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「うぇ〜…、その男の人クズ中のクズじゃねぇか…」


「成程…お岩以外ほぼ全員クズの集まりじゃねぇかよ…お前よくその場で耐えられたよな…」


「お岩ちゃん十分綺麗なのに、何でその男はお岩ちゃんの事を見捨てたのか理解できないな〜、はぁ…口の中にこれでもかという程の香辛料を突っ込んでやりたい気分」


お岩の相談事を聞きながら、三人は彼女の気持ちに心を重ね合わせ彼女が口を開き夫に対する憎悪の感情を吐き出す度、首を縦に振り彼女の気持ちを優しく受け止め話を聞き続けた。






「一応話すだけ話せて少しだけすっきりしました…。ありがとうございます。」


一通り話し終わり、のどが渇いたのかそばに置いてあった麦茶入りのコップを飲み干すと、先程までの鋭い殺気を落ち着かせて安堵した様子で此方を眺める。


「お岩ちゃん、どう?

…アイツに何かやり返したい気持ちとか、今のうちしておきたいことは」


「それはもう数え切れないほど沢山あります

…けど、あの人はもうこの世に存在しているわけでは…」


一瞬顔色が明るくなったものの、【彼奴はもうこの世にはいない】という現実を突き止められた途端、又顔色が暗くなってしまった。




「…なら、この場でいうのもなんだが俺実は一つ面白い手品を知ってんだ。悠寿、少し手伝え。」


「手品…?」


お岩とマイズミの二人はまだ何も状況が理解できていない中、恐神と悠寿だけがにまっと綻んだように見えた。




先程の話からほんの数分経ったときの話である。



「では皆さん!!いきなりですが、ボク達全員はこれから時空を超えたちょっと摩訶不思議な体験旅行に出かけたいと思います!!」


「え?これは一体どういう経緯で…?」


先程恐神先輩と悠寿さんが話していた内容から出された最適解だろうか。やけに悠寿さんの表情が明るくて、まるで道化師やマジシャンのようなテンションに見えた。


「マイズミ、話の説明は後だ。とりあえず二人は悠寿の話だけ分かったフリして聞いておけ。じゃないと、首飛ばすぞ。」


本当なのか冗談なのか分からない発言を最後に添えて、冷たくあしらわれてしまったように見えたが、こちらも悠寿さんと同様に好奇心に満ちた子供のような眼差しで珍しく顔を上げていた。


「行く場所はなんと!!元禄時代!!当時の天皇は、東山天皇で江戸幕府将軍は確か生類憐れみの令でお馴染みの徳川綱吉だったかな?」


「あーいいよその解説は…

つかさっさと話進めろ、余計な話はするな」


‘’え〜、折角楽しく解説してたのに〜…、まぁいいや‘’ と、明るい声で悠寿さんが返す。


どうやら恐神先輩は歴史が苦手なようだ。


「それでは時間がもうあまりないので、一応注意を つだけ話しておくね!!」


「え?悠寿さん声が余り聞こえない…」


「チッ…シュウガクリョコウでも注意位促すんだからよ…、もうちょっと調整できねぇのかよ…」


未だに俺に状況の把握はできていないが、恐らくもう‘’ゲンロク‘’というところに物理的、もしくは空間転移のような形で旅行の支度をしているのであろう。


「ぜ、ッタイ に …げ、 だい の んげ ん て、コ トは いっちゃ だ、め だ、カラ―――」



悠寿さんの声のはずなのに、酷く強い圧迫感のような膨大な物体に押しつぶされそうな威力のようなものを感じているせいで起きている現象なのか、よくあるホラーゲームに出てくる敵のモブキャラに近しい声と共に俺達三人は、宙を舞う様にして揺れ動く何かに対して身体を預けた。

そのお悩み、成仏します。

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