだ顔が見え、口元は確かに『またね』と言っていた。
ドアの向こうへ消えた背中を見てから、悠真は踵を返した。
自転車で巡回中の警察官とすれ違い、買い物帰りの主婦を追い越し、小学生くらいの子供達が自転車で追い越していく。
ふぅ、と息を吐き出し、テンポよくスクロールしていた指を止める。
写真は昨年のクリスマスイベントの時まで遡っていた。
和人さんの顔が真っ赤になりながら、片手には瓶ビール、悠真の肩に腕を回し、片足のみ椅子に乗り上げている写真が目に入る。
ジンジャーエールと森山くんの飲んでいたレモンサワーを間違えて飲んだ時だ。
女の子達は涙を滲ませながら笑い、店長は早々に撤退を決め、森山くんは壊されたら困るものを遠ざけた。
酒乱め。
呆れを投げつけ、写真フォルダから検索履歴に変えるが、小説の新作情報や、映画のキャスト、ファッション情報しかなかった。
いや、天気予報も検索にあった。
2日前と今日の天気と気温。
「西山くん」
沙織が青い顔をしながら近づいてきた。
「どうした?」
手には見覚えのある数枚の紙切れ。
無言でPCの隣に並べた。
《みつけた》
《いつも見守っている》
《すきだよ》
《むかえにいく》
《今日もかわいい》
《声がききたい》
メモの右下、《O》の文字。
赤い字で中央に全て書かれていた。
「、、ストーカー、、?、、だよね」
悠真はメモから目が離せなかった。
眉間と握ったこぶしに力が入っていたが、強ばった筋肉は弛めかたを忘れていた。
「《O》ってやつに、連れ去られた、、?」
沙織の声も手も震えていた。
「、、いつから、、。一人で抱えてたのか、、?」
見知った柔らかく笑む目の前にいない詩苑へ悠真は問いかけた。
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