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悟視点
今日は恵と出かける日でウキウキしていた。
「なんの服着ようかな〜」
服を着替え、朝ご飯を食べ終わり恵に
「今から行くね」
と、連絡を入れた。
待ち合わせ場所に行くと恵がいた。
「待った?」
『全然待ってません。』
「そっか、じゃあ行こっ!」
『はい。ところでどこに行くんですか?』
「えっと、クレープ屋に行こうかなって」
『クレープ…ですか。楽しみです。』
「よかった〜!ほら、こっちだから早く行こ!」
「何食べたい?僕はチョコにしよっかな〜」
『じゃあ、いちごで。』
「OK!すみませーん!いちごとチョコ一つずつ!」
『(^^)』
「席に座ろ!」
店員さんはお待たせしましたと言って僕達の前にクレープを出した。
「いただきまーす!」
『いただきます』
「モグモグ…」
『…』
「いちご美味しい?」
『…(コクリ」
「一口ちょーだい?」
『…一口だけですよ。』
「…!美味しい!」
『…お、俺にも一口ください…』
「はい、どーぞ!」
『…✨️美味しい✨️』
「でしょ!?」
クレープを食べ終え店をで、近くの公園に寄った。
「ちょっとお手洗いに行ってくるね〜!」
『はい。』
それがちゃんと話せていた最後の言葉だった。
こんなことになるとは思わなかった。
お手洗いを済ませ、戻って来るとそこには横転したトラックと倒れている恵の姿があった。
「恵!」
僕は恵のそばに寄った。
『…!』
恵は口をパクパクとさせるが声は出ない。
「きゅ、救急車!」
救急車に運ばれて2日たった。
恵は少ししか話せない。
「恵。お見舞いに来たよ。花、置いとくね。」
『ご、五条…さん、あ、りがと、うございま、す』
途切れ途切れになりながらも恵はお礼を言った。
「早く元気になってね。」
そんな事を言ったが、僕は恵の余命を知っていた。
1週間程度しか生きられないということを。
「僕、ちょっと用事があるからまた…明日来るね」
『わ、かりま、した』
「じゃ、」
次の日、恵は普通に少し喋れるようになった。
『ご、五条さんもしかしたら早めに死んじゃうかもしれないので、今最初で最期の愛の言葉を贈ります。』
「そ、そんな事言わないでよ。聞いてあげるけど、」
『俺、五条さんといることが生きている中で一番楽しかったです。お泊りとか、この前だってクレープ食べに行ったのも楽しかったです。…五条さん、愛してます。』
これが本当に最後の言葉になるとは思わなかった。
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3日後、用事が早めに終わったので恵のお見舞いに行こうとしていた。
すると、病院から電話がかかってきた。
「はい。五条です。」
内容は、
現在、恵さんが死亡しました。出来ればですが、今から来て頂けますか?
だった。
信じられなかった。
僕は急いで病院に向かった。
そこには息をしてない恵がいた。
「恵?恵!起きて…!まだ僕から愛してるなんて言ってないから…っ!」
僕はそう言ったが恵は起きなかった。
葬式に出る気力すら出なかった。
恵が亡くなって一ヶ月後もまだ覚えている。
雨に濡れた配線のような点滴。
恵がいた煤けた病棟。
並んだ送電塔のような心電図。
夕暮れのバス停みたいな点滴棒。
血液の機能が停止して止まった観覧車のようだった。
机に咲くお見舞いの花。
2日たっても恵は少ししか話せなかった。
恵が亡くなって全て片付けられてしまい、何もかも最初からなかったみたいになってしまった病室。
思い出すだけで涙が止まらなくなる。
墓参りくらいは行かないといけないと思い、重い足を引きずるように外に出た。
墓に着くと僕は手入れをし、花を添えた。
「どんな世界も…恵がいるなら、生きていたいって…思えたんだよ…」
「僕の地獄で恵はいつでも…絶えず鼓動する心臓だ…」
「いつしか恵がくれたように…っ、僕も誰かの心臓になれたなら…っ!」
僕はそうつぶやき墓の前で泣いていると隣に恵が来たような気がした。
『五条さん、頑張って…俺の分も生きてくださいね。』
そう囁いて消えてった。
「…僕、頑張って恵の分まで生きるよ…!」