この作品はいかがでしたか?
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「 ごめん なんて言ったの ? 」
『 俺のこと 描いてって 』
念の為と 思い聞き直したが 、 残念ながら 聞き間違いではなかったようだ 。
「 どういう意味なの ? それは 」
『 いやだってさ 、 俺 』
『 もうちょっとで 死んじゃうわけだし 』
もう死んでるじゃん 、 という 場をわきまえない ツッコミは 、
無慈悲にも デコピンで 止められてしまった 。
『 俺ね 、 命日が 9月1日なの 』
「 …ほう 」
『 本当は もうちょっと早く 成仏しないとダメなんだけど 』
『 … やりたいことが あったから、 一年だけ ここに いさせてもらってた 』
その言葉を言うときだけ 、 心なしか 彼の笑顔に曇りが見えた 。
『 だから 、 俺が 成仏する前に 』
『 俺のこと描いてよ 、 葉月 』
「 … 」
正直言って、 無理な願いだった 。
9⁄1 まで あと一週間しかない 。
だけども 私は 、
優しさなのか 、
それとも 同情なのか 。
「 いいよ 、 」
そう 答えてしまったのだ 。
「 ちょっと 、動かないで 」
『 ん〜? ん〜… 』
あの約束から 5日が経った 。
絵は 順調に 進んでいて 、 コンクールに 間に合いそうだった 。
私としても 、 コンクールの題材に 合ってる絵が描けているし
彼にとっても 、 成仏する前に自分を描いてもらって本望だろう 。
「 しかしさ 、 文は 」
『 ん? 』
「 整った顔してるよね 、 ゴッホのひまわりみたいな 」
『 それは 褒められてるの ? 』
「 うん 」
『 … 初めて言われた 』
その言葉 に 驚いて 、 筆を下ろしてしまった 。
「 うそ 」
『 ほんとだよ 、 そんなの今まで一度も言われたことなかった 』
「 だって そんなに 綺麗な目 … !! 」
『 … あのさ 、 葉月 』
『 近いよ 、 』
ここで初めて 、私は 自分が身を乗り出して 、 彼の頬に手を当てて 、
至近距離で 顔を 見ていたことに気づく 。
照れ隠しなのか 、 そっぽを向く彼の瞳は 少し長い前髪で 隠れてしまった 。
「 ご 、 ごめん 。 嫌だった ? 」
『 … いや、 いやとかじゃなくてさ … 』
「 …? 」
その日は 、 その後もそんなに話すことはなく
気まずい雰囲気が 続いてしまった 。
コメント
7件
銀色の髪に金色の目とかイケメンすぎて爆ぜるぞ
どうやって文のこと書いてるのか気になる!!少し透けてる部分はそのまま書いてるのかな?もしくは想像してはっきり書いてるのかな??次回が楽しみ!
今回もめちゃくちゃ良かったよ!!!! へぇ……9月1日が命日なんだ! でも、1週間以内は面倒くさいかも? まぁ…いっか!!!関係ない!!! でも大丈夫!!!(?) 次回も楽しみに待ってるね!!!!