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ぬいぬい
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#下手なりに頑張る
ぬいぬい
45
摩周丸の操舵室を出ると、街を覆っていた深い濃霧は嘘のように晴れ渡り、函館港には眩しい朝の光が差し込んでいた。
僕はデッキのベンチに腰掛け、校正者から受け取った三枚目の『初稿』を慎重に広げた。
羊皮紙に走る黄泉國さんの赤字。そこには、二枚目の地図と綺麗に繋がる新しい線路のルートと、彼特有のひょろひょろとした文字で短い注釈が書き加えられていた。
『三枚目の頁、校正の完了を確認。助手くん、函館の塩ラーメンは食べましたか? チャーシューをダシと一緒に飲み込むと、ノイズで荒れた胃壁が優しくコーティングされますよ』
「……胃壁がコーティングされるわけないだろ。相変わらず無茶苦茶な医学知識だな」
思わずツッコミを入れながらも、胸の奥がじんわりと温かくなる。
彼が遺したこのくだらないメモ書きこそが、僕の精神をこちらの世界に繋ぎ止めてくれる何よりの「重し」だった。
気を取り直して、赤字が指し示す次の目的地に目を凝らす。
地図に引かれた朱線は、函館から再び北上し、津軽海峡を越えて本州の青森、そしてさらに南の「とある歴史ある古い城下町」へと伸びていた。
そして、その目的地の上には、ぽつりと一文だけ言葉が添えられている。
『影を落とす古城、四番目の「挿絵」』
「挿絵……今度は四番目の人物か」
手の中のルービックキューブに視線を落とすと、カチリと音を立てて面が動き、今度は「赤」と「黒」の二色が鮮やかに揃った。
赤は紅葉か、あるいは古い鳥居の朱色か。黒は、歴史の影か。
僕はルービックキューブと三枚の紙片をポケットにしまい込むと、摩周丸を後にして函館駅へと足早に向かった。
「待っててくれよ、黄泉國さん。どんなにページが多くても、僕が最後まで読み切って、完結させてやるから」
四番目の人物が待つ、本州の古城の街へ向けて。僕は再び新幹線のホームへと続く改札をくぐり抜けた。
つ、か、れ、た!
投稿全然してなくてごめんよ
ばーい!
コメント
1件
第20話、読み終えたわ!今回の黄泉國さんの赤字メモ、胃壁コーティングの件で思わず笑っちゃったよ。あのどうでもいいツッコミどころのあるメモ書きこそが主人公の心の重しになってるっていう描写、いいなあって思った。ルービックキューブが赤と黒に揃うところも、次の目的地っぽくてワクワクした! 「最後まで読み切って完結させる」って決意も熱い。続きめっちゃ気になるわ!