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ごめんなさい!大学で合宿があったので……笑
どうぞ!
少し時間が経って目が覚めた。寝てしまったと言うよりも若井にこの体を見せてしまった事に後悔をした。どうも体が重くて腰をあげる。
「ん……?」
僕の足を枕にしている若井がいた。その顔には涙を流したような跡があり異様に足が湿っていた。温かくて居心地が良くて数分間起こさず寝顔を見ていた。
「りょ……ちゃん?」
名前を呼ばれた。でもその声はかすれていて、ほとんど聞こえない状態だった。
「若井……ごめんね。」
「ううん……こちらこそ気づけなくてごめん」
違う、謝って欲しい訳じゃない。花咲病と言う病気は知っていたけどまさか自分がなっているとは思わなかった。
「涼ちゃんはさ……誰が好きなの?」
今、1番聞かれたくない言葉。
「教えられないな……笑」
「そっか……」
あぁ、そんな悲しい顔をしないで。僕が君を好きになった罰なんだ。だから僕のせいで泣かれたくはなかった。
「あのね、涼ちゃん、花咲病ってさ花が赤くなって3日後に死ぬんだって。涼ちゃんの花はさいつあかくなったの?」
「2日前かな……」
「じゃあ今日死んじゃうの?」
「そうだね笑」
「涼ちゃんはさ、なんで笑っていられるの!」
いきなり叫ばれてびっくりしたと同時に少しだけイラッとした。
「何も知らないくせに……。」
「へ……?」
「何も知らないくせに。勝手に言わないで!!僕はどうせ死ぬんだ。もう僕に近寄らないで!」
君の顔が蒼白になり。今更自分のはっした言葉に気づく。
「ごめん……。」
気づくと部屋には僕だけになっていた。
死ぬまでに自分の部屋を片付けておきたかったので、部屋を片付ける。
この家は若井と同居していた時のまま。箱には若井と過ごした時に買った家具たち。もう使わなくなったからしまっていたけどまだ使えるものばかり。家具の下になにかがあることに気づいた。
「……鍵?」
どこの鍵だろう。でも心当たりがあった。若井が自分の部屋として使っていた部屋だ。鍵穴に鍵を入れるとガチャンっと音を立て鍵が空いた。少し入るのを躊躇したがドアを開けることにした。
そこには沢山の楽譜と写真、それと日記。見るのはプライバシーの問題になるけどパラパラと見てみることにした。同居した日から昨日までずっと続いていた。ずっとうちに来ていたのかと少しびっくりした気持ちもあるがそれ以外にビビったのは、1日1日僕の写真が貼られていることだった。
寝ぼけている僕、寝ている僕、楽器を弾いていると僕、など沢山の写真が貼ってあった。
文には僕の体の心配や僕の変化などが書いてありそれと一緒に僕への感謝が書かれていた。まるで母子手帳のようなものだった。
その部屋も整理した後、僕は遺書を書くことにした。若井のことが好きだったこと。元貴には数え切れないほどの感謝をした事。書ききれないから何十枚も書いた。
寿命があと少しってことを実感するようになった。歩くだけでフラフラし、食べると吐き出してしまい、目があまり見えなくなり。五感が少しだけ衰え始めた。
僕はメンバー全員の写真を片手にこの世界に別れを告げた。
「ばいばいお母さん、お父さん、高野、綾香、元貴、若井、大好き……。」
意識はどんどんと遠のき視界が真っ暗になり
僕は死んだ。