テラーノベル
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ひだや、小さな私を的確に舐め取っていく舌の動きに翻弄されて、甘い声が止まらない。
突き出した腰をグッと引かれ、脚を開かされる。彼の前にいやらしい場所を晒して、蜜が太ももを流れていく。
蜜路に硬くなった舌が射し込まれると背筋がびくびくと震えた。吸いつくような彼の唇に、羞恥心でいっぱいになる。
「溢れてるよ、ここ」
ぐじっ、ぐじゃっと彼の指が蜜路を弄ぶ。イヤイヤと首を振っても無駄なだけ。蜜口がひくついて、彼を誘う。
「ねぇ、篤人……もうっ」
服を半分だけ脱がされて、まるで|悪いことをされ《おかされ》ているみたい。余計にそれが脳内を痺れさす。
「欲しいの?」
うんうんと小さく頷く。彼がカチカチとベルトを外し、避妊具の袋を開ける音がした。
「すごいぬるぬる。やらしいね」
胸の先端をいじられながら、彼が熱り立った漲りを脚の間に添わせる。
それが蜜口に引っかかっては逃げていく。腰が勝手に彼を迎えにいくように揺れた。
「揺れてるよ、腰」
「だ、だってぇ……」
少しだけ挿入ってきた彼自身。浅いところで焦らされると身体がカッと熱を持つ。「それ、やだぁ……」
「どうしでほしいの?」
「……奥まで、きて?」
後ろを少し振り返って懇願する。
「ほんと、煽るのうまいよねっ」
「ああああっ!!」
奥まで一気に漲りが突き上げる。その快感で背中を弓形に反らせた。壁にどさっともたれて、抽送を受け入れる。
「あっ、あんっ!! あううっ!!」
あられもない声というのは、こんな声のことを言うのだろうか。
自分でも聞いたことのないくらい、いやらしく甘く鳴く声が、恥ずかしくて仕方ない。
夕方のまだ明るい寝室。いやいやと首を振り、薄目を開けると向こうの壁にある姿見に、いやらしい姿が映っている。紅潮してほんのりピンクに色づいた身体。激しく揺さぶられる姿に釘付けになる。
「なに、見たいの?」
「えっ違っ……ああんっ!!」
彼がはいったまま、鏡の前まで移動する。ぐいっと腕を後ろに引かれて、胸を突き出すような格好にされた。
「やっ、恥ずかしいっ……!!」
「見たいんでしょ? やらし」
「あっあっ、ああっ!! だめだめ、いっちゃうーーー!!!」
ぐいっと白い喉元を見せて果てる。身体が震えているのにも関わらず、抽送は止まらない。
何度も続けて果てるとぐたっと力が抜けた。
今度はベッドに押し倒されて、膝を割った彼がまたナカに挿入ってくる。
奥の入り口をとんとんとノックする彼自身に翻弄されて、意識が遠くなった。***
「へぇー!!」
「永井くんって、けっこう一途だったんだ」
「藤原さん、よかったね」
週が明けて、月曜日。
ランチタイムのリフレッシュルームで篤人と食事をとっていると、もうすでにひと仕事終えた山田さんのおかげで、周りからあれこれと話しかけられた。
「僕がずっと藤原さんに片思いしてたんです。風見さんと別れたって聞いたらもうとめられなくて」
歯の浮くような言葉が、するすると篤人の口から出てくる。
周りの女子社員のきゃーとか、いいなぁーという羨望の目を一身に受けて恥ずかしいったらない。
「藤原さんが健気に仕事がんばってたから、なんか……私も嬉しい」
「本当によかったね」
母と同じくらいの世代の人も多いこの会社。娘のような視点なのだろうか。あはは……ありがとうございますと、できる限りの笑顔で応える。
当の山田さんは私たちの隣に座って、あれこれと馴れ初めについて訊ねてくる。
ほとんど偽装に近いが、彩月と3人でイタリアンバルに行った時に、|伊吹《元カレ》と別れたことを知り、そこからアタックしたと篤人が話す。
「じゃあ、私は恋のキューピットだ」
彩月もちゃっかり私たちの隣に座って、身を乗り出して話を聞いていた。彩月にはきちんと話しておきたかったけれど、とりあえず復讐が終わるまでは契約のことは秘密にするよう篤人に言われている。「若いっていいわねー!!」
山田さんは深く息をつく。息子さんは最近結婚して、もうすぐお孫さんが産まれるらしい。
人間スピーカーの仕事っぷりは申し分なく、私たちのことは週末を待たずしてフロア全体に知れ渡りそうだ。
「藤原さん、水曜の15時からまた営業お願いします」
ランチを食べ終えて、フロアに戻る廊下で篤人がそう話しかけてくる。わかったと答えると、じゃと篤人はエレベーターに向かった。
小さく手を振ってフロアの入り口の方を向くと、背後にものすごい視線を感じる。
バッと振り向いたけど廊下には誰もいない。
確かになにか感じたような気がしたんだけど。首を傾げながらフロアへ戻り、仕事の続きを始めた。
「藤原さん、水曜日の午後って会議出られますか?」
「あ、えっと、そこは営業についていくことになっていて……」
「ああ、例のやつ?」
デスク越しに|伊吹《元カレ》が話しかけてくる。例のキッチンの件で、修正箇所があり、会議にかけたいらしい。
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