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それは、突然告げられた事実だった。
「昨日、Aさんが亡くなりました。
突然のことで戸惑うとは思いますが、皆で黙祷をしましょう」
教室がざわつき、やがて静まる。
Aさんと仲が良かった僕を含め、数人はその後、警察に事情を聞かれた。
どうやらAさんは海に転落し、自殺として処理されるらしい。
クラスでのAさんは、とても明るかった。
自殺なんてするような人には見えなかった。
けれど警察は言った。
「明るい人でも、ふと衝動的に命を絶つことはある」と。
その言葉を聞いて、僕は少しだけ安堵していた。
……なぜなら。
Aさんを殺したのは、僕だからだ。
あの日の夜。
僕とAさんはふざけて外に出た。
少し遊んで、すぐ帰るはずだった。
海の近くまで来たとき、
僕は軽い気持ちでAさんの背中を押した。
冗談のつもりだった。
Aさんは声も上げず、
――チャポン。
小さな音を立てて、闇の中へ落ちた。
波紋が広がる。
水面は静かに揺れ、やがて何事もなかったように落ち着いた。
Aさんは泳ぎが得意だった。
だから、すぐ浮かび上がってきて笑うのだと思った。
けれど、待っても待っても、浮かんでこなかった。
怖くなった僕は、その場から逃げた。
家へ帰った。
愚かな判断だった。
三日後、Aさんの遺体が沖で見つかった。
落ちたときに頭を強く打ち、気を失っていたらしい。
僕が、殺した。
悪ふざけでは済まされない行為。
Aさんの両親は泣いていた。
何度も何度も、自分たちを責めながら。
それでも僕は言い出せなかった。
「僕は悪くない」
「事故だ」
「わざとじゃない」
そんな言い訳を、心の中で繰り返していた。
――そんなわけ、ないのに。
五日後。
僕は、あの海へ行った。
水面は静かだった。
けれど、僕の足元だけが揺れている気がした。
震えているのは、水面か、それとも僕か。
僕は一歩、前へ踏み出す。
……チャポン。
水面は静かに揺れた。
それでいて、
どこまでも大きく。
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