-目覚め-
*暗い、完全に目が見えなくなったのか?
*いやうっすら見えるな*なんだこれ、岩か?
男は目が覚めたようだが、様子がおかしいことに気がついていた。
*ここは会社じゃないのか?
男は暗闇に目が慣れてきたのか、周りの様子が分かるようになってきたようだ。
*洞窟のようなところだ、何故こんなところに?
男はしばらく悩んだ結果、ある答えにたどり着いた。
*夢か、これが現実逃避ってやつだな。
*どこか知らんけどせっかくの夢なら好きに動いてみるか
そう思い、動き始めようとしたが体の違和感に気がついた。
それは子供のような感覚で、現実とはかけ離れていた。
*子供の体みたいな感じがするな。大人になる辛さから逃げたいとでも思っていたのかもな。それに背中に違和感が….気のせいか
しばらく歩き、明かりが見え始めてきた。
外は夜のようだが月の光で明るかった。
洞窟の外は森だったが、近くに川が見えた。
川に着いたので水でも飲もうと思い、川に顔を覗かせてみると水面に写った自分の体にハッとした。
*なんだこれ、体は中学生の頃の自分のようであり、背中には黒い小さな羽。
さらには額に小さな角が二本、お尻にはシッポのようなものが生えていた。
その姿はまるで悪魔のようであった。
ただし、肌の色は色白の元の色だった。
*俺は今どうなっているんだ?
すると目の前には水色の板のようなものが出現した。
{ステータス}
+名前=なし
+種族=レッサーデーモン
+称号=なし
+ユニークスキル=[改造(カスタマイズ)]
,[倉庫(ストレージ)]
+スキル=[鑑定],[闇魔法E]
なんと自分は悪魔らしい。
*俺悪魔なの?てかスキルとかユニークスキルってゲームかよ。
*鑑定はなんとなく分かるけど、闇魔法Eってなに?魔法使えんの?
すると脳内にいくつかの呪文が浮かんできた。
男のテンションが上がっていると、近くの草むらからザザッと音がした。
*もしかして魔物か?よし、スキルの実験体にしてやる
そのときの男の目は輝いていた。