シンプソンズオリキャラ

ある日のこと。バート・シンプソンはいつも元気で悪戯好きだったが、この日はなんだか体調がすぐれなかった。朝から頭がズキズキ痛み、顔色も悪く、学校の授業中もぼんやりとして集中できない。先生に何度か名前を呼ばれたが、返事すらまともにできないほどだった。

いつもなら「具合が悪い」と言っても休ませてくれないホーマーとマージも、さすがに今回はバートの様子が尋常でないことに気づき、仕方なく彼を病院に連れて行くことにした。リサも心配してついてきたが、バートは「ちょっとくらい調子悪いだけだよ」と言いつつも、内心では不安が拭えないでいた。

病院に着き、受付を済ませて待合室で待っていると、バートの番が来た。「シンプソンさん、どうぞ」と名前を呼ばれ、バートは診察室に入った。そこには見慣れない医者が立っていた。白衣を着ているのは普通だが、なんと彼の手にはタバコが握られており、煙をくゆらせていた。

「え？ タバコを吸ってる医者なんてあり得るのかよ？」とバートは驚きを隠せないでいた。彼は不信感を抱きつつも、医者に自己紹介されるのを待っていた。

「おう、君がバート・シンプソンだな？オレの名前はドクター・スモーク。病院内じゃあ評判のヘビースモーカーさ」と、スモーク医師はにこやかに笑い、煙を吐き出した。

バートは目を丸くしながら、「えっと…医者なのにタバコ吸っていいの？」と聞かずにはいられなかった。

「おう、もちろんだとも！オレはタバコなしじゃ生きられないからな。まぁ、君もそのうち分かるさ。この世には、タバコが必要なときがあるってことをな！」と、スモーク医師はさらに一服吸い込んで、軽く咳き込んだ。

バートは「この医者、大丈夫か？」と思いつつも、とりあえず体調のことを伝えた。「朝から頭が痛くて、なんだかフラフラするんだ…」

スモーク医師は煙を吐きながらバートを見つめ、「なるほどな…典型的なストレスだな」と言い放った。

「ストレス？ 何のストレス？」とバートが聞くと、スモーク医師は「お前さん、まだ若いから分からんかもしれんが、人生には色んなことがあるんだ。お前さんも色々考えすぎて、調子が悪くなってるんだろうよ」と言って、胸ポケットからタバコの箱を取り出して差し出した。「ほら、一本吸ってみるか？ 気分が晴れるぞ」

バートは目を見開き、「子どもにタバコを勧める医者なんて見たことないぞ！」と叫んだ。

スモーク医師は笑いながら、「まぁまぁ、冗談だよ。でもな、お前さんがそのうち大人になったときには、何かしらの『癒し』が必要になるかもしれん。それがタバコであれ、趣味であれな。心の健康も大事なんだ」とバートに語った。

その時、リサが診察室に入ってきた。心配してついてきていたリサは、バートの診察が長引いていることに不安を覚えていたのだ。

「バート、大丈夫？」とリサが尋ねると、バートは「うん、たぶん。でも、この医者すごく変なんだ」と苦笑いを浮かべた。リサはスモーク医師を見て驚愕した。「あなた、医者なのにタバコを吸ってるの？ それに、子どもにタバコを勧めるなんて！」

スモーク医師は軽く肩をすくめ、「まぁ、タバコが人生の一部だってことさ。それに、医者も人間だよ。完璧じゃない。重要なのは、患者をどう助けるかってことだ」と、少し真面目な顔で答えた。

その後、スモーク医師はようやく診察を再開し、バートの体温や血圧を測り、いくつかの簡単な検査を行った。その間も、タバコの煙は診察室に充満しており、リサは「ここは本当に病院なの？」と困惑していた。

スモーク医師はバートの症状を聞いた上で、「どうやら、栄養不足と睡眠不足の可能性があるな」と診断を下した。「ちゃんと休んで、食事もバランス良く取るようにしろよ。あと、ゲームばかりしてちゃだめだぞ」と言って、再びタバコに火をつけた。

バートとリサは診察を終えて病院を出たが、バートはどこか腑に落ちない気分だった。「あの医者、変わってたけど…まぁ、言ってることは間違ってないのかもな」とつぶやいた。リサは「でも、タバコを吸う医者なんて信用できないわ。あんな人が医者でいるなんて驚きだわ」と、スモーク医師のことを思い返していた。

その日の夜、バートはスモーク医師の言葉を思い出し、少し早めに寝ることにした。翌朝、目覚めたバートは体がすっきりとしていて、あの変わった医者のアドバイスが意外と役に立ったことに気づいた。

ホーマーやマージも、元気になったバートを見て安堵し、「やっぱり病院に行って正解だったわね」と笑った。リサは「まぁ、医者は少し変わってたけどね」と小声でつぶやいた。

バートは一度深呼吸をして、「あのスモーク医者、確かに変だったけど、なんだか憎めない奴だったな」と微笑んだ。