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放課後の校舎人気のない男子トイレ。3階奥の個室。
錠が静かにかかる音と、誰かの息づかいがこだまする。
「……D、ほんとにここでやる気?」
「じゃあやめるか?」
低く囁いたのはD。
そのくせ手は離さない。スーツの裾を指先でなぞるように撫で、わざとらしく密着してくる。
「……ったく、お前は……」
文句を言いながらも、Wの声はかすれていた。
DはWの胸元に額を当てるようにして、ふっと笑った。
「いつも真面目なくせに、こういうとこだと声、我慢できなくなるよね?」
「……ばッ////言うな……ッ////」
キスは軽い。
でもその手つきは執拗で、ふくらはぎの裏をなぞるようにして確実に崩しにかかってくる。
Wは壁に手をつき、必死で息を殺した。
「……ッ♡んッ……ばかッ、誰か来たら……ッ♡」
「大丈夫放課後のトイレなんて、今はもう誰もいない。……でも、W先生の声が響くとヤバいかもね??」
耳元でささやかれ、Wは肩を震わせる。
「……声、出させたいのか……?」
「んーどっちでも??……出しちゃったら、俺が塞いでやるだけだし?」
その言葉通り次の瞬間、Wの唇はDの手で塞がれた。
やわらかく、でも逃げられないくらいの強さで。
個室の中で、空気が少しだけ濡れた。
「……好きだよ、W。
俺、こんなとこでも触れたくなるくらいで、病気みたいに好き」
甘く、狂気じみた言葉。
それに対するWの返事は、唇越しの熱で返される。
Wがつぶやく。
返事はなく、代わりにDの指がゆっくりとWの首筋をなぞる。
「見たよ??今日の授業中の顔。……ちょっと俺のこと、意識してただろ」
「ッ♡……してねぇ……ッ///」
「嘘♡耳、真っ赤だった♡
ああいうの見たら、……俺抑えられなくなるんだって」
背後から押しつけられる体温。
制服の布越しに感じる吐息が、じわりと背中を焦がす。
Wは壁に手をついたまま、逃げられずにいる。
「なぁ、W先生……誰か来たらどーしよっか♡
声、出すなよ? ばれたら……俺ら終わりだぜ?」
「分かってるッ……けどッ♡……お゛ッ♡……Dのッばか、ッ♡……そんな、奥……ッ♡」
返事代わりに、Dの手がシャツの中にすべり込む。
指先が肌をなぞるたびに、ビクリとWの喉が震えた。
「……かわいい……♡ほんと、いつも強がってるくせに……こういうとき、すぐとろけるよな」
「……ッだ、まれッ……♡」
熱に浮かされたようにDはWの首筋に舌を這わせる。
じゅっと湿った音が響いた瞬間、Wの膝がわずかに崩れた。
「……ねぇ♡声出すなって言ったのに。聞こえちゃうよ?」
Dがわざとらしく囁く。
「……じゃあッ……黙らせてみろよ……ッ♡」
挑むように振り向いたWの目を見て、Dがにやりと笑った。
「───はいはい、じゃあ……遠慮なく、いただきます」
唇が重なった瞬間、個室の空気が一気に熱を帯びる。
息を吸うたび、相手の匂いしか入ってこない。
スーツのボタンが乱れ、ズボンのベルトが鳴る音さえ、ふたりの息に掻き消されていく。
「……WW、震えてるよ??……声、我慢してんの?」
「……ッ♡、やかまし……ッ……ぉ゛ッ♡」
個室という密室、そして背徳感がふたりをさらに高ぶらせる。
限界まで抑えられた声、触れ合う布の摩擦、溶け合う温度。
「……好きだよ、WW。もう壊していい??♡」
「……ッ♡勝手にしろよッ……責任、取れよ……ッ♡」
そう囁いたWの声が、あまりに素直で───
Dはそのまま、Wの唇をもう一度、深く奪った。