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こんにちは。川瀬です。
まずは川瀬の初投稿「君へ贈る言葉」をお手に取っていただきありがとうございます
この物語は感動系なので面白い場面は中々ありませんが見てくれたら嬉しいです。
(ここからは物語の解説や注意点)
【解説】(読まなくてもいい)
この物語は「ハイキュー!!」というアニメに出てくる瀬見英太が主人公の話です。
バレー部のスタメンの座を後輩(白布)に取られてめちゃめちゃいじめられて、最終的に自⬛︎しようとする話です。
でもハッピーエンドで終わる。
【注意点】
・自傷行為あり
(主人公が抜毛症、皮膚むしり症になる。あと🐿🦟)
・過激ないじめ
(水責め、強姦、万引きや自殺の強要)
※性的な表現が出る場合はセンシティブにします
・BLあり
(瀬見愛されですが川瀬見要素が強いです)
※川瀬見=川西太一×瀬見英太の𝖢𝖯
・登場人物のセリフはあんまないです
(文字がずらっと並んでて読みにくいし途中で飽きるかも)
この物語が誰かの心に響いてくれたらいいなと思います。そしてこの物語をきっかけに川瀬見を好きになってくれたら川瀬は超嬉しいです。嬉しすぎて舞い上がりますᐠ( ᐛ )ᐟ<パァァァ
あといいねが欲しい(願望)
冒頭長くてすみません
それではどぞ↓
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
今日は快晴だった。
太陽が眩しくて、思わず目を瞑ってしまう。
太陽が嫌いだ。
いつもきらきらしていて、俺を明るく照らすから。
はぁ…
今日も最悪な1日になりそうだ
「辛酸を嘗める」
いつからだろう、こんなことになってしまったのは。
あぁ…思い出した。
1週間前、バレー部春高予選のスタメン発表。
今までも俺がスタメンに選ばれていたんだし、変わることはないだろう。
春高予選だからいつもより多く練習することを心がけよう。
そう思っていた。
でも違った。
セッターとして呼ばれたのは俺の背番号の3番ではなく10番。
後輩の背番号だった。
汗が急にドバドバ出たし、ドクンドクンと心臓の音が大きくなって治まってくれない。
周りの仲間達に聞こえるんじゃないかと思うくらい音が大きくなっていた。
あぁ、俺はもう試合に出れないのか。
俺はその事実を受け入れられずにいた。
午後の練習が終わった後、ほとんどの人が自主練に参加していたが、俺は帰った。
帰ったというか、逃げた。
だって、怖いんだもん。
スタメン落ちした自分自身と、周りの人が。
もちろん俺を心配する人もいるかもしれないが、中にはスタメン落ちした俺を貶す人もいるんじゃないかと考えたらもっと逃げたくなった。
人の視線が痛かったけど、俺は逃げることだけに集中した。
部室に着いて、さっさと着替えようと自分のロッカーを開ける。
ビニール袋なんて入れてたっけ…?取り出してみると、おにぎりや俺のお気に入りのチョコレート、缶コーヒーなど食料や飲料が色々入っている、誰が入れたのか知らないけどありがたい。
チョコレートに貼られている雑にちぎったノートに目をやる。
そこにはメッセージが書かれていた。
「体調には気を付けろ 牛島
チョコ食べてはやく元気になってね! さとり
今日はゆっくり休んで、また明日から頑張ろうな 大平
英太も充分上手いからあんま気にすんな! 山形」
俺は泣いた。
瞳から涙が零れ落ちるくらい泣いた。
あぁ、俺はこんなにいい仲間に恵まれてるんだなって。
手紙をもう1回読んだ。
太くてしっかりしてる字と、細くて癖のある字と、優しい性格が現れた字と、勢いのある元気な字。
その1文字1文字が全て愛おしかった。
裏を見てみると、それはノートの紙切れじゃなくて最近学年でやった英文法のテストで、名前の欄には天童覚って書いててその横には赤字で31点と書いてある。
いやお前半分も取れてないじゃん。
と呆れたがもはやそのテストの用紙さえ愛おしくてずっと眺めていたらかなりの時間が経っていた。
やっぱりスタメン落ちは悲しいし悔しい。
俺は寮の部屋に戻り、ベッドに潜り込んだ。
だって俺、頑張ってたじゃん。
実際今までの試合も全部勝ってたし。
何で監督は俺よりも1年遅れて入ってきたそいつを選んだんだ。
ふざけんな。
監督に怒りが湧いてくるのと同時に涙が溢れてとまらない。
食堂は行く気にならないから、さっきもらったまぐろおにぎりで済ませて、風呂は大浴場が混む前に1人で入った。
そしてまたベッドに潜る。
やっぱり俺、もう試合出れないんだ。
現実を受け入れようとしてまた泣く。
どうしても受け入れられなかった。
俺が今日、スタメンを外されたことを。
なぁ監督、俺の何がいけなかったの。
俺があの後輩の何に劣っているか言ってよ。
努力して直して、いつかまた試合に出られるようになるから。
直せることじゃないと思うけど。
もう寝てしまおう。
その方が楽だ。
布団を被って目を瞑る。
あぁ、あったかい。
この布団のような温かさが好きだ。
この温かさが毎日あるだけで幸せなんだと思った。
だんだん意識が遠のいていく。
そうだ、同室者の隼人がまだきてないけど、ねてしまおう。
明日おきたら、また、はなせるから。
あ、そういえば、かだいあったな………がっこうでおわらせよう。
すぐ、おわるやつ、だから、まぁ、いっ、か。
……………。
頬をペチペチと軽く叩かれる。
重たい瞼を開けて、もう朝なんだと脳が認識した。
(山形)
「おはよ、お寝坊さん」
(瀬見)
「ん、おはよ……」
隼人は眠たげに返事をする俺を見てニカッと笑った。
眩しかった。カーテンから漏れる太陽の光と、彼の笑顔が。
(山形)
「そうだ。お前宛に何か届いてたぞ」
(瀬見)
「俺宛に?」
そう言ってビニール袋を軽く投げる。
(山形)
「ほい、誕生日プレゼント〜」
(瀬見)
「まだ誕生日じゃねぇよ…」
中身を見てみると、昨日貰ったものと同じようにおにぎりやらなんやら色々入っていた。
手紙とともに。
手紙には昨日見たものと同じように後輩からの応援のメッセージが書かれていた。
そこには俺のスタメンの座を奪った後輩が書いたものまであった。
長々しい文章だったが最後まで読み終わると俺は泣いた。
その文章が下記の通りだった。
「瀬見さん、悲しい気持ちにさせてすみません。俺はあなたのスタメンの座を奪うつもりはなかったんです。中学の頃から牛島さんを見て、牛島さんにトスを上げてみたいって思って、俺も必死に努力してきたんです。だから、あんまり悪く思わないでほしいです。監督は瀬見さんを見捨てたわけじゃない、ただ、監督が望むプレースタイルではなかっただけ。だから、決して瀬見さんは弱いとか、そんなんじゃないです。瀬見さんは強い。だから、瀬見さんは自分らしくそのままの道を進んでください。自分自身を否定せず、ありのままの自分を受け入れてあげてください。 白布」
(山形)
「白布も悪い奴じゃねーんだ、許してやれ」
隼人に肩をポンポン叩かれる。
(山形)
「あと、瀬見さんにメッセージ送りましょうって皆に提案したのも白布だよ」
余計に涙が止まらなくなって、食堂の時間が過ぎてもずっと部屋で泣いていたし、隼人も俺が泣き止むまでずっとそばにいてくれた。
泣き止んだら、隼人と白布にお礼を言おう。
食堂が閉まるギリギリまで飯を食って自分の教室に入ると、クラスの奴らが俺を見てニヤニヤと笑った。
嫌な予感がする。
自分の席に荷物を下ろした。
俺の予感はやっぱり的中していた。
机の上の傷。
机を覆った木の粉を手のひらで払って床に落とすと、「スタメン落ち」とか「無能」とか「バレー部やめろ」などの言葉が刻まれていた。
おそらく彫刻刀などで掘ったのだろう。
絶対消せない。
多分、バレー部の誰かが俺がスタメン落ちしたことを言いふらして、瞬く間に学校中に広まったんだと思う。
俺はこれに怒りも悲しみも、何の感情も湧かなかった。
もうとっくに慣れてしまったから。
悪口という名の暴力。
それにずっと耐えてきた。
小学生の頃からいじめられるようになり、いじめは中学、高校に入っても続いて侮辱や暴力を数え切れないほど受けたが、最近はそれらを受けることが少なくなって、安心して学校生活を送れていた。
だが、再び俺をいじめるきっかけができてしまった。
また侮辱される、殴られる。これから毎日。
そう思うと怖くなり、身体が冷水を被ったかのようにブルブルと震えた。
そんな俺にクラスの奴らは冷ややかな目を向けた。
あれから1週間、毎日のようにいじめられる。
時には机の落書きが増えていたり、時には体育館裏で殴られ、蹴られた。
勿論辛かったけど、もう数年以上こんなことをされたもんだからすでに慣れてしまっていた。
部活の奴には言わなかった。
いじめられていることを知られて、迷惑をかけたくなかったから。
だから、部活では皆に頼られるようないい先輩のフリをして、部活外では殴られ蹴られ、寮室では隼人にバレないように布団の中で静かに泣いていた。
明日を迎えたくない
ずっと目を覚まさないで
ずっと夢の中にいたい
そう思いながら目をゆっくり閉じた。