お前いらない

事務所にやって来た2人。

専務に会って話がしたいと面会を求める。

専務ーやぁ、2人ともよく来たね。

目黒ーまた、渡辺を呼び出して、余計なことを言ったそうで。

専務ー余計なことではない。

目黒ー俺が渡辺にお願いして一緒にいてもらってるって言いましたよね？忘れないでください。

岩本ーメンバーを代表して来ました。メインボーカルは渡辺しかいません。渡辺にこれ以上関わらないでください。

専務ーそんなに渡辺が大事か？

目黒ー当然ですが。

岩本ー当然です。

専務ーもういい、帰りたまえ。渡辺にはもう会わないし話もしない。

目黒ー忘れないでくださいね。

岩本ー俺たちは全力で渡辺を守りますから。

岩本が一斉送信で解決したと送る。

渡辺もきっと見ただろう。

声が戻っていればいいが。

事務所前で岩本と別れ、目黒は渡辺の家へ向かった。

寝てるかもしれないと思い、合鍵でそっと入る。

ソファで目黒の上着を着て丸くなって寝てる。

そっと頭を撫でる。

ぼんやり目を開けて目黒を見る。

抱きついて声なく泣いている。

岩本の送信を見せる。

目黒ーもう大丈夫。

渡辺ー・・。

目黒ー声出ない？

渡辺ー・・。

目黒ー晩ご飯食べに帰ろうか？

渡辺ー・・。

目黒ー明日は撮影あるけど、翔太くんには泊まってほしい。準備して？

渡辺ー・・。

目黒ー大丈夫、ちゃんと行ける。

翔太くんも明日撮影？今すぐ連絡した方がいいね。代わりに俺がするね。

渡辺ー・・。

渡辺のマネージャーに連絡して、声が出なくなったから少し休ませてと言った。多分すぐ元に戻るからと。

目黒ー帰ろう？

渡辺ー・・。

目黒ーここ？食べる物ないじゃない。俺の家に帰ろう？

渡辺ー・・。

声が出なくなった渡辺を連れて帰って来た。

晩ご飯を作ってる間、渡辺は岩本に礼をLINEで送っている。

岩本からは、当然のことだと返ってきた。

目黒ー出来たよ。

渡辺ー・・。

目黒ーしっかり食べてね。

渡辺ー・・。

やはりまだ、声は戻らない。

目黒は、グループの曲を聴きながら食べることにした。

だがこの日、渡辺の声が戻ることはなかった。

目黒の家にいて？と頼み、撮影に出かけて行った。