welcome to blizzard 2,
side wki
「(………若井、、死ぬまで
俺だけ見てて…?)」
「……っ。」
また、夢の中で、
俺は元貴に抱きしめられてた。
あの低くて甘い声が耳元に響いて、
俺を縛る言葉が頭の中で反響する。
「若井……」
名前を呼ばれるたび、体の奥がじんわり熱くなる。
もっと触れてほしい、もっと近くに――。
でも、気づいたら元貴はいなくなってて、俺だけが置き去りにされる。
「……またかよ。」
絞り出すように呟いた声が、虚ろな部屋に響く。
俺は掛け布団を蹴り飛ばし、枕元に置いたスマホを手に取った。
時刻は 深夜3時。
ベットから上半身だけ起き上がり、
窓の外をふと眺めると、
もう年を超えて、本格的な真冬の季節だ。
確か、最後に2人きりで時間を過ごしたのは
秋の入り口あたりだったかな…?
どんどん過密スケジュールになる元貴に、
家に行ってもいい?と
誘うことが出来なくなって
はや、4ヶ月と、、もっと経ってるかな。
最初の2ヶ月は平気だった。
新曲のレコーディングの為のギターの練習、
年末の歌番組のリハーサルから、特番の準備と撮影。
一瞬で時間が過ぎていった。
でも、3ヶ月目に入るころから、やたら夢に元貴が出てくるようになった。
目が覚めるたびに、その温もりがまだ残ってる気がして、眠れなくなり、こうやってスマホの画面を眺めながら朝を迎えることが増えた。
「元貴…忙しいよな…。」
慌ただしい年末が過ぎ、年が明けて、
最初に顔を合わせたのは数週間前のライブリハーサル。
久々に直接会えるのが嬉しくて、いつもみたいに軽く声をかけた。
「元貴、最近どう? ちゃんと寝てる?」
けど、その瞬間の元貴の目が忘れられない。
普段は優しさや余裕が見えるその瞳が、どこか冷たく、刺すような鋭さを持っていた。
「大丈夫だよ」
それだけ言って視線を外した元貴の横顔は、疲労が滲み出ていて、何か声をかけるのをためらわせた。
その場は笑ってやり過ごしたけど、俺の胸には小さな棘みたいな不安が刺さったままだ。
こんな時、元貴の家に行って、
抱いてもらえれば
少しは気持ちも楽になるかもしれない。
でも……。
(俺の存在が余計な負担になるだけじゃないだろうか)
そんな不安から元貴に声を掛けれないでいた。
….
コメント
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てんさいすぎるぅ 、
初コメ失礼します! やばい最高すぎる…😇😇😇 無事尊死しましたぁ
またしても大好きすぎた