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固く閉ざされたドアに手を当てても、ただ冷たくささくれだった木の感触があるだけだった。
しかし、ジークハルトは扉の向こうでギリッと唇を噛みしめていた。
(ならず者たちは、明らかに私を狙っていた。私がここにいたら皇族に迷惑がかかる。早く去ったほうがいいだろう)
仕事と鍛錬ばかりだったジークハルトの部屋には、数冊の本と着替え程度のごくわずかな荷物しかない。
親衛隊宿舎に入舎した時に持ってきた古いトランクにその少ない荷物を詰めながら、部屋に私物を残さないよう隅々まで見て回る。
テーブルの引き出しを開けると鞘に入った短剣が目に入った。
あの日、アンジェリカが求めた短剣だ。
(これをお渡しするのを忘れていたな)
トランクの中から一番綺麗そうなシルクのハンカチ探し出すと、丁寧に短剣を包んだ。
アンジェリカを追うため勢いよく扉をあけたら、目の前に艶やかな金髪の女性*************************
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