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勝出、轟出

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勝出、轟出

4 - 第4話

♥

23

2025年12月16日

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みなさんこんばんはtakuです。


いいねありがとうございます。


第3話の続きです。


<爆豪視点>


三人で飯を食う。

ただそれだけのことのはずだ。

なのに、胸の奥がざわつく。

デクが俺の隣に座るのは当たり前だ。

昔からそうだったし、今さら疑う理由もねぇ。

……なのに。

向かいに座る轟の視線が、やけに気に入らねぇ。

(ンだよ、その目)

じっと、静かに、デクだけを見てやがる。

喋らねぇくせに、存在感だけは無駄にでかい。

「デク、野菜残すな」

口から出たのは、いつもの言葉だ。

放っといたら栄養も考えねぇで無茶するヤツだって、俺が一番知ってる。

「出久、無理はするな」

……は?

同時に聞こえた声に、思わず舌打ちしそうになる。

(テメェ、何被せてきてんだ)

デクが困ったように笑うのを見て、

胸の奥がチリっと焼けた。

(その顔、俺だけに向けろよ)

「……轟」

箸を動かしながら、低く名前を呼ぶ。

「デクに甘ぇこと言うな。コイツは放っとくと本気で倒れる」

事実だ。

俺は間違ったことは言ってねぇ。

「爆豪は、無理をさせすぎる」

淡々とした声。

感情が見えねぇのが、余計に腹立つ。

「ハァ?」

睨み返す。

一瞬、空気が張りつめる。

(コイツ……)

デクを挟んで、真正面からぶつかってるみてぇだ。

「ち、ちがうよ! 二人とも、心配してくれてるだけで……!」

デクが慌てて割って入る。

その声が、やけに必死で。

(……クソ)

守らせてやってるつもりが、

逆に追い詰めてんのか?

俺は皿を指で叩く。

「ほら、早く食え。冷めるだろ」

言い方は乱暴だ。

でも、手放す気はねぇ。

轟は何も言わず、コップをデクの近くに寄せる。

(触れもしねぇくせに)

その距離感が、気に食わない。

デクが礼を言う。

その声が、轟に向いてる。

――それだけで、腹の底が煮えた。

(取られるわけねぇ)

そう思うのに、

「もしも」が頭をよぎる。

もし、デクが俺の隣を

「当たり前」だと思わなくなったら?

その瞬間、息が詰まる。

(……冗談じゃねぇ)

デクは、俺のだ。

昔から。今も。これからも。

名前を呼ぶ。

「デク」

それだけで、轟が反応するのが分かった。

(やっぱりな)

均衡なんて、最初からねぇ。

あるとしたら、それは――

俺が、譲らねぇって前提で

成り立ってるだけだ。



<轟視点>


三人で食事をするのは、珍しいことじゃない。

少なくとも、そう思っていた。

だが最近、緑谷出久を挟んで座る爆豪勝己の距離が、やけに近い。

(……前から、あんなだったか)

爆豪は当然のように隣に座り、肘が触れる距離で出久を見ている。

世話を焼く口調も、苛立ちを隠した声も、どこか独占的だ。

「デク、野菜残すな」

その言葉に、胸の奥がわずかにざわついた。

反射的に、俺は口を開いていた。

「出久、無理はするな」

言ってから気づく。

同じことを、同じタイミングで言っている。

出久が戸惑ったように笑い、礼を言う。

その表情を見た瞬間、ざわつきが確かな形を持った。

(……奪い合っているみたいだ)

そんなつもりはない。

少なくとも、理性ではそう否定する。

だが、爆豪が俺の言葉に噛みつくのを見て、

俺の中に小さな苛立ちが芽生えた。

「爆豪は、無理をさせすぎる」

自分でも意外なほど、言葉が冷たくなった。

「ハァ?」

爆豪がこちらを見る。

その視線は敵意そのものだ。

(なぜ、俺は挑発している)

出久を守りたいだけだ。

ヒーローとして、仲間として。

そう言い聞かせるが、

胸の奥は納得していない。

出久が慌てて間に入る。

「ち、ちがうよ! 二人とも、心配してくれてるだけで……!」

その必死さが、余計に胸を締め付けた。

(出久は、何も知らない)

自分がどれほど見られているか。

どれほど大切に扱われているか。

爆豪は、出久の皿を指で叩く。

乱暴だが、そこに迷いはない。

俺は無言で、コップを出久の方へ寄せた。

触れない距離で、気遣う。

それが、俺にできる精一杯だった。

「ありがとう」

出久の声は、柔らかい。

その一言で、胸の奥が熱を帯びるのを感じてしまう。

(……違う)

これは友情だ。

仲間意識だ。

そう定義しなければならない。

だが、爆豪が出久の名を呼んだ瞬間、

俺は、ほんのわずかに反応してしまった。

身体が、先に動く。

(俺は、何を恐れている)

答えは、分かっている。

この均衡が崩れること。

そして――

崩れた先で、出久が自分を選ばない可能性。

その考えが浮かんだだけで、胸が軋んだ。

(……認めるべきじゃない)

だがもう、気づいてしまった。

俺は、緑谷を 爆豪と同じ場所で、

見てはいけないのだと。


1814字お疲れ様でした。

次は第4話揺動です。

いいねとコメントよろしくお願いします。

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