テラーノベル
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渡辺『……な、んで、、ッ』
阿部¦ごめん、翔太。早く本体を助けたいから
渡辺『…こーじぃ、、やられた……っ』
深澤¦…偽物ってわかっててもつらいね
目黒¦早く舘さん見つけて帰ろう?
岩本¦そういえば遅くね?
深澤¦康二だよね?俺も思った
村上¦……っ、ねぇ…ここ何?
佐久間¦しょ、翔太のクローン……?しかも、首斬られてる、、
深澤¦こんなこと考えたくないけどさ、もし〝このなべのクローンが本体と繋がっていたら〟……?
阿部¦こんなことする人って、ここにいる?
目黒¦いやいる。アイツ───康二なら……
岩本¦なるほどね、一番の黒幕ってことか
阿部¦なら早く行こ───
〝侵食完了〟──────。
深澤¦……、ぇ?
阿部¦戻って来た??
岩本¦そもそも、俺らは脳内に入ってないよね、、?
村上¦なんで病院にいんの?!
佐久間¦……??
目黒¦どういうこと、?
深澤¦わかるよ、その気持ち。全く意味がわかんないよね、、
阿部¦あの世界って、本当は康二が作ってたんじゃない?
看護師¦あっ、みなさま、やっと起きたのですね!よかったです!!
深澤¦あの、、向井と宮舘は どちらに……?
看護師¦向井康二さまと宮舘涼太さまは別室で……。いつ目を覚まされるのか……
深澤¦わ、渡辺は?
看護師¦……っ、お亡くなりになられました
目黒¦はい、?
岩本¦……そんな、、
看護師¦…ご冥福をお祈りします……
目黒¦ラウール、外の空気でも吸いに行こっか
村上¦うん、、
阿部¦あの、俺らがこうなった理由って……?
看護師¦それが、原因不明でして……。向井康二さまは〝ストレス〟、渡辺翔太さまは腹部や頭部を刺されたことによる〝大量出血〟で……
阿部¦(……俺らも結局、あの世界に元からいたわけかぁ、、)
向井¦舘、愛してるで
この言葉に意味を持ち出した時には、しょっぴーが隣を埋めていた。
俺の入る隙なんかどこにもなかった。
ただ〝好き〟という感情が〝愛してる〟に色付いただけやのに、なんでこんなに苦しいねん。
舘が恋愛対象になった時、俺は毎日が楽しかった。
舘の放つ美しさに、思わずシャッターをきる。
舘はそれに気づくように、微笑み返してくれる。
宮舘¦何撮ってたの?
この一瞬に、どれだけの価値があることか……。
向井¦しょっぴーと舘さん、一緒に帰るん?珍しいやん!
憎らしい。
渡辺¦涼太ん家に泊まる
向井¦えぇ!?ほんなら俺も連れてってや
なんでや。
渡辺¦無理
その態度、ムカつくわ。
向井¦ひどない!?w
舘は、しょっぴーだけのやない。
渡辺¦涼太、行こ
ダメや。
宮舘¦またね、康二
向井¦またな!
行くな。
舘は、俺のや。
歪み始めたと同時に、〝ニセモノ〟が俺を〝侵食〟し始めた。
向井¦おっ、しょっぴーやん!どないしたん?
渡辺¦仕事、、
向井¦……ちょうどいい。一緒に来てもらうな♪
〝本体の渡辺翔太〟を刺して、俺の世界に呼び出した。
そして、しょっぴーのクローンを作った。
このクローンは、しょっぴーへの恨みを物体化したもんで、何の関係もない ただの飾りや。
強いて言うなら、しょっぴーを〝忘れさせる〟ための再生ボタンってとこやな。
なんやかんやで、〝ニセモノのしょっぴー〟を作り出して、この物語は幕を開けた。
俺は、しょっぴーになりすまして、舘の家に来た。
しょっぴーの連絡網も入手済み。
これで、邪魔者はおらんなったな。
宮舘¦ん、、さむ
渡(向)¦涼太
可愛ええな。
ずっと眺めてたいわ笑。
渡(向)¦起きろ
宮舘¦え、翔太…?なんでいるの?
渡(向)¦電話してきたの、そっちだろ
忘れてんのか。
やっぱ、可愛ええわ。
宮舘¦ごめんね…。目黒に電話をかけようとしたんだけど、多分 間違えた…
渡(向)¦めめ……?なんでなの?
宮舘¦なんでって…お酒がなくなったから……
単純で可愛い。
渡(向)¦っぷ、ははは!!w
宮舘¦翔太……?
そんな怯えた目で見らんとってや。
渡(向)¦ごめん、俺…しょっぴーやないねん
ゾクゾクしてまうやろ♡
宮舘¦え、、
向井¦騙してごめんな
宮舘¦翔太は……?
向井¦大丈夫や。まだ生きとる
ゆっくりでいい。
俺が撮る写真みたいに、じっくり焼き上げたる。
思い出にならへんように。
向井『舘だけなんよ、俺のことわかってくれんの』
宮舘¦こぉじ、?
向井『この世界は俺の作った世界や。あの日の夜に、みんな呼び寄せたんよ』
向井『元々、みんなここの世界におってん。しょっぴーが〝ストレスで倒れた〟ことにして、この世界は〝しょっぴーが作った世界〟に仕立てあげたんや』
宮舘¦つ、つまり、?
向井『初めっから全部嘘や。しょっぴーはもう俺が〇した。せやから、もうどこにもおらへん』
宮舘¦…なんで……ッ、?(しょっぴーって、誰かわからないのに…涙が止まらないッ、、)
向井『大丈夫や。これから俺がしょっぴーの代わりになるから……』
宮舘¦……ッ、、
この不穏な世界は、俺が作った二人だけの理想の世界───。
これからも、永遠に一緒やで
〝涼太〟───。
宮舘¦ん、、さむ
体を丸めて、毛布にくるまった。
仕事があるけど、なんだかダルい。
それに、ずっと長い夢を見ていたような、そんな気がした。
??¦涼太
耳元で誰の声がした。
気のせいだよね。
ここは俺の家で───
あれ、なんで……?
涙が溢れ出てくる。
こんな会話、昔にしたような気がする……。
??¦起きろ
宮舘¦え…?なんでいるの?
??¦電話してきたの、そっちだろ
この人は誰だったっけ?
不思議なことに、全く覚えていないのに、この人を見ると心が落ち着く。
記憶を振り絞って思い出す。
それでも、名前が出てこない。
一旦起き上がって、朝食を作ることにした。
??¦何すんの?
宮舘¦朝食作ろうかなって……。君もいる?
??¦いる!
子どものように無邪気に返事をする君を、どこか愛おしく思う。
本当に、変な感じ。
だけど、悪い気はしない。
キッチンに立って料理を作っていた。
味見をしようとした途端、後ろから抱きしめられた。
何が起こったのかわからない。
わからないのに、なんとなく苦しくなった。
宮舘¦どうしたの?
??¦涼太……
宮舘¦座って話そ?
??¦ぃゃ……
震えた声で小さく呟いた君の声は、どこか寂しそうで儚かった。
宮舘¦大丈夫。大丈夫だから
??¦ごめん、、
宮舘¦いいよ
君はそう言って俺の手を握った。
俺は振り払うことなく、リビングまで一緒に向かった。
ゆっくりと腰を下ろす。
フッと息を吐いて、言葉にしてみる。
宮舘¦何があったの?
優しく、傷つけないように。
??¦俺、涼太のこと好き……
宮舘¦うん、ありがとう
??¦でも、俺の涼太に対する好きっていうのは、純粋なもんじゃない
こういう時は、なんて言えばいいんだろう。
沈黙が続いてしまった。
そん な時、君のスマホに電話が。
宮舘¦出たら?
??¦……
素直に頷いて、電話に出たと思えば、顔色が急変した。
まるで光を見失ったかのように。
宮舘¦……電話の内容は、なんだったの?
??¦今から来いって。主演ドラマの打ち合わせが決まったらしい
宮舘¦凄いじゃん!
??¦凄い?
宮舘¦うん。君の出てるドラマは毎週見てるからね
あれ、なんで記憶にあるんだろう?
??¦俺、凄い……?
宮舘¦うん、凄いよ
少しだけ、顔色が良くなった。
そして、君は微笑んで仕事へ行くための準備を始めた。
寂しくなった俺は、本音を零してみた。
宮舘¦ねぇ、行っちゃうの?
いつかのこんな時に、俺はなぜかこう言いたかった。
でも、それが言えなかった。
もし言えてたらと後悔しそうなくらいに。
記憶に存在しないはずなのに……。
宮舘¦君の本当を教えてよ?俺のこと、好きなんでしょ?俺も多分、君のこと好きなんだと思うし……
??¦俺、涼太といたい。もう、うんざりなんだよ……
何も言わずに抱きしめる───
この温もりが、強さが、
今の俺にはあって、君には必要なものなのかもしれない。
宮舘¦本当に申し訳ないけど、君の名前を忘れちゃったんだ。名前、教えてくれる?
??¦俺の名前は─────
向井¦向井康二
宮舘¦ステキな名前だネ
向井¦なぁ、今から二人だけで出かけへん?どっか遠くの世界に……
宮舘¦ウん。イいヨ
向井¦涼太、愛してるで
宮舘¦ウン、オレモ
向井¦ほんなら、開幕の再生ボタン押すで
───ポチ。
俺が迷い込んだ世界は、どうやら不穏だらけの世界らしい。
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