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#オリジナル
蝶姫
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最終話この先も
《夕華?荷物はちゃんと持った??》
〈持ってるよ〜!w〉
{忘れ物はないか??}
〈大丈夫だって!〉
〈じゃ、いってきまーす!〉
今日、3月6日
私達3年生は、思い出を胸いっぱいに持って星嵐高校を卒業します
学校まで続く坂道も、自宅から二駅で降りる最寄り駅も今日で最後だ
最後、とはいえ私は1年もいなかった
最初は不安ばかりだったが、今では卒業するのが寂しいくらいにこの学校が大好きだ
桜並木が風に揺れ、花弁が舞う
校門前の道は桜の花びらで桃色に染まっている
まるで桜までが私たちを祝福してくれているかのように
今日があるのも何かの奇跡なのかもしれない
本当はあの日私は死んでいたのかもしれないと、いつも思う
それでも生きている今に希望を持ちながら今日まで来れた
本当に奇跡のようなものだ
『あ、夕華!おっせぇぞ!』
「そろそろ予鈴鳴っちゃうよ」
〈ごめん!今行く!!〉
そう言い、最後の門をくぐり抜けた
[卒業生代表]
[日比谷夕華さん]
〈はいっ!〉
式の終盤
私は先生達から頼まれた卒業生代表の言葉を舞台上で話す
〈暖かい日差しが振り注ぎ、春の訪れを感じるこの良き日、私達は卒業の日を迎えました〉
緊張とシーンとした空気感
全てが緊迫とした中で私は淡々と話し続ける
それでも最後の最後で、泣いてしまうというのが定番だろう
私もその典型的な卒業生の1人だ
〈__以上を私の答辞と変えさせていただきます、っ〉
涙を拭いて壇上から降りる
琉生や涼も泣いていた
珍しく、妙に違和感を覚えた
『夕華おつかれさま!』
ポンッと肩をたたかれる
『泣けたぜ』
とジーンとしたような表情をつくる
〈でしょ〜〉
そう言いながら教室の端、窓際に座って物思いにふけっている琉生を見つめる
あの日から私達は付き合い始めた
カップルになったからといって何ら関係に変わりはなかった
いつものように一緒に帰って、校門の前で3人で集合
涼はどんな気持ちだったのだろう
今の関係を壊したくなくて聞けない
でも、何があっても3人でいたいと私は思っている
「……」
〈なにぼーっとしてんのっ〉
琉生の机の前に座る
「…いや、今日でこの席ともお別れかと思ってね」
「この席、季節によって見え方が変わるんだよ」
「夏は緑生い茂った木」
「秋は金木犀と、紅葉、銀杏の葉」
「冬は雪の積もった白い木」
「春は__」
〈満開に咲いた桜の木、でしょ?〉
自慢気に琉生の言葉を遮る
「…正解だ」
何か不服そうに、それでも嬉しそうに答えた
「この席は色んな景色を見せてくれた」
「だから少し寂しくてね」
と、また外の景色を眺める
〈そうだね、〉
なんだかつられて私もしんみりとする
〈でもさ!これから何年も季節は巡るよ〉
〈ここじゃない何処かで、また大好きな景色を見つければいい!〉
〈それが成長ってものでしょ?〉
どやって言ってやる
「……ふはっ、wたしかにそうだ」
「ありがとう、夕華」
〈っ、どういたしましてっ!〉
まだ夕華と呼ばれることに慣れていない
名前を呼ばれるだけで反応してしまう
…強がってしまうのは一種の照れ隠しのようなものだ
許してほしい
《はーい!撮るよ〜!》
パシャッ__
こうして、1年もない、いや1年以上の充実した生活を送れた高校生活は幕を閉じた
__xx年後
ガヤガヤガヤ__
『おーい、琉生、手を放すなよー』
「わかってるって」
そう言い合う二人の後ろでくすっと笑う
「ほんと、これは昔から変わんないね」
『今でもお前人混み嫌いだろ?』
「そうだけど…、昔よりかはマシだよ」
「今は涼の方が人混み嫌いなんじゃない?」
『…そうかもしれん、w』
「ほらw」
また3人揃って鳥居の中へ
二人と手に余るほどの食べ物、景品などを持って林の奥へ
〈いや〜、たくさん買ったねぇ〜!〉
『飯はあるだけいいんだぜ!?w』
「じゃあ食べきれなかったら涼に全部あげるね」
『え、それは勘弁……w』
はははっと、3人の不揃いな笑い声が林のなかに響く
きっと、あの時の奇跡がなかったらこうやって笑える日も来なかったんだと今でも思う
『それにしても、琉生すげぇよな!』
〈ほんとにね!〉
「僕も思いもしなかったよ、まさか撮った写真がバズるなんて、」
〈私も!まさかあんなおどおどとしてた琉生君がこんなに有名人になるなんてね〜w〉
と冷やかす
「冷やかしはやめてくれよw」
「これでも一応努力はしてたんだよ?」
〈じゃその努力が報われたってことだね!〉
〈さっすが私の彼氏〜!〉
「本当に、今でも恥ずかしいんだから、やめてよ…w」
と、赤い顔で言ってくる
〈えぇ〜??〉
琉生の頬をつんつんと押す
『おいおい、俺がいることを忘れてねぇか?w』
『いちゃつくのは二人の時にしろよなーw』
〈ごめんごめん〜w〉
といいつつ、私は手に持っていた林檎飴を頬張る
〈うん、やっぱりここの林檎飴が一番美味しいや〉
卒業から少し経った後に植えたたんぽぽの花が静かに揺れた
この先も3人で__
はい…!
if版も終了です!
ちょっと投稿を急いだのはコンクールに応募したかったからですっ!
花火のほうも、コンクールに応募しました!w
これからも読んでくれるとうれしいです!
流星に願いを.if版完