[二口編]
「ただいまー」
軽く手を上げながら帰ってきた堅治。
リビングの明かりと、いい匂いにすぐ気づく。
「……なにこれ、待ってたん?」
🌸「うん!堅治の好きなやつ作った!」
「へぇ……」
にやぁっと嫌な笑み。
それなのに、耳がちょっと赤い。
「俺のために?
へぇ〜〜〜、そんなに俺のこと好きなの?」
煽ってくる。
でも嬉しいのがバレバレ。
食卓につき、さっそく口にする。
「……まあまあやな」
🌸「えっ!だめだった!?」
「冗談。めっちゃ美味い。
俺が惚れ直すレベル」
そっぽ向いて言うから余計に可愛い。
「なーんで俺の好きなもんわかったん?」
「ちゃんと覚えてるもん!」
「素直かよ。
泣かすで?」
口は悪いのに、
表情はゆるゆる。
食べ終わると立ち上がって、
すっと後ろから腕を回してくる。
「お前さ、
こんなんされたら俺がどんだけ嬉しいか知ってる?」
低めの声が耳に近い。
「他の奴に絶対すんなよ。
俺だけの特権やから」
煽りから一転、独占欲全開。
「ありがと。
帰ってこんな幸せとか、反則やろ」
首元にちゅっと一瞬だけキス。
「これからもずっと俺待っとけや。
……逃がす気ないから」
生意気に笑うけど
その腕は優しくて、離そうとしない。
コメント
1件
優勝や、にろがち大好き💕