テラーノベル
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これはこれは、ある朝日の昇、大晦日。
私は幼き子を抱えて村を出、お気づきですかな、乞食でございます。
妻は数年前に他界し、今は私一人で子を育てています。
子はもう四歳になるところでございまし、ですが一切頭は良くありません。
俗に言う、「馬鹿」とかいうものなのでしょうか。それとも単に四歳は皆、
こういうものなのでしょうか、私にはわかりません。
子は眉は妻に似て、とても男らしい。口元は私でとても女々しい。
髪は余りなくって、耳はどこかの神様のようなでかいでかい耳でございます。
では、先ほどの「馬鹿」とはどういうことか、気になりますか。
例えばこの子に、野菜を教えます。これが野菜だ。と教えます。
ですがもう次の日には「お父ちゃん、これなんだい?」と聞いてくるのであります。
毎日毎日同じように教えても覚えない。そのくせ、
遊びを教えるとすぐに覚えて村の子と遊び出すのです。
遊ぶにしてもずっと時間を忘れて遊ぶものですからもう夜の九時ごろになっても遊んでいます。
どうしたもんか。わかりません。
今日、村を追い出されました。
「お前は村の脛かじりだ、働きもしねえで飯ばっか食って役立たず!」
と、私は言われてしまったのです。
子を連れて、トボトボ村を出ました。
もう年も明けるというのに、私たちは惨めです。
もう昼頃、子が「お父ちゃん、腹減ったよ」と言い始めました。
「待て」
数分経つと、
「飯はまだかい?」
「待て」
また数分。
「父ちゃん…」
こんなことをもう五、六回繰り返すので、私は腹が立ち始めて、
「うるさい!」
と、一喝。
すると流石に怯んだと思いましたがまだまだ。
「腹減ったよ」と私の裾を持つのです。
私はこんな馬鹿な子を一生懸命育てたのが悔しくなりました。
その後、私は年を越しました。
もう新年。さぁ。新たな人生到来です。南無阿弥陀南無阿弥陀。
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