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目を閉じて待っていると、扉の開閉する音を耳が捉えた。

「失礼いたします、ただいま戻りました」

きっと顔を向けないほうが喋りやすいと気を遣い、ベッドに横たわったまま、カールにいっさい目を合わせず、天井を見て口を開く。

「おかえり。それでは早速カールの過去の気持ちについて、詳しく語ってもらおうか」

「ううっ、はい。なんでも聞いてください……」

声色から、未だに吐露したくない感じが滲み出ているのを知る。

(本来は俺が虐められる役なのに、ずっとカールのことを虐めているような――)

「カール様は、これから古城の主になるんですよ。もっとしゃんとしてください」

いつも俺に小言を告げる、カールの口調を真似てやった。

「そうですね、しっかりしなければなりません」

天井からカールに視線を移す。しょんぼりした面持ちで肩を落としてる様子を、早急になんとかしなければと考えた。

「カール、とりあえず命令その1、鍵をかけてこい」

「はい、かしこまりました」

いつもなら反論する場面だったが、今回のやらかしのおかげで、俺の命令を素直に受け入れたらしい。すぐに踵を返し、鍵をかけてベッドの傍らに戻ってくる。

「命令その2、この中に入れ」

大きく布団を捲りあげ、中に入るように促した。途端に目の前で顔を曇らせる。

「そんな――」

「安心しろ。変なことはしない。ただ抱きしめるだけ」

口ではそう言ったが、簡単に流されるカールを知ってしまったゆえの密着作戦。両片想いから正式に恋人になったんだから、これくらいしてもいいと思うんだ。

「わかりました。失礼いたします」

丁寧に靴を脱ぎ、腰を屈めて布団の中に入り込んだ躰を、後ろから抱きしめた。首元に顔を寄せ、チュッとキスを落とす。

「ンンっ」

カールの香りを感じただけで、下半身がさらに硬くなってしまう。

「あの……アンドレア様のモノが大きいままでいらっしゃるのは、おつらくないのですか?」

「つらくないと言ったら嘘になるが」

「私の口で――」

俺に振り返りながら、物欲しそうな瞳で見つめられたせいで、理性がグラつきそうになり、慌てて目を閉じる。

「おまえの口は、今そんなことに使わない。過去のことを言うように。誤魔化されないんだからな!」

カールが俺の躰におこなって、気持ちよかったことを率先してやろうとしたのを無にすべく、苦言を呈してやる。

「まったく。強情な方ですね」

「どっちがだよ!」

笑いながらカールの下半身に大きいのを押しつけ、激しくグラインドしてやった。

「わっ! 待ってくださいっ」

「これも意外と気持ちいいな。カールの尻が思ったより筋肉質で、反発するせいか」

「そんなことをされたら、またっ!」

「ひとりでイっちゃうのか? それは寂しいな」

どこも感じやすいカールにとって、ちょっとした刺激すらも、快感に繋がってしまうのだろう。

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