ノア「それはな、この国の北の方にある山、『ノースコウ山脈』にある『試練の坑道』ってダンジョンにある『ノアクリスタル』だ。」
アーサー「ノアクリスタル?」
ソフィア「確かあんたが見つけた鉱石だったっけ。」
ノア「そう、まだ自分が若い時に発見したやつだ。」
アーサー「凄いですね!」
ノア「いやいや、たまたま見つけたんだよ。」
ソフィア「ふーん、っていうかそれなら自分で行けないの?」
ノア「あぁ、言ってなかったかも知れないな。まぁ間違いなくアーサー君は知らないだろう、私は非能力者、君たちみたいに魔法的なものが使えないんだ。」
アーサー「能力が使えないんですか。」
ノア「そうだな、しかも今年で72歳、体力的にも辛いんだ。だから誰かに頼んだんだ。」
ソフィア「そうか、確かにそうね。で、それは何処にあるの?」
ノア「坑道の最後に近いところだ。」
アーサー「分かりました。」
手伝ってほしい内容は分かった。
けど、その前の非能力者が分からない。
アーサー「あのぉ…」
ノア「ん?どうした。」
アーサー「非能力者って具体的にどんなもの何ですか?」
ノア「折角だし説明しよう、そこが空いてるな。」
そう言うとノアさんは本棚の前の椅子と机を指差した。
ノア「ソフィアはどうだ?」
ソフィア「私も一応受けようかな。」
ノア「そうか。二人は内容を紙に記録するか?」
アーサー「僕はしたいです。」
ソフィア「じゃあ私も。」
ノア「分かった。」
そう言うと紙とペンを机の上にノアさんは置いた。
ノア「じゃあ説明しよう。」
ノアさんは天井からぶら下がっている、紐を引っ張った。
すると、上から黒板が落ちてきた。
ノア「えっとまず、魔法的なものは誰でも使えないと言うこと。後、これ以降魔法と言わせてもらう。」
アーサー「分かりました。」
ソフィア「了解。」
ノア「そして一見、魔法というと魔力が有れば使えると思っていないか?」
アーサー「それは少し思ってます。」
ノア「それはれっきとした間違いだ。何故なら魔力なら私もある。」
ソフィア「へぇー、そうなんだ。」
ノア「そうだ。では、何故できないのか。それは体との相性が合わないから。」
アーサー「体と合わないというのはどういうことですか?」
ノア「私を含め、学者で魔法を使えない人は数多い。学者の大半は危険なところに行く理由がないからな。」
ソフィア「じゃあ危険なところに行くのがキーワードなの?」
ノア「恐らくそうだろう。危険なところに行くのに、それに対抗する手段がないのは、自ら死に急いでいるようなものだ。」
アーサー「確かに。」
ノア「もう一つに、魔力がないとらいうのも原因だろう。」
ソフィア「そりゃそうだよね。」
ノア「基本的にこれらのことから魔法が使えない人もいるということだ。分かったかな。」
圧巻だった。
流石としか言えないな。
アーサー「勉強になりました!」
ソフィア「えぇ、助かったわ。」
ノア「それは良かった。やはり、他者に自分の知っていることを広めるのは気分がいいな。」
ソフィア「あんたは昔からそうね。」
ノア「ははっ、そうだな。」
アーサー「えっとノースコウ山脈っていうところに行けば自然と坑道の場所は分かるんですかね?」
ノア「多分、ソフィアが分かるだろ。」
ソフィア「まぁ分かるけど、人使い荒くない。」
ノア「すまないな、私は同行できないから。」
アーサー「そうですか…じゃあそろそろ行きます。」
ノア「そうか、気をつけて。」
ソフィア「またね。」
ノア「あぁ、二人とも無事に帰ってきてくれよ。」
アーサー「はいっ!」
ソフィア「分かってるっての。」
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