「その本すきだねぇ。この前も読んでたよね?」
今日も君が朝から声を掛けてくれた。
僕は日菜の心臓を食べるために君が興味を引きそうなばかり厳選して行動している。
今読んでいる本もそうだ。
この間日菜が好きだと言っていた本。
これのおかげで最近結構な頻度で声をかけてくれるようになった。
「そういえば最近、連続殺人魔指名手配されたらしいね?」
そうなのか。
僕は全然ニュースを見ないので分からなかった。
「捕まえた人には賞金100万だって!!」
「すごいね」
日菜とそんな会話をしていたらリーダー格の子に放課後呼び出された。
何故虐められるんだろう。
最近常々思っていることだ。
だから今日リーダー格の子に聞いてみた。
「なんで僕のこと虐めるの?」
すると大方理解していた返答が来た。
「日菜ちゃんと仲良くしているからでしょう?」
「三軍のくせに日菜ちゃんと戯れているんだから。反吐が出るくらいよ。」
まぁ、そうだろう。
日菜は大手企業のお嬢様で、出来るだけ媚びを売りたいんだろう。
だから他に仲良くしているライバルを蹴散らしたい。
そんな魂胆だろう。
この子は眉目秀麗、成績優秀、人当たり抜群、そんな完璧っ子だから友達も完璧にしたい(お金目当て)ということだろう。
次のターゲットはこの子にしよう。
そう誓った。
20XX年10月5日
僕は港にリーダー格ちゃんを呼び出した。
「なに?告白でもするつもり?港に呼び出して」
「ロマンティスト気取りかよ。きっしょ」
僕はそんな事を愚痴愚痴言っているリーダー格ちゃんに包丁を何回も突き刺した。
終始リーダー格ちゃんは「ふざ…けんなよ」「呪ってやる」と恨み言を吐いていた。
綱野 真奈。
今日僕は彼女を殺した。完璧女子の彼女を。
彼女の心臓は欲にまみれた女の味がして、後味が、あまりスッキリしなかった。
次の日、日菜がまた僕に話しかけてきた。
「あのね…真奈ちゃんが…死んじゃった…」
「最近この学校の人狙われすぎだよ…」
「この学校に犯人がいるのかな…」
僕は日菜を慰めた。
でも日菜はいつか気づくかもしれない。
いつもは鈍いけど、どこか感が鋭い子だ。
気が抜けない。
「そうだね。その時は僕が守るよ」
「小田谷さんに怪我はさせない」
僕がそう言うと日菜は喜んでいた。
「今までお世辞でもそういう人はいなかったの!嬉しいなぁ、私、貴方のこと信頼する!」
信頼を得た。
1歩先に進んだ。
これからは第2段階だ。
これは僕が日菜の心臓を食べるまでの物語
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