「おれ好きだよ、__のことっ」
「あ、ほら__!これみてよ!可愛くないっ!?」
「俺ね、__がなにかあったら絶対助けるから!」
「んふっ、約束ね!」
頭の中で再生される甘い声。きっと彼は俺の恋人なんだろうな。
「……__が記憶失くしたって俺はずっと好きでいるからね。」
「大丈夫。また来るからねっ!」
……俺は大事な記憶を無くしてるのかな。
忘れちゃダメな、大切な人。
「……んふ、忘れていいんだよ…?」
「……嫌だよ、なんで…」
「また、思い出してほしいな…んふふっ…」
〜
「っ、!」
ジリジリとなるアラームを止めて、時計を見る。
時刻は6:15。いつも通り起きれた。
夢の中の人、一体誰だったんだろう。
顔洗って、歯磨いて、髪の毛をセットして…ご飯食べながらその事を考える。
「…翔太!時間だよ〜!」
「え、!?」
「ほら、早くしなきゃ電車間に合わないよ!」
「んなのわかってんだっつーの!」
「もう、はいお弁当。」
「さんきゅ!いってきまーすっ!」
やべ、ボーッとしすぎた。
電車まで5分くらいしかねぇ、!
〜
「……間に合った…」
何とか電車に乗れた…よかったぁ…。
でも中には人がぎっしり。俗に言う満員電車だ。
……さっきから触られてんだよなぁ…。まじ最悪。
「……っ!」
こいっつ…典型的な痴漢じゃねぇか、!
今すぐにでも手を掴んで大声で言いたい。このオッサン痴漢働きました〜!って。
だけど勘違いとかだったら嫌だし…
「……おっさん。みっともないよ。」
「………は?」
「んふっ…若い高校生に痴漢してるのだっさ〜!」
「!?」
突然男の人がおっさんの手を掴んで言った。
あの男の人の声、夢に出てきた人にそっくりだな…
「…君もさ、痴漢されてるなら大声言っちゃえばいいのに。遠慮してたら何されるかわかんないよ?」
「あ、はい……あ、あの」
「ん?」
「……俺、あなたとどこかで出逢ってましたか?」
「っ…なんでそう思ったの?」
「夢の中で俺に喋ってくれた人と声がそっくりなんです。」
「…そっか。」
「…その制服、俺と一緒の高校ですよね…?」
「あ、うん。そうだよ」
「良かったら一緒に行きませんか…?」
「お、おう…いいよ」
俺、きっとこの人とどこかで知り合ってるはずだ。
なんだろう、モヤモヤするな…
next…
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