この作品はいかがでしたか?
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最初は アメ→→イギ
最後は アメ→→→→ ←日
イギリス目線
今からずっと前のまだアメリカが子供だった頃からついさっき起きた事までのお話。
彼は側から見ても一目でファザコンと分かるほどに私のことが大好きだった。
外出時はいつも手を繋ぎたいと駄々をこねるし、飲食店に行けば食べさせて欲しいと口を開ける。
少々おかしいとは思ったが、自分の可愛い息子がそうやって求めてくるものだから。
私は喜んでその期待に応えた。
そうしているうちに20歳くらいになった。
昔みたいに見ただけでファザコンだと分かるレベルでは無くなったが、未だに私に大好きだと、親父が俺の親で良かったと言ってくるから、きっと私に対する愛情は変わっていないのだろうと思った。
そんな息子を微笑ましく思っていたが、ある時を境目にアメリカに対して気持ち悪いと言う感情を抱いくことになった。
突然アメリカが私に対して告白したのだ。
私に対する気持ちは家族愛とかの部類ではなく恋愛感情だと。
あまりにも衝撃的で何が何だか分からなくなった私は、それは勘違いだと、家族にそんな感情を向けるのはおかしいと怒鳴りつけて走って家を出てきてしまった。
それからどうしてもアメリカと顔を合わせたくなく1週間の間ホテルに泊まった。
1週間後、家に帰ると彼の姿はなく、彼の部屋にあった物が無くなっていた。
もぬけの殻のようになった部屋を見渡すと床になにやら一枚の紙が置いてある。
見てみると置き手紙のようだった。
“ごめんなさい。実の親にこんな感情を向けるなんておかしいよね。
この気持ちが無くなるまで俺は家に帰らない事にしました。
いつか戻ってきたらまた元の親子みたいに仲良くして欲しい。
こんな俺を育ててくれてありがとう。”
そんな内容。
紙には涙が滲んだ跡があり、字も手を震わせながら必死に書いたのが伝わるような筆跡であった。
それを見てどうしても謝りたくなった。
確かに実の息子にそんな感情を抱かれるのは気分がいい物では無かった。
だけども身勝手に気持ちを否定し1週間も出て行った事は酷かったと思う。
そうして必死に探したが息子の姿はとうとう3年間もの時間見つかることはなかった。
3年後、突然インターホンが鳴り玄関を開けるとそこにはアメリカが立っていた。
衝撃的だった。失踪してから警察届を出し探偵も雇ったのにも関わらず、一切見つからなかった息子が帰ってきたのだ。
呆然としている私に20年間聞き慣れた声で話しかけられた。
「ただいま、親父。」と。
それから私は彼を家に招き入れ紅茶を出した。
共にティータイムをしながら何故消えたのか、どこ行ってたのかを問うと簡単に答えてくれた。
曰く、もう私に迷惑をかけたくなかったと。
曰く、私への気持ちが無くなるまでは帰らないと決めていたと。
曰く、自分はここから1000キロほどある遠く離れた地に行っていたと。
そうしてもう私に対しての恋愛感情が無くなったから安心して欲しいと言って、アメリカは困ったような笑顔を私に見せた。
それを聞き私もずっと謝りたかったことを話して和解した。
その後、アメリカからまた一緒に暮らしたいとの提案を受けた。
特段断る理由も無かった…どころか彼が出て行った後の部屋はまだ空っぽのままだし、意外にもこの3年間は共に生活する人がいなくなって自身も寂しかったのだ。
私に対する気持ちも無い事から、すぐさま了承しこれからまた2人で暮らす事になった。
共に暮らし始めてから半年後、日本という思い人を家に連れてきた。
どうやらその子はこの家を出て行った3年間の内に会った方らしい。
礼儀が正しく、気配りもできる彼を見て、アメリカの恋人がこんな素晴らしい方で良かったと強く思った。
アメリカ自身もとても彼を愛しているようで日本がいる時は凄く幸せそうに笑った。
私もそんな息子を見て自然と笑みが溢れてくる。
夕方になり日本が帰ってからも嬉しそうに私に惚気話を聞かせてくるものだから、うんうんと頷きながら話を聞き続けた。
気がつくと夜になっていてアメリカは風呂に入ってくると言って行ってしまった。
1人になって少しぼーっとしながら少々考え事をしているとある事を思い出す。
そう言えば以前アメリカに本を貸して読み終わったと言ったのにも関わらず、それから1ヶ月もの間返してもらっていない。
返して欲しいと言っても毎回何らかの理由をつけられて返してくれない。
きっと部屋から出すのがめんどくさいだけだろう、このまま返してもらえないのも困る。
申し訳ないが部屋に入って勝手に取っていこう。
それに最近は本当に普通の男の子だ。そんなやましいことも無いだろう。
そう思い、悪いとは思いながらも部屋に入る。
すると信じられないような光景が広がっていた。
は…??????
アメリカの部屋には壁一面びっしりと思い人の写真が貼り付けてあり、中には盗撮したであろう物も多くあった。
部屋は暗く手錠や縄、空の注射器などの犯罪臭のする物が部屋に多く散乱していた。
頭が混乱し一瞬目眩が襲ってくる。到底理解が及ばない。
ただ怖くなって部屋から出るとリビングの椅子にへたり込んだ。
自身に向けられた感情を知った時の何倍もの吐き気に襲われる。
日本に対する息子の歪んだ愛情を目にすると、どうしてあんな子になってしまったのか、自分の育て方が悪かったのかと言う自己嫌悪に陥る。
でももうこれ以上親子の関係を悪くさせたく無かった。
だから息子の行いを正当化するために思考を巡らせた。
私が納得いく理由を考えなくては。
そもそもアメリカは頑張って私に迷惑がかからないよう他に感情を向けてくれたのだ。
彼にとってこれは幸せだし、日本にとってもきっと幸せなはずだ。
少なくとも日本はアメリカが好きで愛している。
そんな人に束縛されたり、写真を部屋に飾ってもらえるのは喜ばしいことなのではないか。
………それでいいのか?
分からない問題を何度も自分に問いかける。
10分ほど経って結論が出た。
もういっか。別に私に対してどうこうするわけでも無いし、これが彼なりの愛情なのだろう。
私が干渉することじゃ無い。
考えが一段落ついたところで強烈な眠気に襲われてしまい、座ったまま眠りについた。
起きると次の日になっていて、アメリカが朝食を作ってくれている。
おはよう。そう言って涼しい顔でお皿を差し出してくれる物だから…
私は昨日のことを無かった事にして朝食を手に取った。
季節は変わり、果てしなく暑い猛暑からだいぶ涼しくなってきて逆に体調管理が難しくなってきた今日この頃。
アメリカは日本に対する惚気より愚痴を話すことの方が多くなった。
内容は、日本は自分と言う彼氏が居るのに他のやつと昼飯を食べに行ったり、俺以外の人間のLINEを持っていたり、コンビニの店員さんと話して笑っていたと言うもの。
それくらい普通だと思うのだが私の息子は少しばかり個性的で嫉妬深いようだ。
そしてアメリカがお願いしてきた。
また日本を家に入れてもいいかと。
別に大丈夫だと言うと嬉しそうに微笑んだ。
数日後、インターホンがなって出ると愛しの思い人がいたようだった。
アメリカは家に招き入れると部屋へと案内した。
日本は軽く私に挨拶をし息子と手を繋ぎながら突き当たりの部屋へと足を運んでいた。
数時間して大きな物音が鳴った。
それは家中どころか外にも漏れてしまっているのではと言うほどの音。
何事かと走って息子の部屋のドアを思いっきり開ける。
勢いをつけすぎて一瞬壊れたのではと考えるが、目の前に広かった光景を見て自身の思考回路が切断されたように考えるのをやめた。
日本が倒れて血を流している。
また近くにあった入れ物に肉片を切り取って入れていることから、死体の一部を保存しようとしているのが分かった。
嫌になるほどの鉄臭さとアメリカに着いた赤黒い付着物を見てこれは現実なのだと理解する。
「日本はこれで俺のものだ!!もう誰とも喋らないし俺だけを見てくれる!!後で調理して食べようと思うんだ!そうすれば日本は俺の中で一つになれるだろう?」
そうしてお前はもうずっと冷たくなったその子を見て、随分と嬉しそうな顔をするものだから。
私は何も言えず、ただ息子のあまりに歪みきった気持ちが自分に向かない事を心の底から安心する事しか出来なかった。
コメント
20件
アアアアアアアアアアッッ!! アメリカーッ!ナチュラルサイコッッッッ!! わるかねぇっ!!
アメリカが壊れた…でもそんなアメリカもしゅき…このアメリカに〇されたい…(は…???)
この人の作品好きすぎる...アメリカに○されたい...(?)