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💛「あれ、蓮とラウールじゃん」
💙「なにそんなニヤニヤしてんの?笑笑」
向こうから、手を振りながら歩いて来たのは、お揃いのサングラスを掛けた照兄さんと翔太兄さんだった。どうして笑っているのか聞かれたけど、そう言う二人も幸せそうな笑顔でいる。
💙「なー蓮。一緒にあっち行かね?」
🖤「えー。俺にはラウールが…」
💛「なんか知らん内に両思いじゃん。良かったな」
🤍「ちょっ!?!ひー兄!やめて!!?」
💛「あーごめんごめん(笑)」
満更でもない顔で照兄さんが、ラウールを悪戯っぽくからかった。末っ子は顔を紅潮させて兄さんの肩をぽかぽか叩いた。
💛「じゃー4人で行こうな」
照兄さんの顔は意地悪っぽい笑顔から、ふにゃっとした可愛い笑顔に変わった。
🖤「どこ行く?」
💙「行きたいとこは行ったから、どこでも」
さっき翔太兄さんは、俺と何処か行きたいとか言ってた癖に、目的地は無いのか?と俺は呆れて肩を落とした。
🤍「お化け屋敷行こーよぉ」
💛「ショッピングモールにお化け屋敷なんかねぇよ…」
🤍「え?先月新しくできたんだよ?ひー兄がだーい好きなお化け屋敷。知らないのぉ?」
今度はラウールが意地悪な笑顔になった。照兄さんは動揺が隠しきれないようで、いつもの余裕な雰囲気が見えない。
💛「は?いや、別に怖くねぇし…💦」
🤍「焦ってんじゃーん!行こ行こ!」
💙「え?俺も…?」
知らん顔で居た翔太兄ちゃんも、自分も行くとなると急に焦り始めた。
俺はお化け屋敷に入った事が無い。ふたりがこんなに怖がる程の物なのかな?
少し俺も緊張しながら、お化け屋敷へ足を進めた。
「日本で一番恐いお化け屋敷」などと、脅し文句の書いてある看板に、ふたりは完全に怖がってしまっている。
💛「早く…入ろーぜ」
なんとか虚勢を張る照兄さんの背中に、翔太兄ちゃんが隠れている。二人とも早く終わらせたい様子なので暖簾を上げて中を伺う。
🤍「ふひひひっ!楽しみ~!兄ちゃんたち、どーなるかな~♪」
二人とはうってかわってご機嫌なラウールに、少し恐怖心を抱きながら中に入った。
👻「ばぁぁぁぁ!」
💛💙「ぎゃぁわぁぁぁぁ!?」
🖤🤍「うわっっ!」
いきなり脅かしてきたお化けに、兄二人が俺達弟の後ろにしがみついた。照兄さんは俺の背中に、翔太兄ちゃんはラウールの背中に抱き付いて離れない。
🖤「このまま行こっか…」
🤍「翔兄、重いんだけど」
俺も少し怯えながら、懐中電灯で辺りを照らす。
すると、照兄さんの後ろからゾンビが出て来た。
🧟「うがぁぁぉ!」
💛「うわぁぁぁ!!」
💙「ひいぃぃぃぃ!」
照兄さんは驚愕して一人で走っていきそうになるので、か弱く見える兄をゾンビから守ろうと、思わず俺は後ろに匿った。
🖤「照兄さん!俺から離れないでね!」
💛「う、うん(泣)」
🤍「ほーら翔兄♡泣かないで?大丈夫だよ~」
💙「グスッ、らう、こわい…」
二人の反応を楽しむようにラウールは笑っている。
結局、二人は終始叫びながらおばけ屋敷を回った。
俺にとっては、あまり泣くほど恐いとは思えなかったが、暗闇でずっと泣きじゃくる二人を宥めていたので、随分と疲れてしまった。
おばけ屋敷を充分に楽しんだ様子のラウールを除いては、みんな完全に疲れきってしまったようだ。
ラウールに飲み物を買ってきてもらい、みんなでベンチに座って、なんとか気分を落ち着かせた。
💛「はぁ…」
💙「俺、もう二度と行かないから」
🤍「え?何でー?!また来ようよ!」
🖤「この二人と行くのはもうやめたほうがいいと思うよ…」
怖がりな二人の気持ちを理解出来ない様子のラウールが、きょとんとしている。
もうすぐ約束の3時になるので、俺達は集合場所へ重くなった足を進めることにした。
次回に続きます!