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放課後の準備室カーテンが閉まった窓から、淡い西日が差し込んでいた。
「……ふぅ、やっと終わった」
Wは首にかけたタオルで汗を拭いながら、ため息をつく。
今日も授業と部活指導で、汗だくになった一日。
けれど、その横顔を見ていたDはそんなWを一言で片づけた。
「かっこよすぎて惚れ直した」
「……は?」
「俺の恋人が最高にイケてる体育教師で、今日も汗かきながら生徒守ってて、ついでに超絶エロいとか……詰んでるでしょ人生」
「うるせえ、誰がエロいだ。あと詰んでるのはお前の語彙力な」
いつもの言い合い、けれど、Dの目には冗談じゃない色が宿っている。
「……なあ、こっち来て?」
Wが振り向く間もなく、Dが手を伸ばす。
汗のついたジャージの袖ごと引き寄せられ、背中が壁に当たる。
「ばッ///……お前、何して……ッ////」
「……好きな人に触れたくなっただけ、だめ?」
Dの指がWの頬に触れる。
柔らかく、熱がこもっていて、拒む理由がもうない。
「……誰か来たらどうすんだよッ///」
「鍵、閉めた。……お前とキスする時くらいちゃんと考えてる」
「……ッ////」
DはWの目をじっと見つめたまま、ゆっくりと顔を寄せる。
そして、触れるだけの軽いキス。唇の温度を確かめるように。
そして、もう一度。
「……なに今の」
「一回目は“会えて嬉しい”のキス。二回目は“好き”のキス。……三回目は、“今日もかっこよかった”のキス、していい?」
「……もうッ好きにしろよ////」
そうつぶやくWの耳はほんのり赤い。
Dはそれを見逃さず、そっとキスを落とした。
そして、ふたりの間に生まれたのは───
やっとたどり着いた“当たり前にキスを交わせる関係”