『四角関係なんて好きじゃない』〜この気持ちに嘘はつけない〜
第13頁 自分の気持ちに素直に。
今日は土曜日。バスティンとのデートだけど
お互い部活があるので夕方から夜にかけてのデートになった。
朝の8時〜16時の間が部活。その後デートになる。
華道部にて。
『…では、今日はこの花を使って生け花を…。』
『花澄部長ー!!』
ガラッ!
『ど、どうしたの?』
『大変なんです!白猫学園の生徒会が!』
『白猫学園…?ライバル校の?』
『なぜそんな方が我々の学園に?』
『とにかく行こう、ユーハン!』
校門前。
『下々に用はないですわ。私達用があるのは
この学園の2年生。花澄という女性だけ。』
『さぁ、会長。こちらです。』
『あぁ。』
『あ、勝手に入らないで下さい!』
『お黙りなさい。この方を誰と心得て?』
『紬会長は生徒会長兼我々和を極める会の会長でもあるのよ。コンクールではいつも…』
『おや、あれがもしや…。』
私は人だかりの前に立つ。
『私が花澄ですが、なにか御用ですか?』
『これはこれは…。自ら来てくれるとは光栄です。俺の永遠のライバル。花澄。』
『…何の用ですか?我が学園に。』
『決まってるだろう。君を潰しに来た。』
『!』
『我々生徒会兼和を極める会は君の存在が気に食わない。』
『私が?』
『ここにいるものは君に負かされたものばかりだ。』
『負かされた、ですか。』
『生徒会書記の乃花。
小学3年生の時にかるたで君に負かされた子だ。』
『貴方の名前はずっと忘れなかったわ。でも今日こそあなたを叩き潰せるわ。』
『生徒会会計の道重。
中学1年生の時に将棋で君に負かされた子だ。』
『あの時の悔しさ昨日のように覚えている。』
『生徒会広報の彌生。
中学2年生の時に君に囲碁で負かされた子だ。』
『私、ずっと貴方と対戦したかったんですよ?ふふっ。やっと楽しめます。』
『生徒会副会長の綾子。
中学3年の時君に弓道で負かされた子だよ。』
『あの時の涙は忘れられませんわ。
貴方に負けるのはあれで最後です。』
『そして、俺…生徒会長であり和を極める者の会の会長。紬は華道で今現在君に負けている。コンクールは全部君に持ってかれる。だが…それも今日で終わりだ。 』
『私達は貴方を負かしに来たんですの。』
『私を負かしにですか。すみませんが
私は下位の人は目に入らないんです。
その時の私は1位を取ることしか頭になかったので。』
『……。』
『花澄部長!そんな相手を煽るような…』
『…ここまで申しあげて申し訳ないのですが
私はもう和の世界の闘いからは退いた身。華道なら今も嗜んでますがその他はもう昔のこと。今では腕も鈍っています。相手にならないかと。』
『そうか…逃げるんだな。あの時のように。君がこの世界から去って俺たちは金賞やコンクールに入賞できた。だがな。そんなの俺たちからしたら譲ってやったとしか受け取れない。』
『……。』
『だから、君を直接任さないと意味が無いんだ。受けろ。花澄。』
『…。』
私は話を聞かず学園に戻ろうとする。
『そうか、それなら仕方ない。
君の学園にある弓道部。かるた部。囲碁部。将棋部。華道部に我々が行って道場破りでもするしかないな。』
『!!』
『そんな、花澄さんがいない弓道部に道場破りなんてこられたら確実に負けちゃうよ…っ。』
『かるた部だってそうよ、花澄さんより強い人なんて……。』
『っ…脅しをかけるなんて汚いですね。』
『なんとでも言え。君が勝負を受けないなら強制執行だ。』
『……。』
私はぎゅっと拳を握り締める。
騒ぎを聞きつけたみんなが門に集まる。
『なんだあいつら?』
『白猫学園がなんでうちに?』
『花澄さん…。』
(きっと、悩んでいるんだな。
その勝負を受けたらまた自分が誰かに…。
でも俺は花澄さんの気持ちを尊重したい。)
俺は花澄さんの隣に行く。
『バスティン!?』
『花澄さん。』
『バスティン…。』
『学園のためとか考えなくていい。
自分の気持ちに素直になってくれ。』
『…っ!』
『俺は花澄さんの笑ってる顔が好きだ。
だから……。やりたいことをやってくれ。』
『バスティン…っ。』
私は白猫学園に向き直る。
『その勝負…お受けします。
但し、もし私が勝てば…。もう二度と学園には手を出さないと約束してください。』
『あぁ。いいだろう。』
次回
番外編 『あくねこ学園VS白猫学園』前編
コメント
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主ちゃん頑張れぇえええ! 僕全力で応援する! てか主ちゃん全部強いやん最強かよ!