テラーノベル
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「智さん デートしよ?」
付き合って1ヶ月
その日の気分次第で どちらかの家で 休みを過ごすようになった
今日は 俺の家
「し な い」
まるで自宅のようにくつろいで ソファで漫画を読んでる智さん
「もう!こないだから ずっとやん!」
何回 断られてるんだろ…
「だって 嫌だもん」
目線を漫画に向けて こちらを見ず 返事だけする
「まだ 拗ねてるんすか?こないだのデート」
「あれは 出かけただけだし…」
はぁ……もう!!
先日 智さんと初めてふたりで 出かけた時のこと
俺の実家の近くで 普通に生活圏 俺は 何を気にすることなく 歩いていた
智さんは 周りを気にして 距離をあけていた
もどかしかったけど 仕方ないなぁ…と思っていた矢先だった
「藍くん ですよね!?」
に始まり 女子大学生のグループに囲まれ 勝手に撮影会が始まった
ファンサするのは 嫌じゃないし できる限り答えたい
でも 今は プライベートの時間
「ごめん!智さ……」」
後ろを歩いていたともさんに振り向くと
あれ?いない
どこに行ったんだろ?
ファンの対応をそこそこにして 智さんを探す
「あ…いた」
智さんがいたのは 近くの和菓子屋さん
外の休憩スペースに なぜか 塁とお店の人と一緒に お団子とお茶で 和やかに雑談している
「何?なんで塁おるんよ!」
友達と出かけるて 言うてたのに なんで智さんと仲良く座ってんだよ
「たまたま 通りかかったら ファンサする藍の後ろに 山本さんが1人でいてはって とりあえずその場から離れた方が良いと思って ここに案内したんよ」
「うん 声かけられた時は びっくりしたけど おかげで助かった ありがとね」
「いや 全然!」
マジか…
俺…完全にやらかしたやん……
この和菓子屋さんは 俺が小さい時から通う店で 塁も良く知っている
親戚のように仲良くしている和菓子屋さんのおばちゃんがいて 当たり前みたいに一緒に智さんたちと会話をしている
「山本さん バレーしてはる時と違って かわいらしい方やね」
相変わらず コミュニケーション能力高いなぁ 智さんと打ち解けてる
「おばちゃん 山本さんにかわいいって…」
「いや ありがとうございます バレーの世界じゃ 小柄なんで良く言われます」
「藍くんが連れてきたい 言うてたんやけど こんな良い子なら はよ会いたかったわ!」
「藍 そんなこと言うてたん?」
「お店のお団子 美味しいっすね!」
智さんは ニコニコしながら お団子を食べてる
いや……だるいて……
雑談がひとまず終わり 俺と塁は店の外にいた
おばちゃんは 智さんが相当気に入ったらしく お土産を準備するからと 店内に戻り お店の入り口で待つ智さんに渡して おばちゃんがお辞儀する姿が見えた
次 来る時は おばちゃんにいじられるな…
そこから智さんは 一緒に行動することになった塁と話ばかりして 俺は相づち程度にしか 相手をされなかった
「だから ごめんなさい 言うてるやん!」
ソファの後ろにまわり 智さんをハグする
「俺 藍がファンサして ぼっちにされたことに 怒ってるんじゃないって 言ったよね?」
やっと 漫画を置いてこっちを向いてくれた
恋人を放置して ファンの女の子を優先した
だから
「嫉妬したんでしょ?」
「そ…それは…多少はあるけど…」
「智さん やっぱ大好き!」
背後から 首筋にキスする
「こら 最後まで聞けっ!」
頭をぺしっと叩かれる
「………はい」
「藍が ファンを大事にしてるのわかってるし ああなっても仕方ないのも わかってる」
こっちに ちゃんと来て
とシャツをくいっと引っ張られる
ソファを乗り越えて 隣に座る
「あの時 だんご屋さんのおばちゃんが 色々話をしてくれたんだけどね」
塁くんに ここ入りましょ!と連れられて入った和菓子屋さん
「いらっしゃい」
と 笑って迎えてくれたのが 藍や塁くんの言う
おばちゃんだった
初対面とは思えない 気さくな感じで 色んな話をしてくれた
「藍くんは 容姿が目立つやろ?本人も 予期せずああなるから 好きな人と一緒に歩けないって あれでも悩んでるんやて
あの子 見た目で損してて 恋愛なんてその辺の高校生より 全然経験ないんよ
だから 好きな人できて 付き合うんや!って わざわざ連絡してきてな 可愛らしいやろ?
前から 山本さんのこと ずっと好きって言ってたから もしかしたら?と思ってたんやけど そうなんやね
いざお会いしたら 穏やかで可愛らしい方で 藍くんのことを理解してくれてるのが
良くわかって 安心したわ
藍くんのこと よろしくお願いしますね」
「おばちゃんに頭下げられた時は そんな…って思ったけど おばちゃんのためにも 藍のこと大事にしないとね」
おばちゃん……何してんの……
俺の独り言みたいな悩みを よく聞いてくれて 昔から気に掛けてくれている
智さんを会わせにくるから…って言ってたんだけど ちゃんと覚えてたんだ
ありがと…おばちゃん
「だから 俺は 藍に余計なストレスがかかる外でデートするより」
頬を びよーんと伸ばす
「こうやって 藍と2人だけで過ごす方がいいの」
へへ 変な顔 と笑ってる
「また そんなかわいいこと言うて!」
クッションの山に 智さんを押し倒して 抱き締める
「あの日 塁くんも 藍が心配で お団子屋さんにいたんだって」
「うそやん!?」
「あの後 俺が塁くんとしゃべってて 拗ねてただろ?」
「……やらかしたから 怒ってるんやろなぁ…って」
「まあ 俺より女子を優先したのはイラっとしたから ちょっといじわるしたけど」
「けど?」
「塁くんが 藍のこと 自慢の弟だって話してくれるの聞いてて 楽しかったし 嬉しかった」
「そうなん?」
「俺にとって 自慢の彼氏だって わかったから」
「…………」
え?今……彼氏って言った?
「智さん 今……」
「何回も言わせるな 恥ずかしい…」
近くにあったクッションで
顔を隠す
「もう1回言って!ほら 目を見て!!」
クッションを顔からはがし
柔らかい頬に手をあてる
「俺は 智さんのなに?」
大好きな かわいい目をじっと見つめる
「………かれし」
小さい声だけど 言ってくれた
「やった!俺 智さんの彼氏になれたんや!そうやんな!?」
「ガキ…騒ぐなよ……」
智さんの腕が首に絡みつき キスされる
「まだ……全然足りないと思うけど……誰よりも 藍のこと大事にしてみせるから…」
頭を撫でながら
「彼氏で いてください」
最高の笑顔で こんな告白されるとか
もうヤバい……泣きそう
ずっと想い続けた
大好きな人に 愛される時って
こんなに幸せなんだ……
智さんに覆い被さったまま
嬉しくて 泣いた
智さんは 俺が泣いている間 よしよし と優しく頭を撫でてくれた
俺も 世界一 智さんを大事にします
智さんの 自慢の彼氏やもん!
コメント
1件
わあ、もう5話読んだよ…蓝くん、完全にやらかしてたね(笑)でもおばちゃんの「蓝くんのことよろしく」って言葉がすごくじんわり来た。智さんも拗ねてるだけじゃなくて、ちゃんと蓝くんのこと考えてくれてるんだね。「自慢の彼氏」って言われて泣いちゃう蓝くん、めっちゃかわいいし、こっちまで温かい気持ちになったよ🥺 続きも気になる〜
53
Kow
472