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初音ライダー剣

第1話

“変身”

白昼堂々、海岸通りを蒼と紅、2台のバイクが走る。蒼いバイク・ブルースペイダーにはネイビーブルーのボディにヘラクレスオオカブトを模したマスクの仮面ライダー・ブレイドが、もう1台の紅いバイク・レッドランバスにはワインレッドのボディにノコギリクワガタを模したマスクの仮面ライダー・ギャレンが乗って操縦している。2人は海岸の洞窟の入り口に差し掛かったところで各々バイクを止めた。

KAITO「ここだな。」

MEIKO「ええ。」

ブレイドはブルースペイダーから降りて、同時に到着した同僚のギャレンに問う。その直後、洞窟の奥から蝙蝠のような鳴声を聞いた。

MEIKO「間違いないわね。KAITO、行くわよ!」

KAITO「OK!」

ギャレンは醒銃ギャレンラウザーを、ブレイドは醒剣ブレイラウザーを抜き、洞窟の中へ入る。直後に、コウモリ型のモンスター・バットアンデッドがブレイド目掛けて飛んできた。

KAITO「うおっ!?」

暗がりからの思わぬ不意打ちにブレイドは転倒してしまう。ブレイドはすかさず起き上がり、応戦体制を取る。しかし、バットアンデッドの気配はなかった。

KAITO「くそ!どこだ?」

MEIKO「落ち着いて。」

ブレイドは歯噛みするが、それをギャレンが制する。その直後、バットアンデッドはギャレン目掛けて飛んできた。しかし、ギャレンはそれを読んでいたかの如く、体を軽く左に動かしてバットアンデッドの体当たりを回避し、ギャレンラウザーをバットアンデッドに撃ち込む。バットアンデッドは銃撃を受けて怯んだ。ギャレンはその隙を逃さず、ギャレンラウザーのカードデッキを開いてそこから2枚のラウズカードを取り出し、ギャレンラウザーにスライドさせる。

「BULLET」

「FIRE」

ギャレンはギャレンラウザーを構え、バットアンデッド目掛けて撃つ。バットアンデッドはギャレンの撃った炎の銃弾を受けて大きく弾き飛ばされ、その場に倒れ転げた。その直後、バットアンデッドのベルトのバックル部分が開いた。ギャレンは別のラウズカードを取り出し、バットアンデッドに向かって投げる。カードはバットアンデッドのバックルに当たると、バットアンデッドを吸い込み、その後ギャレンの手元に戻った。

KAITO「…すまない、めーちゃん。」

MEIKO「良いよ。あんたが噛ませ役になったおかげで敵の出方が分かったから。」

ブレイドはギャレンに謝罪するが、ギャレンは軽く許し、洞窟を後にした。

アンデッド…地球の覇者となるべく、1万年前に果てしない戦いを繰り広げた53体の生物たちの始祖。不死身の存在であるこの怪物たちを殺すことはできず、封印するしかない。それができるのは…

ミク「…かあ。」

ウタ「ん?何?」

ミク「あ…ああ!ごめん!また独り言が…」

少女・初音ミクは本を読みながら軽く謝る。彼女は人類革新研究基盤「BOARD」に所属し、そこの図書室で同僚・唄音ウタと共に調べものをしていた。その後、図書室に男女が1人ずつ入ってきた。MEIKOとKAITOだ。

MEIKO「ただいま。」

ミク「お疲れ様、兄さん、姉さん!」

KAITO「ああ。」

任務から帰ってきた2人にミクは早速労いの言葉をかける。

ウタ「任務はどうでした?」

MEIKO「バッチリよ、ほら。」

ウタの問いに対し、MEIKOはラウズカードを取り出す。「SCOPE」と書かれたそのカードには蝙蝠の絵柄が描かれていた。

ミク「凄いなあ…2人共。」

KAITO「いや、俺は何もしてない。めーちゃん1人でやったからな、今回は。」

ミク「でも、戦えるだけでも凄いと思うよ。」

MEIKO「そう?」

ミク「うん。私もいつか兄さんと姉さんみたいに人を守るために戦いたい。そのために私も訓練してるし、新しいライダーシステムも開発中だって聞いてるし。」

ミクは子供のような好奇心と正義感、使命感から兄・KAITOと姉・MEIKOに憧れていた。同時に、自分もそんな2人のように人々を守る正義の使徒・仮面ライダーとして戦いたいと願っていた。そのために戦闘訓練も受けている。

キヨテル「ここにいましたか、2人共。」

ミク・ウタ「チーフ。」

キヨテル「MEIKO、KAITO、しっかり休憩を取ってください。次の出撃がいつになるか分かりませんから、それまで十分休んでおかなければ。」

「BOARD」の支部長・氷山キヨテルが図書室に入ってきた。彼はMEIKOとKAITOに休憩を取るよう促す。

KAITO「了解!」

キヨテル「そんな堅苦しい敬礼はいいですよ。ここは軍隊じゃないし、大体私はそんなに偉くないですから。」

KAITOはキヨテルに敬礼するが、キヨテルは遠慮する。そして、KAITOとMEIKOは図書室を後にした。

キヨテル「さて、ミクとウタは調べものがまだ終わってませんよね。引き続きお願いしますよ。」

ミク・ウタ「はい。」

キヨテルはミクとウタにそう言い残して、図書室を去っていく。

その夜、仕事を終えたミクはBOARDの宿舎に入った。現在、BOARDの宿舎を使っているのはミクとウタくらいで、他の職員は大体自宅から出勤している。

ミク「…」

ミクはデスクで音楽を聴きながら、PCを開いて調べものをしていた。ミクは引き続き、アンデッドと彼らが繰り広げたバトルロワイヤルについて調べていた。不死身の怪生物・アンデッド。53種の生物の始祖である彼らは現代から約1万年前、地球の覇者となるべく果てしない戦いを繰り広げた。その53種の生物の中にただ1体、どの生物の祖にもならない例外(イレギュラー)が存在する。それは…

ミク「…あれ?」

ミクがそのページを読んでいた途中、突然バッテリーが切れた。コードを電源に繋がずに内部バッテリーのみでPCを起動させていたからだ。

ミク「いけないいけない。またやっちゃった…」

ミクはPCに電源を入れようとするが、その時、突然、外で凄い爆発音がした。

ミク「へ!?」

ミクは驚いて窓から外を見遣った。そこからは、ミクたちが勤務するBOARD支部から大規模な炎が燃え盛っているのを見た。

ミク「な…何?」

ミクは驚きを隠せなかった。自分たちが仕事をしている職場がいきなり大きな火の手を挙げて燃えている。この光景を見て、ミクは落ち着いていられなかった。

ミク「…何があったか知らないけど、行かないと!」

ミクは大急ぎで服を着替え、駆け足で寮を後にした。

BOARD支部にたどり着いたミクは燃え盛るBOARDの建物を目の当たりにした。

ミク「そんな…」

ミクは愕然とした。BOARD支部にはPCや資料等の機材や古代遺跡から見つかった古代の遺物等、数え切れない資材が一晩にして燃えて消えた。ミクはその場に膝をついて放心状態となった。しかし、それも束の間に過ぎなかった。ミクの背後から不気味な呻き声が聞こえてきた。

ミク「へ?」

ミクが後ろを振り向くと、裏から2体のアンデッドが出てきた。1体はバッタのアンデッド、ローカストアンデッドで、もう1体は猪のアンデッド、ボアアンデッドだ。

ミク「きゃああ!!」

ミクは驚いて建物の方へ逃げ出すが、ローカストアンデッドは高くジャンプし、一瞬でミクの目の前に着地した。ミクは慌てて別方向へ逃げようとするが、そこは炎が壁となってミクの行く手を阻んでいた。

ミク「うっ!?」

ミクは逃げ場を失った。前を炎、後ろを2体のアンデッドに阻まれ、万事休すかと思ったその時、2台のバイクの音が鳴った。MEIKOとKAITOだ。2人もBOARD支部を案じ、現場へ駆け付けた。

KAITO「何かあったかと思えば、来て正解だったな!」

MEIKO「ミク、大丈夫?」

ミク「姉さん、兄さん!」

MEIKOはレッドランバスから降りるとミクを気遣う。同時に、KAITOもブルースペイダーを降りて戦闘態勢に入る。

MEIKO「KAITO!」

KAITO「ああ!」

MEIKOとKAITOはギャレンバックルとブレイバックルを取り出し、各々の腰に装着する。すると、バックルからベルトが出てきて各々の胴体に装着される。MEIKOは左腕を前に構え、KAITOは右腕を前方に伸ばして引き寄せてから左腕を伸ばす。

MEIKO「変身!」 KAITO「変身!」

「TURN UP」 「TURN UP」

両者は変身と叫び、バックルの中央を回転させる。MEIKOのギャレンバックルにはダイヤの、KAITOのブレイバックルにはスペードのマークがあしらわれたレリーフが現れる。そして、ギャレンバックルとブレイバックルはオリハルコンエレメントを投影する。MEIKOとKAITOは駆け出してオリハルコンエレメントをくぐる。そして、MEIKOは仮面ライダーギャレンに、KAITOは仮面ライダーブレイドへと変身した。

KAITO「うあああッ!」

ブレイドはブレイラウザーを抜刀し、ローカストアンデッドに斬りかかる。しかし、ローカストアンデッドはジャンプしてブレイドの一撃を回避し、さらに羽を使って飛んでブレイドに空中から蹴りをお見舞いする。

KAITO「ぐあっ!?」

MEIKO「KAITO!」

ブレイドは大きく飛ばされてオイルの入ったドラム缶にぶつかり、さらにドラム缶は中のオイルを漏らして引火し、爆発を引き起こしてしまう。ブレイドはその衝撃でダメージを負い、変身を解除されてKAITOの姿に戻ってしまう。

KAITO「う…」

ミク「兄さん!」

KAITOは上手く立ち上がれず、うずくまる。ミクはそんなKAITOの身を案じ、KAITOの側に駆け寄る。

ミク「兄さん、しっかりして。」

KAITO「バカ…早く隠れてろ…」

ミク「でも、兄さんがこんなになってるのに…」

KAITOは自分の身を案じたミクに隠れるよう促す。しかし、ミクはKAITOを見捨てられない。そんなミクはKAITOの肩を担いで、持ち上げてその場から退散しようとする。だが、MEIKO=ギャレンと戦っていたはずのもう1体のアンデッド・ボアアンデッドが2人を狙い、襲ってきた。

ミク「きゃっ!?」 KAITO「!」

驚くミクの前にKAITOは力を振り絞って立ちふさがり、ボアアンデッドのタックルをその身に受けた。KAITOの体にはボアアンデッドの刺が刺さり、致命傷となった。KAITOは力を失い、その場に倒れ伏した。

ミク「兄さん!」

KAITO「ミク…」

ミクは当然、KAITOに駆け寄る。

KAITO「怪我は…ないか…?」

ミク「私のことなんかより、兄さんが…」

ミクは泣きながらKAITOを心配し、その身体を揺する。

KAITO「…これ…」

ミク「へ…?」

KAITOは最期の力を振り絞ってブレイバックルを取り出し、ミクに渡そうとする。

KAITO「戦え…変身…しろ…」

KAITOはミクにブレイバックルを渡すと、力を抜き、息を引き取った。

ミク「兄さん?兄さん!」

ミクは泣きながらKAITOの体を揺する。しかし、当然ながらKAITOから返事は帰ってこなかった。

ミク「…」

ミクはKAITOの遺体に泣きついた。しかし、悲しむ間もなくボアアンデッドとローカストアンデッドが襲ってきた。だが、その2体の隙を突き、ギャレンが2体の横から銃撃を撃ってきた。

MEIKO「ミク、何やってるの?早く逃げなさい!」

ミク「姉さん…兄さんが…」

MEIKO「後で聞くから早く!」

ギャレンはミクに逃げるよう促し、2体のアンデッドに挑みかかる。ギャレンはまず、銃撃でローカストアンデッドの足を狙い、その隙を突いてギャレンラウザーにカードを2枚スライドさせる。

「UPPER」

「FIRE」

ラウズカードの絵柄がエネルギーとなってギャレンにオーバーラップされ、ギャレンの右腕に炎のエネルギーが宿る。

MEIKO「くらえ!」

ギャレンは駆け足でローカストアンデッドに接近し、炎を纏った右腕でアッパーカットを繰り出す。ローカストアンデッドは大きく飛ばされて瓦礫の上に倒れ伏し、腰のアンデッドクレストを開いた。ギャレンはすかさずブランクのラウズカードを取り出し、ローカストアンデッドに投げつけて封印する。しかし、その直後にボアアンデッドがギャレンに強烈な体当たりを仕掛けてきた。

MEIKO「ぐッ…」

ギャレンは右腕にダメージが行き、ギャレンラウザーを手放してしまう。それでも、ギャレンは引き続き応戦しようとするが、右腕が痺れ、武器やカードを持つことが困難になった。この様子を見ていたミクにKAITOの「戦え」という言葉が脳裏をよぎる。そして、ミクは目つきが変わり、戦うことを選んだ。ミクはブレイバックルを持ち、腰に装着する。そして、ミクは右腕を前方に伸ばして引き寄せてから左腕を伸ばし、右腕でブレイバックルの表面を回転させる。

ミク「変身!」

「TURN UP」

MEIKO「ミク?」

驚くギャレンを他所に、ミクはブレイドのオリハルコンエレメントを潜り抜け、仮面ライダーブレイドへと変身した。

ミク「はああああッ!!」

ミク=ブレイドはブレイラウザーを抜刀し、ボアアンデッドに斬りかかる。ボアアンデッドはこれを真正面から受けるが、大したダメージにはならず、逆に激昂して狙いをギャレンからブレイドに変え、ブレイドに襲いかかる。ブレイドはブレイラウザーをかざしてボアアンデッドのタックルを受け止めた。

ミク「うぅ…」

ブレイドは踏ん張ってボアアンデッドのタックルを止める。しかし、次第にパワーで押され始め、最終的には受けきれず、弾き飛ばされてしまう。

ミク「うあっ!」

ブレイドは飛ばされて地面に倒れ転げた。近くにギャレンが駆け寄り、ブレイドに1枚のラウズカードを渡す。先にギャレンが封印したローカストアンデッドのカードだ。

MEIKO「ミク、これを使って。」

ミク「これは…?」

MEIKO「そのカードをブレイラウザーに読み込ませて!」

ブレイドはギャレンからカードを受け取ると即座に立ち上がり、左手にブレイラウザーを持って右手で先のラウズカードをブレイラウザーにスライドさせる。

「KICK」

カードの絵柄が青く光ってブレイドにオーバーラップされ、ブレイド=ミクは足に力が湧いてくるのを感じた。

ミク「…これなら!」

ブレイドは駆け足でボアアンデッドに向かって駆け寄り、途中でジャンプして空中で体を丸めて前転し、ボアアンデッド目掛けてキックを蹴り込む。

ミク「はあああッ!」

ブレイドはボアアンデッドに強烈な跳び蹴りを入れる。「KICK」のカードの力で強化されたキックはボアアンデッドに強烈な一撃を蹴り込み、ボアアンデッドを蹴り飛ばし、倒れ転げさせる。ボアアンデッドは大きなダメージを受け、その場に倒れ伏し、アンデッドクレストを開いた。

MEIKO「この隙に空のラウズカードを投げて!」

ギャレンの指示通り、ブレイドはプロパーブランクのラウズカードを取り出し、ボアアンデッド目掛けて投げる。ラウズカードはクルクルと回転しながら空中を飛び、ボアアンデッドの腰のアンデッドクレストに当たった。ラウズカードはボアアンデッドを吸い込み、ブレイドの手元に戻ってきた。

ミク「…ふう。」

ブレイドは戦闘を終え、一息ついた。その様子をギャレンが後ろから見ていた。

MEIKO「ミク…」


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