素敵な企画参加失礼致します🥹🥹
本当下手くそな者ですが、頑張りました💪🏻
大尊敬様のコンテストなので緊張してます😭😭
いつも作品見てますだいすきです🥹🫶🏻💗(
・桃赤
・🔞無し
・地雷さんご注意ください
桃)あっ、ねぇりうら、
赤)ん?
桃)これ、この夏祭り、一緒に行かない?
ないくんとのショッピングデートの帰り道。
帰り道の途中にあった電柱に貼ってあったポスター。どうやら近々、この辺りで夏祭りが開催されるようだ。
赤)夏祭りかぁ〜
赤)もうそんな季節なんだね
桃)ね〜
桃)夏祭りデートしようよ!
赤)っ、い、いちいちデートとかいうな!
桃)ん〜?照れてる?w
顔を背けたりうらを見て、にまにまと嬉しそうに笑うないくん。ほんっと意地悪。
りうらがむすっとしている間にも、ないくんがポスターを見て、改めてあっ、と声を出す。
桃)ねぇりうら、この日花火も上がるんだって!しかも結構いっぱい上がりそう!
赤)え、そうなの?
それはかなり行きたい。
桃)ふふ、どぉ?夏祭り兼花火大会デート!!
赤)っ、だからぁ…っ!
赤)…まぁ、行く、けど…
桃)えっ!行ってくれんの!?俺とデーt
目を輝かせて大きな声を出すないくんの頬を、思いっきりビンタする。
桃)いったぁ!?!?
赤)うるせーなここ外なんだよバカ!!
桃)だからってそんなビンタしなくてもぉ…
赤)う、うるさい!!
桃)りうらも叫んでるじゃん…
ほっぺ痛いぃ…と、片手でさするないくん。
赤)…ごめん、痛かった?
ないくんを置いてさっさと歩いて行こうとしたけれど。さっきビンタしてしまった罪悪感が襲ってきて、ないくんを振り返る。
桃)痛かった
赤)ぅ…それはごめん…
桃)ねぇりうら、
桃)俺とデートしてくれるならビンタしたこと許してあげてもいーよ?
赤)、、はぁ?
赤)…ないくん、もしかしてりうらのことはめたんじゃ
桃)あー!りうらに引っ叩かれたほっぺた痛いなー!!ないこ悲しーなー!!
赤)っ…!
赤)年下相手に汚い手使いやがってッ…
桃)…俺とデートすんの、嫌なの?
車道側を歩いてくれていたないくんが、りうらの後ろの壁に手をつく。さらっといつも車道側に回ってくれんのイケメンかよ。
りうらより背の高いないくんの影が掛かって、心臓がばくんと跳ねた。
耳元に口を寄せられて、甘い声で囁かれる。
桃)いーっぱい、俺と楽しいことしよ?
桃)ね、りうら?♡
赤)んなッ…!?
妙に含みのある言い方をする彼。
今まで恋人として行ってきた行為が一気に蘇ってきて、ぶわ、と頰が熱くなる。
桃)ふ、あははっw顔真っ赤、w
赤)あ、あ、赤くないし!!
彼を突き飛ばし、深呼吸をする。
取り敢えずこの熱くなった顔を冷ましたい。
赤)…い、行ってあげてもいいけど
桃)ん?デート?
赤)ッ、そうだよ!デートだよ!!
赤)りうらも別にその、嫌じゃない、し…
桃)…りうらぁ…!
嬉しそうなないくんの声。今にも抱きついてこんばかりのその輝きに、慌てて彼を急かす。
赤)もう!いいから帰るよ!!
桃)あっ!?待ってよりうらー!!
桃)………
赤)…ちょっと、なんか言ってよ…
桃)いや、ごめん、ちょっと…
無理かも、と片手で顔を覆うないくん。
細い指から覗く頬は、ほんのり赤く染まっていて。白い指と赤い頰が、薄暗い夏の夜に良く映えていた。
赤)なんでだよ、浴衣着てって言ったのそっいじゃん…
赤)てかさっきお互い着付けしあったよね?なんでそんな顔赤いの?
さっきまで必死にお互い浴衣を着せ合っていたというのに。いざ着付けが終わって浴衣姿を見せれば、顔を手で隠してしまったないくん。
なんか、損じゃん。
赤)…せっかく褒めてもらえると思ったのに…
髪も綺麗に整えて、お気に入りのピンで前髪を止めて。唇にリップを塗って、結構気合い入れたのに…。
桃)いや、ちょっっと、待ってね…
ようやく顔が見えたかと思えば、キョロキョロ辺りを見回した。何してんの、と口を開きかけた途端。
大好きなないくんの匂いがした。
赤)…ッ!?
桃)~~~ッもうほんっと、りうら可愛すぎ…
桃)可愛すぎる、俺の彼女世界一だろ
桃)準備頑張ってくれたんだよね、浴衣最高に似合ってるよ。いっぱい俺に可愛いとこ見せて
赤)ッぁ、え、ちょっ
赤)ここ外、外だからっ…!
桃)大丈夫
食い気味にないくんが答える。声が近くて、頭に響いて、頭に流し込まれるような褒め言葉に脳が酔う。
赤)…今日のりうら、好き?
桃)当たり前じゃん
桃)毎日毎分毎秒りうらのこと好きだけど、浴衣はやばい。破壊力が違う。まじで可愛いよりうら
体を離し、真顔でマジレスするないくん。褒めて欲しいとは思っていたけど、ここまで言ってくれると思ってなかった。
最初はびっくりしていたのが、だんだん喜びに変わる。
赤)っふ、あははっ w
赤)ないくん必死すぎwりうらが浴衣似合うのは当たり前でしょ?
桃)そりゃーそうですけど…
あーもう可愛い、と限界オタクのように頭を抱えるないくん。せっかくセットしてたのに崩れそうで、少し嫌だった。
ないくん、と名前を呼びながら桃色の柔らかそうな髪に手を伸ばす。
赤)髪崩れちゃうよ、せっかく、その、か…
赤)…似合ってるのに
桃)ん…俺似合ってる?
赤)うん
桃)ないこかっこいい?
赤)か……かっこ、いいよ。りうら、ないくんの浴衣姿好き。
桃)……
うわ、うわわわわ。
何これ何これ、思ってた以上に恥ずかしいんだけど。え、あれ、ないくんと話すのこんな緊張するっけ?
ちら、とないくんの顔を見てみる。
赤)ッ!?
桃)ッ、!!
な、ないくんてこんなかっこよかったっけ。
浴衣のせいかは分からないけど、いつもの10割り増しでかっこいい。顔整いすぎだよりうらの彼氏。
赤)ッりうら屋台食べたい!!
赤)行くよ、ないくん!
桃)え、あ、はいっ!
綺麗にネイルが施された手を引っ掴んで、引っ張る。恥ずかしくて、心臓が爆発しそうだった。
赤)ないくん!かき氷!
赤)あ、あれなに!?と…トルネードポテト、?
赤)ないくーん!トルネードしてるー!
周りの雑音に掻き消されないよう、大きな声ではしゃぐりうら。ちゃんと、いちいち俺に報告してくるのが可愛い。
カラカラ下駄を鳴らしながら歩く姿が可愛くて、スマホのシャッターを切る指が止まらない。
赤)ねぇないくん、ないくんは何味にすんの?
かき氷屋さんの列に並びながらそう尋ねてきたりうら。そんなの、彼女の色に決まってるじゃん。
桃)イチゴかな
赤)あ!りうらと一緒!
赤)…ねぇ、それってさ
赤)りうらの色だから、とかだったり…する?
上目遣いでこちらを見上げる彼女。いや顔強。
桃)ふふwなーんだ、自分で分かってんじゃん
いつもより素直なりうらに意地悪したくて、敢えて問いには答えず泳がせてみる。
眉を下げて少し頰を膨らませるりうら。それがおかしくて、笑いながら頰をつついた。
桃)ごめんって、ほら、次だよ。りうらは決めたの?
赤)…りうらはねぇ、
と、そこで前の人が退いた。先の言葉を聞けないまま、りうらが一歩前へ踏み出す。
赤)イチゴ味ふたつください
はいよー!と元気に告げ、勢いよく氷を削り出す屋台のおっちゃん。やっぱりりうらもイチゴ味なんだ、と思いつつ、支払いを済ませた。
赤)あの、すみません
赤)片方だけ、練乳かけてもらってもいいですか?
桃)え、りうら練乳とかかけるタイプだっけ?
赤)今日は気分なの!!
快く受け入れてくれたおっちゃんが、赤いシロップの上から真っ白の練乳をかける。
…いや、別にえろいこととか考えてませんけど??ただ赤を見て「あー、りうらだなー」と思って、白を見て「精◯やん」って思っちゃっただけだから。
ないこも男の子なんだよ、仕方ないね。
かき氷を受け取り、列から離れる。手に伝わるひんやりとした感覚が気持ち良かった。
赤)…ないくん、実はね
桃)ん?
赤)さっき練乳かけたの気分って、それ、嘘で
赤)ちょっと見てて、ないくん
しゃくしゃく、とかき氷を軽く上から慣らすりうら。先ほどまで赤と白が馴染んでなかったのが、少しずつ馴染んでいく。
桃)…ピンク?
そこに現れたのは、華やかなピンク色だった。
こくりと頷くりうらを見て、抱き締めたい衝動に駆られる。
桃)…ッなにそれ、
桃)俺の色だから、わざわざそうしたの??
赤)…ん
桃)~~~ッかわいすぎだろ…!!!
かわいい、最高にかわいいわ俺の彼女。今すぐ周りに自慢したくなって、それを抑えるために顔を隠す。
赤)ねぇっ、すぐ顔隠すの禁止!
桃)ぁえ、
赤)そっちがデート誘ってきたんだから、ちゃんと楽しまないと許さない!
桃)…っは、はい…
彼女が好きすぎて、困ります。
桃)この匂いは…焼きそば!?
桃)あっ、あっちだ!
桃)りうら!俺焼きそば食べてもいい?
赤)いいよ、どこでも何でも食べて。
桃)よっしゃ!並ぼっ、りうら!
ウキウキしながら焼きそばの列へりうらの手を引く彼。心なしか彼の桃髪もふわふわと揺れていて、楽しそうだ。
列に並んでる間はたくさん喋って、買って、食べて。また話しながら歩いて、食べたいものを見つける。
ずっとそのルーティーン。
ないくんは人より胃のキャパが大きいから、まじでずっと食べてる。こんなほっそい体のどこに入ってんの?って感じ。
赤)あ、
赤)ないくん!
桃)んむ、なふぁ…ッぐ、!
赤)あぁもう馬鹿!口詰め込みすぎ!加減しろ!
桃)ん、ッげほ、はーーッ…死ぬかと思ったw
赤)「w」じゃねーんだよ!死なれたら困るからやめて!
桃)はぁい、
桃)で、なんか食べたいもんあった?
赤)っ…
一見食べることに夢中かと思いきや、ちゃんとりうらのことも見てくれてるの。ほんと好きだなぁって思う。思わず胸がきゅぅっとした。
赤)…花火、もうすぐで始まりそうだから、りんご飴食べたい
桃)お、いいじゃんりんご飴
桃)花火見に人移動しだしたからちょっと空いたね、今のうちに行こっか
はい、と差し出されるないくんの手。突然のことにびっくりして、手のひらをとないくんを交互に見る。
え、え、これは、握れってこと?
桃)?ほらりうら、手繋ご?
赤)…えっ!?
赤)で、でもっ、ここ外だし、人いっぱい…
桃)もー、そんなの気にしないの
桃)人空いたし、せっかくのデート楽しむんでしょ?
赤)っ…
赤)ん…し、仕方ないなぁ…
あくまで手を繋ぎたがったのはないくんで、りうらはそれに付き合ってあげただけ。そういう雰囲気を出しつつ、差し出された手を握る。
ふわっと目を細めたないくんがりうらの手を握り返してきて、軽く引っ張られる。
桃)おいで、りうら
実はりうらも繋ぎたがったなんて、実は繋げて嬉しかったなんて。
赤)…絶対いわないけどね、
桃)ん?なんか言った?
赤)なんでもなーい
赤)ねぇないくん、そろそろ花火始まるけど…行かないの?
カラカラ下駄を鳴らしながら首を傾げるりうら。真っ赤なりんご飴を手に持った浴衣姿のりうらは、それはもう絵になる絵になる。
浴衣の人は周りにも沢山いたけど、正直りうら以外あまり目に入らなかった。
桃)だって人が沢山いたら静かに見れないじゃん
桃)それにりうら、前に人いたら花火見えないんじゃ
赤)誰が小さいって????
桃)…ごめんじゃん、
今にも拳が飛んできそうなりうらを諌め、かわいい手を引いて歩く。随分空きはしたものの、人の流れはやっぱり多い。
絶対離れない様に手を強く握って、人の流れに逆らって、ある場所へ歩く。
赤)ねぇないくん、ほんとにこっちであってる?
桃)大丈夫だから。俺についてきて
不安そうなりうらを安心させる様に優しく声を掛ける。それからまた少し歩くと、人気のない開けた場所へ辿り着いた。
赤)…わ、なに、ここ…
桃)すごいでしょ?人居ないし、高い木も少ない
桃)ここからだったら花火見えるよ
赤)…え、ないくんこんな穴場とか知ってたの!?
桃)んー、うん…まぁね
本当は嘘なんだけど。
りうらと2人きりの時間を邪魔されたくなくて、必死に調べた。
桃)…絶対言わないけどね…
赤)あ、ねぇ、あそこって近付いていいの?
りうらが指を指したのは、古く小さな神社のようなもの。小さい賽銭箱の前に、何段か階段がある。
暗いのも相まって厳かな雰囲気を醸し出すそれは、確かに近付いていいのか不思議な感じがした。
桃)んー…お賽銭入れて座らせてもらおっか、足疲れたでしょ?
赤)えへ、バレてた?
桃)慣れない下駄で歩いてたら誰だって疲れるよ。俺も疲れたもん
桃)ここ砂利だけど大丈夫?ぐらぐらするよね
赤)…な、ないくんと手繋いでるから、大丈夫
桃)…え、
初めて聞くような声に、驚いてりうらの方を振り向く。と、上目遣いでこちらを見つめるりうら。頰が赤くて、心なしか目が潤んでいる。
桃)…っ、なんか…すっげー嬉しい…
桃)早く座ろ、落ち着いて話したい
赤)ッう、うん…
ばくばくと鳴り止まない心臓のまま、お賽銭をりうらと共に賽銭箱へ入れる。手を合わせて、階段に腰を下ろした。
あまりに緊張し過ぎて、うまく言葉が出てこない。
話せ、話さないと。せっかくのデートなのに。
桃)…り、りうらっ…
どおん、とそこで大きな音が鳴った。俺もりうらも、驚いて音の鳴った方を見る。
パラパラと、花火が散っていく様子が目に入り、かと思いきや次々と花火が上がる。
赤)すっげー!ないくん、ここめーっちゃ綺麗に見える!!
子供のような笑みをこちらに向け、再び花火に視線を戻すりうら。
暗闇の中、花火の明かりに照らされる横顔が、ものすごく綺麗で。綺麗だね、って笑う、あどけない笑顔が愛おしい。
それと同時に、”りうら”という存在がすごく儚い気がした。大好きなりうら。世界で1番大切な彼女。可愛い弟。なんでも出来る生意気なやつ。俺にとってりうらは様々な存在だけど、今この瞬間は『ないこの彼女』として隣にいるんだなって。
もしかしたら、そうじゃない未来もあったのかな、なんて考えてしまう。
…いや、辞めよう。今はりうらとの瞬間を楽しむべきだ。
桃)…花火よりりうらの方が綺麗だよ
赤)……
赤)ぇ、っ…?
花火が途切れたタイミングで、りうらの手を握り、耳元でそう囁く。
戸惑ったような、驚いたような顔。
その顔が徐々に赤くなっていく。
桃)ふふ、か、わ、い、い、ね
声が掻き消されてもわかるように、口をぱくぱくと動かす。すると、「う、る、さ、い」と返ってきた悪口。顔を赤らめて言い返してくるりうらが可愛い。愛おしい。
顔を赤くした彼の顎を掬い、りんご飴で赤くなった唇を奪う。恋人として来た初めての夏祭り。暗い中交わしたキスは、甘い果実の味がした。
桃)好きだよ、りうら
今度は口パクも無しにただぼそっと呟く。りうらも、俺のこと好きでいてくれてるかな。
赤)…来年も一緒に来ようね、ないくん
赤)だいすき
コメント
4件
参加ありがとうございます😽︎💞 桃さんがいつも車道側にまわる、という優しさににやけが止まらなかったですꉂ 🤭 次いで赤さんが、練乳かけてピンクにした、という構成が神すぎて😭😭 最高でした👍🏻🤍 素敵な作品をありがとうございます.ᐟ.ᐟ.ᐟ
きゃー!こういうのを神作品と言うんですね✨