※無理やり系苦手な方は戻ってくださいね
side R
静かだな、まぁ、練習終わりだし疲れているのだろう。話しかけないのが最善だろうか。いや、でも少し話したい。せっかく二人きりなのに。
「あ、そういえば、祐希さん。あの〜、飲みながら話しますか?」
「ん、ああ、どうしようか。飲んだ方が楽しいよね。」
「そうですね〜〜、僕は飲みたいですかね?祐希さんと二人で飲むなんて中々ないですし。」
「何それ。可愛い、誘ってくれたら飲み行くのに。」
そんな軽々しく可愛いなんて言わんでよ。頬が熱い。何故あなたはこんなにもすらっと簡単にかっこいい言葉が出るんだ。そろそろお家に着くだろう。早い、いつもより。次一緒に帰るのはいつになるんかな。家に着くと僕の後ろをゆっくり歩きながら玄関に入る。“お邪魔します。意外と綺麗にしてるんだね。”とあなたはケラケラと笑いながら言う。もお、からかわんといてください!なんて僕も言い返してリビングへ向かう。
「祐希さん何飲みます?缶のやつでいいですか〜?」
「うん、それでいいよ。ありがとね。」
「、、、おりゃ!」
「んわ、冷た。びっくりしちゃったじゃんか。何してんの。」
「いや〜、ぼーっとしてたから!で、祐希さん。どーしたんすか??」
やっと口を開いたと思ったけれど、あなたは“悩み事”ではなく。面白い話をただただ話すのであった。まぁ、聞いてて面白いから聞いてるけどね。
時間が経つと、あなたも僕も酔い始めて。そろそろ、と思いあなたに悩み事とはなにか聞いてみることにした。
「…祐希さん、そろそろ悩み事、聞いても??」
「ああ、なんだったかな。忘れた。」
「いや、誤魔化しても無駄っすからね〜?もう気になるんすけど!溜め込んじゃいけないって言ったんは祐希さんやろ〜??」
するとあなたは黙り込み。“祐希さん、”と呼び、話しかけようとすると口を塞ぐかのように、噛み付くように、激しいキスをされる。まるで、この僕らの曖昧な関係を切り裂くかのように。祐希さんは、ずっと前からそう思っとったんかもしれん。いや、もしかしたら、この曖昧な関係に嫌気がさしたのかもしれない。すごい力で僕の腕を掴みベッドに押し倒される。
「…んッ゛、!?ぁ、ゅうき、さ゛ッ、はぁ゛ッ、!」
「ん、ふ、゛ッん…。」
「ぅ゛ッ、んふ、ぅ゛ッ、、!」
「は、ぁ゛。藍、気づいてる?俺の気持ち。今日あったこともさ。」
「は゛ぁッ、ん、ぇ゛??今日、あったこと、」
「はは、気づいてるわけも…ないか。」
今日のあなたはやけに怖い。いや、いつもよりずっと。さっきのキスで呼吸が乱れる。息をする暇もないくらいの熱い口付けだった。
「…ッ、今日の祐希さん、なんか、怖いです。」
「よくそんな顔で言うね。期待してる?そういう関係、になりたいわけじゃあないんだけど。俺は。」
「期待なんか、ッ。それに、僕だってそんな関係になりたいわけやないですし!」
「じゃあ、小川とならなったの?今日も仲良さげに話してたけど。楽しかった?俺より楽しかった?」
「ゆ、うきさん、なんでそんな怒ってんの。小川さんと話してたから?酔ってるせい?」
「別にもう、気づかなくっていいよ。ほら、もうしちゃおうよ。」
やめてください、と言う前に再度深い口付けをされる。気持ちい。快楽に堕ちる。だけど、まだ。僕らはそんな関係ではないというのに。こういうのは恋人になってからやろ。息ができない、祐希さんの背中を叩く。離れてくれない。なんなら、頭を掴み舌を絡めてくる。
「ぅ゛ん、ッはぁ゛、あッ゛❤︎ ゅ、きさ、んッ゛ぅ、!❤︎」
「ん、゛ふ、ぅ。は゛む、ん、ぅ゛❤︎ 」
「…ん、は゛ぁ、はぁ、!❤︎ ふ、ん、゛ッ❤︎ ゆうきさ、ん、!祐希さん!ちょ、ちょっと、待ってくださ、い、」
「何、藍はさ、こういうのは恋人になってからって思ってるんでしょ。順番とかよくない?俺は我慢できないんだけど。」
“藍は?”と耳元で囁かれる。もういいやと少しだけ思ってしまったが、違うだろ、と自分自身を止める。
「や、ちが、祐希さんのこと、大切にしたくて、って、祐希さん、口、血が、。」
「…ん、ああ、知ってる。大丈夫だよ。…ごめん、俺、今超最低なことしてるよね、帰る、ね。」
「え、あ、祐希さん!待って、待ってください!」
それほど激しいキスだったのかあなたの唇が出血している。それとも僕が歯で噛み付いてしまったのだろうか。追いかけた、間に合わなかった。あなたは止まってくれなかった。玄関にしゃがみこむ。はあっと大きなため息。苦しさと、悲しみが込み上げてくる。悲しい、もうあなたと話せないのかな。もっと話したいこと沢山あったのに。…祐希さん。
side Y
最悪だ。酔った勢いだなんて嘘つけないほどの事を君にしてしまった。謝るだけじゃ済まない。明日も明後日も、毎日君と会うのに。会いたいのに。こんな、最低なことしたら君に合わす顔がない。大好きなのに、大切にしたかった。いや、したかったとかじゃあダメだよな。しないといけなかった。君を泣かせてしまった。ああ、なんて失態だ。歩いてる人が驚くくらいやばい顔してんだろうな。泣いてる。情けない。言葉も出ない。もう、あの関係性も終わり。気づかれてしまった。
コメント
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めっちゃ好きだぁ! 続き楽しみにしてます!!