テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
こんちは。続き書いていきます。
今まで、11月10日から12日の出来事を書いていたのですが、この話から12月25日の出来事を書いていきます。
キャラ崩壊注意。
2038年12月25日午前6時
今日はコナーとハンクは非番だった。コナーは、早起きして、ハンクの愛犬、スモウを散歩させていた。朝の散歩道は本当にいいところだ。静まり返っている。ちょっとだけ鳥や虫の声が聞こえるだけだ。コナーとスモウだけしかいない気分になれた。歩きながら、コナーは朝の景色を眺めていた。まだ完全に明けきっていない空は、淡い青を滲ませていた。冷たい空気が、朝の散歩道を包む。
コナーは、黒に近いジャケットの襟元をわずかに整える。内側にはグレーのフード付きパーカー。頭には、耳が隠れるくらい深くニット帽をかぶっていた。コナーは、制服と、ハンクからもらった部屋着と、この服しか持っていなかった。そう、この服は、以前の任務で使った服。人間社会に溶け込むための装備。でも今は違う。コナーは、寒さを感じるようになり、少しでも和らげたいと思い、この服を着ただけだ。
「少し冷えるな、、寒くないかい?スモウ。」
コナーは止まって、スモウの方にしゃがみ込む。スモウはワンっとだけ言った。そして、コナーの顔を舐める。
「あはは、くすぐったいな、、。」
コナーは散歩を再開した。
スモウが、雪を蹴るようにして前に進む。
コナーは、そんなスモウを眺めていた。
しばらく歩いていると、
「あははっ!やったー!!」
近くから声が聞こえた。子供のような声だ。
声の方を見てみると、小学1年生くらいの女の子が、笑いながら三輪車を走らせていた。子供はたまに転びそうになっていて、それを眺めている親が、微笑んでいた。
「あ!おにーちゃんこれみてー!!」
コナーの視線に気づいた女の子が、コナーの方に向かってくる。
「みてみて!三輪車!!」
笑顔で自分の三輪車を見せつけてくる。
「ずいぶんと可愛い三輪車だな。誰からもらったんだい?」
「サンタさんがくれたのよ!!」
「サンタさん、、?」
「うん!!本当に幸せなクリスマスなの!」
クリスマス、、、?
ああ、そうか、世界にはクリスマスという行事があるのか。
コナーはクリスマスというイベントを体験したことないので、クリスマスのことはよく分からなかった。
「そうか、、。よかったな。そのプレゼント、大事にするんだよ。」
コナーは少し笑みを浮かべてそう言った。
女の子は、大きく頷き、満足そうにして両親のもとへ戻っていった。
コナーは、スモウの散歩を再開した。
6時30分頃。
スモウの散歩を終え、コナーは帰宅した。
服に少しついている雪を払って、寝室に行き、ハンクを起こそうとした。だが、ハンクは寝ていなかった。リビングで椅子に座って朝食を朝食を食べていたのだ。
「ハンク、今日は起きるのが早いですね。いつものあなたの起床時間を考えると、珍しい、、。」
「今日は早起きしたかったんだよ。お前、スモウの散歩行ってくれたのか?」
「はい。僕は、犬が好きなので散歩に行きたかったんです。」
「そうかよ。」
ハンクは、朝食を食べ終え、コナーの方を向いた。
「お前、今日用事とかあったりすんのか?」
「?いいえ、特には、、。」
「じゃあ出かけんぞ。」
「え?どうして?」
「今日なんの日か知らないのか?クリスマスだろ。」
あ、、、そうか、クリスマス。コナーは思い出したが、まさか自分もクリスマスに遊びに行けるとは思っていなかったので、動揺していた。
「ほら行くぞ。」
コナーは、手を引っ張られ、家を出た。
そして、車に乗ったのだった。
「ほら、ついたぞ。」
コナーが外をみると、そこは光に包まれたデトロイトの街だった。過剰な光が、視界情報を飽和させる。
装飾された店先。
行き交う人々。
ハンクとコナーは車を降りる。
人の波が一気に押し寄せる。
「人の数が異常だ、、。」
「ま、今日はそーいう日だからな。」
周囲の音量が上昇する。コナーの視界が、わずかに揺れる。ハンクが振り返る。
「コナー、大丈夫か?」
「はい。問題ありません。」
しばらく歩いていると、、
ドンッ!!
思い切り人にぶつかってしまった。すみませんとぶつかってしまった人に言った後、前をみると、そこにハンクはいなかった。
「、、、?」
迷ってしまった。周りには人だらけだ。
でもコナーは大丈夫だ。スキャンすれば、対象をすぐに見つけることができる。コナーがスキャンしようとした時、
「コナー!!」
大きい声で呼ばれる。焦った顔をしているハンクだった。おそらくコナーを心配して探しに来てくれたのだろう。
「お前、こんなところにいやがったのか!ったく心配かけやがって。」
ハンクはそういって頭をかく。
「心配をおかけして申し訳ございません。でも、大丈夫です。スキャンすれば、あなたをすぐに見つけれ、、」
「馬鹿野郎!そーいうことじゃねぇんだよ!」
ハンクは、怒っているようだった。乱暴にコナーの手首を掴む。
「いいか?離すんじゃねぇぞ?」
コナーは、そのまま動きを止める。
視線を落とす。
繋がれた手。
頬が熱くなる。
そのまま引っ張られる。
「人が少ないとこ探すぞ。」
ハンクは目を合わせず冷たくいう。
照れているのだ。ぶっきらぼうだが、本当に優しい人なのだ。コナーは、ハンクについていく。繋がれたままの手が
なぜかーー離したくないと感じていた。
しばらく歩いているうちに、どんどん人は少なくなっていった。コナーは少し安心する。
「コナー、ここで待ってろ。」
コナーの目の前にはベンチがあった。
「どこにいくんですか?」
「ちょっと用事があってな。すぐ戻る。」
ハンクは手を離す。コナーはどこか寂しいと感じた。ハンクが遠くに行き、見えなくなる。コナーは、少し寂しい気持ちもあったが、ベンチで待つことにした。コナーはベンチに腰掛ける。
コナーがハンクを待って、15分が経過した。ハンクが戻ってくる気配がない。心配になった。でも、待ってろと言われているので、指示通りに待つことにした。
25分が経過する。戻ってくる気配はない。だんだん寒くなってくる。前にベンチで一人悩んでいた孤独感を思い出す。
周囲には笑い声と足音。
(ハンク、、いったいどこにいったんだ、、?)
コナーは周囲を見渡す。
近くに店があるのを見つけた。
ショーウィンドウに、いろんなものが並んである。そこに並んでいる手袋に目が入った。
グレーの無地の手袋だった。保温性も高いだろうし、ハンクにもきっと似合うだろうと思い、コナーは立ち上がる。待ってろと言われたが、少しだけならいいだろうと思い、店に入っていった。仕事でためたお金があるので、それを使い、手袋を買う。
(ハンク、、、気に入ってくれるだろうか。)
少し不安な気持ちで、店を出た。
店を出ると、ベンチにハンクがいた。キョロキョロしていて、焦ったような顔をしている。コナーを探しているのだろう。
「ハンク、、、。」
「コナー!?どこ行ってたんだ!」
「店に行っていただけです。それより、あなたこそどこに行ってたんですか?心配したんですよ。」
「あ、ああ、すまんな。俺も店に行ってた。
、、、コナー。」
名前を呼ばれる。コナーはハンクの方を向く。その手には、小さい袋を持っていた。
「これ、、、、クリスマスプレゼントだ。」
少し照れたように、袋を渡してくる。コナーは、驚きながらも、袋を受け取った。袋の中身は、、
小さい犬のぬいぐるみだった。
犬種は、セントバーナードだ。
「これは、、、。」
「お前、犬好きって言ってたろ?喜ぶと思って買ってきた、、。」
「はい、。スモウに似ていて、、とても可愛いです。」
コナーは嬉しさのあまり、崩れ落ちそうになる。自分の好みを考えて、買ってくれたのだ。
「ありがとう、、ハンク。本当に嬉しいです、、。」
コナーは、笑顔でそう言った。いつものぎこちない笑顔じゃない。本当に嬉しい時に見せる笑顔だった。ハンクも笑みを浮かべる。
「ハンク、僕も買ってきました。」
「、、?」
コナーは、袋に入った手袋を渡す。
「手袋、、?」
「はい。防寒対策に適していますし、あなたに似合いそうだったので。」
コナーが笑顔でそう言う。ハンクは、黙っていた。そして、コナーの頬に触れる。
「、、っ」
意識がそこに集中する。頬が熱くなる。ニット帽でLEDが見えないが、きっと赤くなっているだろう。ハンクの顔が近い。シリウムポンプの動きが早くなる気がした。
「、、、ハンク、、?」
ハンクは何も言わない。ただコナーの顔をじっと見つめているだけだ。
ハンクの顔がだんだん近づいてくる。何をされるのか分からないまま、コナーは戸惑った。頬に触れられているので顔を逸らすこともできない。恥ずかしくて目をつぶった。ハンクの唇が、コナーの唇に少し触れた時、ハンクは、コナーから離れた。コナーは、目を開ける。ハンクは顔を逸らして歩き出そうとしていた。
「ハンク、、?どうかしましたか?」
「いや、、、なんでもない。手袋、ありがとな、、、。」
ハンクはそう言ってコナーに背を向けた。何かしたのだろうかと不安になった。
その後、彼らは店をまわった。
でも、少し距離が遠い気がした。ハンクはコナーにキスをしたかったが、恥ずかしくてできなかったようだ。
夜になり、イルミネーションを見る。人混みのないところで。二人だけ。光に包まれたデトロイトの街。コナーの視界情報が、増加していく。でも、不快じゃない。
「こーいうの好きか?」
ハンクが聞いてくる。
コナーな静かに答える。
「完全には理解できていません。」
一瞬の沈黙。
「ですがーー」
言葉を選ぶ。
「あなたと見ることに、意味があると感じています。」
静かな声。
飾りのない、ただの事実。
ハンクは少しだけ目を細める。
「、、、変なやつだな。」
そう言いながらも、どこか優しい。
コナーの手を軽く引く。
繋がれた指が、わずかに強くなる。
「、、、、っ」
コナーの動きがほんの少しだけ止まる。
だが、手を離そうとしない。
「ハンク。今日は、本当に特別な日でした。」
「、、まだ終わってねぇだろ。」
ぶっきらぼうな声。
その言葉には続きがあるようだった。
夜はまだ終わらない。
第9話に続く
次が最終話だよ。