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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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今日は運命の日。

私が生きるか死ぬかの大切な日。

今日の18時に手術が始まる。

だから手術の時間まで徹と久しぶりにデートをすることにした。

徹にはあえて手術の事は言わない。

多分、その事で頭がいっぱいになっちゃってデートに集中してくれないと思うから。

今日で最後かもしれないデートを思いっきり楽しむ。朝から駅前でスタバの新作飲んで、服見たり、雑貨屋を覗いたりした。

お昼は徹の家で一緒に炒飯を作って食べた。美味しかった。

そしてお別れの時間までゆったりと徹の家でくつろぐ。

最高の一日だった。

そして、時間は刻一刻と迫ってくる。

徹の部屋の壁に掛かった時計の針が16時を指した。

手術の準備などの関係でもうそろそろお別れの時間だ。

「徹。私病院行かなきゃだからそろそろ帰るね」

そう言って立ち上がると徹は

「うん、頑張って」

と笑顔で見送ってくれた。

玄関先で、やっぱり寂しくなって徹に抱きついた。

ぎゅうっと強く抱き締めると、徹は何も言わずに抱き締め返してくれた。

数分間、徹の匂いに包まれながら目を瞑っていた。

まだ全然足りないけど、時間が迫ってきているので名残惜しいが徹から離れる。

「…ばいばい、徹」

そう言いながら手を振ると彼は

「うん。また明日」

と言い手を振り返してきた。

“また明日”

その明日は、私には来ないかもしれない。

そう思って、涙が出そうになるのを堪えながら徹の家を後にした。





病室で色々と手術の説明を受けるが何も頭に入ってこない。

とりあえず適当なところで相槌を打っておく。

いつの間にか話が終わっていたらしく、担当医の先生は一旦部屋から出て、数分後にまた戻ってきた。

あぁ、始まるのか。と思った。

ついに始まってしまう。

怖いな、やりたくないな。

死にたくない

そんなことをぼんやりと考えているうちに、いつの間にか手術室へと移動させられていた。

腕にチクッと痛みが走る。

なんかこれ、覚えがある痛みだなぁ…なんだっけ……?

あぁ、そうだ。中学生の時、バレーボールで女バレの子と遊んでたらボールが木に引っかかって、木に登ったら手に木の枝が刺さった時の痛みだ。

どうでもいい思い出が頭をよぎる。

うつらうつらとし始めた脳に、ずっと前から思っていた事が、忘れかけていたことが蘇った。

待って。ねえ待ってよ私。まだ眠くならないで。まだ寝ちゃだめ。

私、まだちゃんと徹に言ってない。

まだ付き合ってから一度も面と向かって好きだよって言ったことない。

照れ臭くて毎回私もで済ませちゃう。

お願い、、これだけ徹に伝えたい。

ふぁ…眠いなあ……。

寝たくないのに、瞼が勝手に閉じちゃ…う、

そうして私は、意識を失った。



𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝400♡

忘れたいのに忘れられない元カレの話。

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