佐野side
「疲れたー……」
俺は寮に帰ってきて、すぐベッドに倒れ込んだ
あの後、ずっと働かされていて足が痛かった
それに、安倍にも聞こうと思っていたことを聞けなかった
まぁ、明日聞けばいいか
俺は風呂に入ろうと思い、重い体を持ち上げた
その時、違和感に気づいた
……ない
晴明から貰ったネックレスがない……!
秋雨side
「おはようございまーす……」
俺は眠い目をこすりながら、職員室へ入っていった
俺は自分の席へ向かった時
隣にいる佐野がすごく暗くて重い空気を身にまとって机に突っ伏していた
「お、おい、どうしたんだよ……」
俺は少し控えめに聞いた
「……ネックレス失くした」
「あ、なるほど」
俺はその一言だけで全てを悟った
多分、普段から身につけていた十字架のネックレスのことだろう
そのネックレスは、俺らの担任であった晴明からの、最後のプレゼントだった
しかも、みんなに似合うように一人一人が違うデザインだった
みんな、すごく大切にしていた
もちろん佐野も
そんなものをなくしたのだから、まぁこうなる
俺もなると思うし
「まぁまぁ、放課後俺も手伝ってやるから元気出せ」
そう励ましたが、あまり変わらなかった
おいこれ重症だぞ……
明晴side
佐野くんが教室に入ってきた瞬間、みんなが驚いた顔をした
それもそうだ
佐野くんがすごく暗いオーラを身にまとって来たのだから
え、何があったの……
佐野side
今日は元気が出なかった
多少は元に戻ったものの、やっぱりいつもの調子にはならなかった
生徒が帰った後、秋雨にも協力してもらいながらネックレスを探した
まさか、なくすなんて思ってもいなかった
「どうしよ……」
俺はそう呟きながら、体育倉庫を探していた
その時
「あれ、佐野先生?」
と後ろから声が聞こえた
振り返ると、そこには大きな箱を持った安倍がいた
「あぁ、安倍か」
「はい、安倍ですけど……」
「どうしたんだ?」
「これ、どこに置けばいいかなって」
そう言い、箱の中身を見せてくれた
そこには、今回使った飾りが入っていた
「これはあそこじゃないか?」
俺は上の棚を指さした
安倍ならギリギリ届くぐらいだった
わかりました、とそのまま置いていた
「そういえば、佐野先生はなんでここに?」
と聞かれ、少し固まった
これは言っていいものなのか……
だって、こいつはーーーー
「なにか探し物なら、僕も手伝いますよ!」
僕得意なので!
そう自信満々に言った
「……じゃあ、日没まで手伝ってもらおうかな 」
結局、俺はネックレスを探すのを手伝ってもらった
「見つかりませんでしたねー……」
彼のアホ毛がしょぼんと垂れ下がっていた
「そうだな」
俺は、何故か淡々と返した
なぜなら……
「お前が持ってんだから、見つかるわけないよな」
「……え?」
コメント
2件
気づいた、、!?うおおおおぉ次が楽しみ〜︎💕︎
この話すごく大好きです。次の楽しみに待ってます。 «٩(*´ ꒳ `*)۶»ワクワク