約千年前のあの日、彼は拉致され、実験体となった。そこで出会ったのが八繋瑶泉。その頃、吸血鬼という怪物が実在するということが判明し、機密に正体の分からないそれに対抗するための”人造吸血鬼”を創る研究がされていた。それの実験体第一号である彼らは、拉致されてすぐに仲良くなった。人造吸血鬼への改造の研究は終了し、次の段階に移ろうとした。それは、「人造吸血鬼を殺す物質の投与」。実験体は増やされており、その第一号の彼らは、用済みとして、殺す実験に移行する、はずだったが、それを実験体第六号の吸血鬼が聞いてしまい、それをシーデッドと瑶泉に報告。作戦は急いで練られ、実験体は全て研究施設からの脱出に成功。しかし、そのほとんどは脱出した後、逃走中に見つかり、殺された。
シーデッドと瑶泉は逃げ延び、十キロ離れた川の近くまで来ていた。そこで彼らを発見し、シーデッドと瑶泉にあの弾丸を使用したのが、零連村樹洛。実験済みで、実用化されたばかりの、入手しにくい一品だ。吸血鬼が頭を撃たれれば、10分後に脳を破壊し始め、約20分後に死ぬ。自分で修復は出来ない。ちなみに、1時間で効果は消えるが、その頃にはとっくに死んでいる。零連は死ぬのを確認せず、すぐにその場を立ち去った。シーデッドは、瑶泉も、外部へのエネルギーの流し方を理解していた。それが役に立った。シーデッドは、瑶泉の撃たれたところに手をあて、エネルギーを流し続け、崩壊を抑えようとした。これは正解で、内部からのエネルギーで崩壊を抑えようとしても意味が無いが、外部からのエネルギーはOKなのだ。デッドが力をほとんど使い果たし、気絶した時…
瑶泉は目を覚まし、デッドが何をしているか理解した。そして、シーデッドの頭の傷口に手をあてた。これにより、2人の体合わせてのエネルギー循環が完成し、片方がもう片方にエネルギーを流し、外部からのエネルギーで傷口を修復。これを続けることにより、彼らは生き延びた。そして、色々なところに潜入し、吸血鬼についての知識を集めた。そして、アスモデウスの五能力が人造にも宿ることを知った。アスモデウスの力は、アスモデウス、彼女の亡くなったあとの魂自身が気に入ったものに力を授けると言う。2人はその力を宿し、逃亡のため、そして、いつか現れる残りの三能力を探し、この先暗いであろう天然・人造吸血鬼の未来を切り拓く為、世界を旅した。楽しかった。帰国して蒼と出会い、匿って貰ったりもした。そうして時が過ぎ、今に至った。