「そんじゃあ戸山さん、お願いします」
「僕にはあんなに酷い態度とるのに、
この人には丁寧な対応するんだね。」
店員の戸山さんが苦笑いをする。
「うっせ、クソガキ。」
神羅は大人しく椅子に座らされ、
ケープを被る。
「じゃあ、俺は終わるまでそこら辺
散歩してっからな。」
「はーい。」
俺は店を出た。
俺は日常品を買いにデパートへと
向かった。
「えーと…カレー粉、秋刀魚、白菜、
洗剤と…」
「ちょっ!!?やめっ!?」
路地裏を通りすがろうとした瞬間、
奥から悲鳴が聞こえた。
「あぁ?」
俺は迷いもせずに向かった。
「おいぃ!俺ら闇來だぞ!?大人しく
奴隷になれよぉ!?」
男4人が1人の女の子を誘拐しようと
していた。
「おい、クソ男共」
俺はクズに声をかける。
「あぁ?雑魚がなんの用」
ゴシャッッ!!
「ごばぁぅ!?」
1人の男の顎をぶん殴って吹き飛ばすと
残りのカス共が銃を懐から抜き出し
やがった。
「て、てんめぇ!能力者かよ!」
「ちげぇよ、技術者だ。お前らまとめて
吹き飛ばしてやるよ。」
ドンッドンッドンッ!!!
3発の銃弾が俺に、高速で向かってきた。
カキャキャキャッ!!
俺は刀で全て跳ね返すと、奴らの
背後を取る。
「んなぁっ!?」
「いつの間に!?」
俺は奴らを鋭く睨む。
「生きる資格ねぇよ、お前ら」
右に構えた刀を横に薙いだ。
ズバァッ!!
「ぐぉぇっ!?」
「うがぁっ!?」
「ぐはっ!?」
奴らは背中から血を吹きながら
倒れた。
「ふん…」
斬ったといえど、刃先に微量の麻酔毒を
塗ったものを、浅く傷をつけただけだ。
死にはしないだろう
「無事…ではなさそうだな」
誘拐未遂に会った女の子の体は
ボロボロで、所々に痣があったり、
服が破けていた。
「今警察を呼ぶ、辛いと思うがそこで
待っていてくれ。」
「ま、待って!」
「…あ?」
「や、やめて…」
「んだよ、何か理由でもあんのか」
「うん…実は、闇來って組織に追われ
てて、警察に言ったら殺されるの。」
「…わぁった、わぁった、お前はうちで
保護する。」
「え…でも!闇來は強くて…!」
「おい、うちのこと下に見んな、
そんな無名の雑魚組織、俺が粉々に
してやる。」
「ふえぇ…?」
俺はその後、無事女の子と買い物を
済ませ、美容室へと向かった。
チリンチリン…
美容室の扉が開くと同時に、涼しい
音が鳴る。
「終わりましたー?戸山さん。」
「え、えぇ、終わりましたよ…」
「なんです?そんなに困惑して。」
「い、いやぁ、その、神羅さん?が
実は…」
「おう!やっと帰ってきたか!」
「…お前!」
「…え?」
神羅は呆れたような顔を浮かべる。
「今更ぁ?なんで気づかなかったのさ。」
「まぁ、確かにそうだな、弱かったし」
「女だからって弱いとか決めつけんな!
今の時代そんなこと言うと叩かれんぞ!」
「うるせぇ、事務所向かうぞ。」
「ったく。」
その瞬間、須崎は神羅の頭を
グリグリと痛めつけた。
「うわぁあ!痛い痛い痛い!やめて!
な、な、なに!?」
「たーいーど。態度!」
「ご、ごめんなさいぃ!」
「ふん」
須崎は拳を緩めた。
「い、いてて…」
「あの…大丈夫…ですか?」
「あぁん!?」
「ひっ!?」
女の子は恐怖を顕にする。
「おい神羅…他人には優しくしろ。」
「え?あ、あぁ。」
神羅はどこか拍子抜けした。
優しいのか厳しいのか自分勝手なのか
全く読めない人間だ。
(てか…こいつ、髪整えたらかなりの
美人だな、こんな美人なら髪切らなきゃ
良かった…)
「あぁ、そうだ。」
須崎は急に立ち止まる。
ボフッ
後ろについてきていた神羅は須崎の
背中に衝突した。
「ちょっと、急に止まらないでよ!」
「名前なんて言うの?」
須崎は女の子に聞いた。
「えと、私は絵之也雨子といいます。」
「へぇ、いい名前だね。」
「むむ…」
神羅は須崎を睨みつけた。
「なんだ神羅、何か言いたいことでも
あるのか?」
「イヤ、ナニモ」
「んなら、さっさと行くぞ」
「止まったの君だけどね」
「須崎さんつってんだろ…」
2人は、とあるアパートのひと部屋に
着いた。
「へぇ、これが須崎さんの部屋かぁ
なんかボロいね」
「うるせぇよ、まぁゆっくりしてけ」
神羅は部屋中を探検した。
「…狭」
「だからうるせぇよ、つまみ出すぞ。」
須崎はソファに腰をかける。
「おい、神羅、こっち来い」
須崎は隣に座れと手で合図する。
「あ、うん。」
神羅は大人しく座った。
ストン…
「それじゃあ也雨子さん、ここの椅子へ。」
神羅は2対1になるような形で也雨子を
座らせた。
「それじゃあ神羅、初仕事だ。」
「うぉお!仕事仕事!」
「裏社会の組織、闇來を壊滅させろ。」
「…ほう?。」
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