次の日。俺らはあいつに対抗策を出すために話し合いをしていた。
千咒やワカくん、ベンケイくんや武臣さんまで参加してくれるそうだ。
「でも、真正面から戦って勝てる相手じゃないからな…。」
俺は今までの父さんの強さを振り返る。
残虐非道極まりない人だから、人を殺すことなど別にどうってことないだろう。
「で、軍神のご意見はどのようなものでしょうか?」
春千夜くんが蔑み交じりでそう聞く。
武臣さんは答えることなくただ目を瞑っていた。
「でもさ、弱点とかありそうだけどねぇ…。」
蘭くんはそう言うと、竜胆くんに目配せをした。
「俺を見られても困る。」
竜胆くんはきっぱりと返す。
蘭くんは「ちっ、釣れないなぁ…。」と頬を少し膨らませた。
春千夜くんは「武器でゴリ押せば?」とかサイコパス染みた発言しかしない。
ココくんは「担当外」と参加すらしてくれない。
…まあ、俺も半ば諦めてはいる。
「あ~、ボス戻ってこねぇかなぁ…。」
蘭くんがそうぼやくと、空気を読んだようにドアが勢いよく開く。
ドアの先に、ガタイの良すぎる人の影が見えた。
その人は入ってくるなり、大声を出して言った。
「フォルテッシモ!!!!!!!」
「いやうるせぇよ…。」
俺の隣にいるココくんが呟く。
確かに、うるさい。
けど、これで戦力問題は解決できた。
それから、結局蘭くんの「ゴリ押せばどうにかなる!ボスいるし!」という一言で作戦は無しになった。
「結局、あの時間はなんだったんだ…。」
マイキーはそう言うと、どら焼きの最後の一口を食べた。
「まあ、どうにかなればなんでもいいんじゃないか?」
俺はそう答える。
「ほんと、どこまでも奔放な奴らだな。」
マイキーはそう言ってあきれてた。
「まあ、これは俺らの事だし、俺らだけで片付けよう。」
俺はそう言うと、マイキーを見た。
南くんの復活でみんなは六波羅単題に戻り、梵も各々自分の家に帰った。
春千夜くんは武臣さんと千咒によって強制送還。ココくんは「久しぶりに外出してくる」と言ってここを留守にしているため、今は俺とマイキーくんしかいない。
「にしても、寒いな。」
「暑いの間違いじゃ?」
「さあ、適当に言っただけ。」
「マジでそれは勘弁…。」
そんな下らない会話しかしていない中、外から声がした。
「一応、二人で行こう。」
俺らは手を繋ぎ、ドアを開ける。
しかし、そこには手紙が置いてあるだけだった。
「手紙…?」
そこには、殴り書きしたような点と線があった。
とりあえずその紙を持って室内に戻ると、俺は早速解読を始めた。
「分かんの?」
「アルファベットだけなら辛うじて、ってレベルですけど。」
だけど、今回は長文のようで、俺もだいぶ苦労して解読する。
途中で「ローマ字」と気づけたのが救いだった。
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【解読】
T A K E M I C H I
M I K E Y
「K U R O」H A
K I K E N
K I W O
T S U K E T E
「…どういうことだ?」
マイキーは文字に起こしても読めなかったらしく、俺が仕方なく読んだ。
「武道 マイキー 「クロ」は危険 気をつけて だって。クロって誰。」
「俺も知り合いにクロはいない。」
俺らは考えられる限りのクロを思い浮かべたが、一人も見つからなかった。
「…ま、保留で。」
俺はそう言ってメモをポケットにしまう。
時計を見ると、もうすでに夜の12時を過ぎていた。
「日付変わっちゃったし、寝ようか。」
俺がそう言うと、マイキーもうなずいて後ろをついてきた。
俺らが部屋へ着くと同時に、マイキーは寝た。
「全く…。おやすみ。」
俺もそう言ってマイキーと一緒に布団へ潜った。
マイキー殺害まで あと 11日
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