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洋食派‼︎(低浮上気味)
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あれから一ヶ月が経ち、季節は初夏へと向かっていた。
俺と白石先輩は、放課後の図書室で何度も顔を合わせるようになった
けれど、近づけば近づくほど、俺の心は暗く濁っていくばかりだった
「んー……ごめんね、黒瀬くん。今日もちょっと眠くなっちゃって。先に帰ってもいいかな?」
放課後の図書室
カウンターに突っ伏したまま、白石先輩は眠そうに目を細めて笑う。
ここ最近、先輩はいつもこうだ
少し話しただけで「眠い」「疲れた」と言って、俺から距離を置こうとする。
「……はい。お大事にしてください」
俺は努めて冷静な声で答えながら、机の下で拳を強く握りしめた
本当は、引き止めたかった
一緒に帰りたかった
けれど、先輩の透き通るように白い顔色と、少し荒い呼吸を見ると、それ以上何も言えなくなる。
──いや、違う。
俺が言えないのは、先輩の体調を気遣っているからじゃない
ただ、これ以上踏み込んで「迷惑だ」と思われるのが怖いだけだ
「じゃあね、黒瀬くん。また明日」
ゆるっとしたカーディガンの袖を揺らして、先輩はゆっくりと図書室を出ていく
歩くスピードさえ、他の人より少しだけ遅いその背中を、俺はただ黙って見つめることしかできない
……おかしい。
先週、廊下で他のクラスメイトと話していた時の先輩は、もっと楽しそうに笑っていたはずだ
それなのに、俺と二人きりになると、いつも「眠い」と言って帰ってしまう。
「……結局、俺といてもつまらないだけか」
誰もいなくなった図書室で、ぽつりと零れた自分の声は驚くほど冷たかった
誰にでも優しいふわふわした態度も、三日月みたいに細められる笑顔も
それは全部、先輩が誰にでも見せる「上辺だけの優しさ」で、俺が特別なわけじゃなかったんだ
むしろ、俺が好意を隠そうともせず近づくから、先輩は遠回しに「距離を置きたい」とサインを出しているのかもしれない
そう考えた瞬間、胸の奥にどす黒い感情がじわりと広がった
嫉妬と、自己嫌悪と、それでも諦めきれない重たい執着
「……嫌だ。誰にも渡したくないのに」
机の上に残された、先輩が使っていた貸出記録のペンを手に取る
ほんの少し前まで先輩が触れていたはずなのに、そのペンはもう、先輩の指先と同じように冷たくなっていた
コメント
1件
あっ、2話も読んだよ〜!!🌸 主人公くんの気持ち、切なすぎて胸がぎゅってなった……😢 先輩がみんなには元気なのに、主人公くんにだけ眠そうにして距離置くの、裏返しの優しさかなって思っちゃった。 でも「特別じゃなかった」って自己嫌悪する主人公にこっちまで苦しくなるよ〜。 ペンの温度、めっちゃエモかった……続き早く読みたい!!