コメント
2件
最高に良かったです。続きすごく楽しみに待ってます。 «٩(*´ ꒳ `*)۶»ワクワク
昨日あげたと思ってたら上げとらんかった…… すいませんでした!!!!
佐野side
俺は足を止め、そう言った
「な、何を急に言い始めるんですか」
彼には明らかに焦りと困惑が見てとれた
俺は動じず、そのまま話し始めた
「さっきから、右ポケットを入念に確認してたよな 」
「それは、さっきごみを見つけて……」
「それでそんな入念に確認するか?」
安倍は黙った
多分、絶対言い訳を考えていなかった
いや、感づかれないと思っていたのだろう
そこまで見られていないと、知られていないと
だけど、知られていた
それでテンパっているのだろう
まぁ、知ってたけどな
ずっと前から
「なんでそんなに隠そうとするんだ安倍、いや」
晴明
明晴side
聞き間違いかと思った
だけど、佐野くんの真剣な顔を見て
嘘じゃないって、はっきりわかった
「……あーあ」
「バレちゃった」
僕はそう言って笑った
「……なんで」
「なんで黙ってたんだよ!!」
そう言い、彼は僕の胸ぐらを掴んだ
今すぐにでも僕を殴りそうな勢いだった
……やっぱり変わらないな
「元々、ばらすつもりではいたんだ」
そう言い、僕は事の詳細を話し始めた
前世の記憶があるってわかったのは、物心ついた少し後だった
見たことある言葉、見たことある風景
そして、見た事あるはずない人やものたち
それで、何となく思い出した
雨も記憶があることがわかったのは、小学一年生の頃だった
その時から、ぼくは百鬼学園に行く方法を考えていた
だけど、100年って意外と長いんだね
何も残ってなかったよ
僕の遺品も、百鬼学園に関することも
全てがなくなっていた
流石に焦ったよ
このままじゃ、行く方法なんてない
そんなことを考ていた
だけど、 中一の時
僕にしては珍しく奇跡が起きた
学園長が、毎年やっている祭りに来たんだ
ここしかチャンスはない、そう思って直談判した
意外とすんなりいったよ
その後、学園長にも正体バレちゃったけど
だけど、これでいける
みんなに会える
そうワクワクしてたよ
佐野side
「……だけど違った」
「僕が思っていたほど、みんなは輝かしくなかった」
そう言って、今まで下げていた顔をあげた
そこにはいつもの、晴明の笑顔はなく
かなしい顔をしていた
「……ちゃんと考えてくればよかったよ」
そう言って、彼は去ろうとした
「待って!」
俺は晴明の腕をつかんで止めた
まだ肝心なことがわかっていなかったから
「なんで俺のネックレスを隠したんだよ」
そう、今の話だけでは隠す理由がわからなかった
何で、自分が俺たちにくれたネックレスを隠すのか
なんでそんなことをする必要があったのか
晴明は振り返り言った
「これが、君らの足枷になっているようにしか見えなかったから」
俺はその言葉を聞いて、力を緩めてしまった
晴明はそのうちに走って行ってしまった
俺はその場に取り残された
なんだか、何もかもが嫌になった
ネックレスのことも、あの言葉も
何より
あの時、否定できなかった俺自身に
1番嫌気がさしていた