この作品はいかがでしたか?
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赤黒編 第三話 伸ばした手
ふと目を開けると茶色の天井が視界にうつった。
まだ、脳内がはっきりしていない中、俺は耳に入ってきた楽しそうな声で目が覚めた。どうやら俺はないこ宅でメンバー全員で遊んでいた時に寝てしまった様だ。
俺はソファに寝転びながら声がする方を見て、まろとほとけっちとアニキがホラーゲームをしている事がわかった。まろはいれいす開始初期からアニキッズを乗っているだけあり、今日もゲームしながらアニキの上に座っていた。別にまろとアニキの関係性に対して嫉妬だとかはしていないが、それよりもほとけっちとアニキの関係性に驚いていた。
今まで動画内や、配信内では話している様子が見てわかったが、プライベートではどこか距離を置いていた気がする。それが今やまろに見えないように2人は恋人繋ぎをしていたのだ。2人ともホラゲが苦手だから怖くないように手を繋いでいるのか?だとしたら別に恋人繋ぎじゃなくていいのでは?
俺はそんな疑問を頭の中で沢山浮かべながら、ソファから起き上がり3人のところに向かった。
りうら:「3人ともホラゲしてんの??」
悠佑:「ウオッッッ!?、??!?」
-hotoke-:「ちょっ、りうちゃん!?びっくりするから急に驚かさないで!!」
りうら:「え、りうら驚かせてるつもりなかったんだけど。」
If:「ちょっと、2番黙っとらんか!!今集中どころや!」
-hotoke-:「僕悪くないよ!?」
青組がわちゃわちゃしているのを嘲笑うように見ていると、3人はやれペニーワイズだなんだとずっと悲鳴をあげていた。しかし俺は、先程のアニキとほとけっちの行動を見逃さなかった。
アニキがウオッッッと驚いた声を出した瞬間にほとけっち恋人繋ぎをしていた手を離したのだ。もちろん、驚いた瞬間に離したのかもしれない。しかし、2人とも手を離した瞬間手を繋いでいたのを誤魔化したのだ。俺は人の考えやら気持ちを汲み取るのが苦手だからか2人の心情は分からないが、一つだけわかった気がする。
俺は、アニキが少し他人と近づくだけでも馬鹿みたいに嫉妬して、耐えられなくなりそうなのに、アニキはそんな俺の気持ちを全く読み取れない。これはきっとアニキの気持ちと俺の気持ちが違うからなのだろうか、それともただの年上の戯れだったのだろうか。
何にしてもアニキの視線が俺に届く事はないと分かっていた。
俺が普段使いが出来る赤い髪ゴムをプレゼントしてもアニキはあの時しか使ってくれなかった。いつも、俺と身体を重ねる時は腕にゴムを付けて、どんなに髪が邪魔になってしまう体位でも括らなかった。もしかしたらアニキは分かっていたのかもしれない。俺が馬鹿みたいな嫉妬心からプレゼントした髪ゴムを髪に使わないのは俺を恋愛対象として見ていないから?それとも俺の醜い気持ちに気付いているから?
いつも、行為中はかっこいいやら、綺麗だとか好きだとか言ってくれるけどこれも全部薄っぺらい言葉だったのかな?恋だなんて全く分からないのに、難しい恋をしてしまったりうらが悪かったのかな?アニキを独り占めするのは悪い事なのかな?
まだまだ幼い思想しか持ち合わせていない俺は人生の偉大なる先輩であるアニキの考えや、行動についていけない為、俺は独り疑問詞を浮かべていた。考えても考えても何も分からなかった俺は気付いたらアニキの手首を掴んでいた。
悠佑:「り、りうら?え?(笑)手首痛いから離してくれん??」
りうら:「アニキ、ちょっと俺ん家行くよ。」
ほとけっちや、まろが急にどうしたと言っているのを無視し、困惑しているアニキを外に連れていった。状況が読めなく、俺の表情だけを伺うアニキの腕を俺はしっかり掴み、自分の家に連れ込んだ。
りうら:「ヂュッ,ッジュルッんぐっ、♡」
悠佑:「ン”ッ♡!?ハッ♡ウムッ///」
玄関に入り、扉を閉めた瞬間に俺はアニキを壁に押し倒し唇を奪った。もちろん、急な事だったのでアニキも驚いており、困惑しながらも俺の舌を拒まず抱き着いてくれた。俺は嫌がらないアニキを見て調子に乗り、絡める舌を激しくし、アニキの股に自分の膝を押し付けた。
悠佑:「ち”ょッッ///り”うッら?♡ここじゃッ、腰痛めてまうか”ら”ッさ?ベッド行こッ///♡」
りうら:「んッ、わかったッ♡」
それから、俺とアニキは欲に溺れた激しいSEXをした。お互いをお互いを求めるような行為は如何にも恋人がするようなものだったが、そこにある恋心は一方通行でしかないことに俺は悲しくなった。悲しんでいる様子をバレないように行為を激しくすることで隠し、この思いを心の奥に閉まった。
汗で湿ったアニキの前髪をかきあげると綺麗な瞳がこちらを覗き込んできた。アニキの瞳には光が宿っているとは思えず、どこか不安を感じた。俺はきっと今アニキに対する気持ちで心がいっぱいいっぱいで瞳がハートになっているはずなのに当の本人は、、、
俺の心を読み取ろうとせず行為に溺れていた。
もう、お互いが何回イッたか分からなくなるほどイッた後、俺はアニキを両腕でしっかり抱きしめながらキスをした。行為後いつもなら舌を絡め、息が出来ないようなキスをするが今日はソフトなキスにした。これは俺なりのケジメだった。俺に対し恋心なんて存在しないアニキに対して、本気を出すだなんて馬鹿げているだなんて俺は分かっていたのだ。
キスをし、頬を赤らめているアニキに俺は目線を合わせた。俺の空気を読み取ってくれたのかアニキは綺麗な足を丁寧に折り畳み正座をした。
俺は先程まで考えていた内容を話そうとしたが、喉まできてつっかえてしまった。あまりにも美しすぎるアニキの姿に狼狽えてしまい、俺は何も言えずにアニキの肩に手を伸ばした。
俺が顔を曇らせながら肩に手を伸ばして察したのだろう。アニキはニコリとしているのかムスリとしているのか曖昧な口をしていて、瞳にはいつものようなキラリとした光は宿っておらず、伸ばした手を両手で抑えながらこちらを静かに見つめてくるだけだった。
俺はどうしたらいいのかだなんて考えていたが結論は既に変えることが出来なくなっていた。俺はアニキという人生でいちばん深いヌマから喉元まで使ってしまっているんだ。この自慢の声も全てアニキに溺れてしまっているんだ。
「アニキ、ありがとう」
次回水黒第一話から
コメント
3件
愛してるッッッ!この、嫉妬心から始まる物語...!次は水黒だと?!待ってるぜい★